MINOLTA α-8700i


写真はMINOLTA α-8700i + 28〜135mm F4〜4.5

このカメラを見ると学生時代の思い出がよみがえる。

このα-8700iは、学生時代の僕が購入の視野にまで入れていながら
結局購入しなかったカメラだった。

購入しなかったいきさつは、他のカメラについての文章の中で、
AF一眼レフの進化の過程についていけなかったということを語ったと思う。
そんな中で、手にしたEOS10とちょうどライバル関係であったこのカメラを
手にすることはなかったのだ。

しかし、このボディとレンズの組み合わせは、
写真学校の学生だった僕が、目の当たりにして、
そしてじかに手に取ったカメラでもあるのだ。

学生時代、写真撮影を実習するゼミの講師であった、
土田ヒロミ氏がこの組み合わせを使用していたのだ。
土田ヒロミ氏を知らない写真家を目指す者はいないと思うので、
氏に関しての経歴等はここでは語らない。
写真家として、前線で活動している氏のゼミで学べたことは
とても自分にはためになった。

その氏のゼミで銀座に集まったときにこのカメラを触らせてもらった。
結構、写真家と云う人々は、カメラに対して無頓着というか、
それほどのこだわりを持っているわけではないようだ。

氏のカメラにはミノルタのプロストラップ(白い初期のタイプ)
がつけられているが、
レンズにフィルターもフードもつけていない。
もっともこのレンズに純正フードは用意されていないのだが。

レンズの隅も埃がたまっていて、触らせてもらったついでに
クリーニングした覚えがある。
氏はこの28〜135mmのほかに、100〜300mmも携帯していたようだが、
レンズ交換するそぶりもなく撮影していたようだ。

なぜか、これが写真家なのだと思った。
レンズの描写が云々、カメラの性能が云々ではないのだ。
出来上がった写真こそが、写真家の目的であり、
カメラは手段でしかないのかもしれない。

氏のストイックな写真への体勢と、自然な間合いというのだろうか。
写真に対して自然体である氏の姿に学ぶことも多かった。

この手元にあるカメラを手にすると、
不思議とその感覚がよみがえるのだ。

このカメラは僕を初心にかえしてくれるカメラである。
肩の力を抜いて写真と向き合えるのである。

今年に入って、なんとなく入手したこのカメラが、
僕に新たな意欲をもたらしてくれている。

そんなカメラをようやく僕は手に入れた。
そしてα-7000につけていたお気に入りのストラップを
こちらに付け直した。

当時の自分と、土田ヒロミ氏と、今の自分を重ね合わせるように・・・・・。

2003/05/29

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