聖グリニョン・ド・モンフォール
ロザリオの唱え方
効果のある方法
ロザリオがふさわしく祈れるように聖霊の助けを願ったら、しばらく神の御前に身をおき、私がお教えする方法で何連かを捧げてください。
各連を捧げる前にほんのしはらく休み(どれだけの時間を祈りにあてるかによって決める)、その一連で今まさに栄光を帰そうとしている奥義を観想してください。いつもその奥義により、また聖母のとりなしを通じ、この奥義の内で、もしくは、あなたが特に必要として黙想している奥義の中で、最も輝き出ている徳を必ず全能の神にお願いしてください。
ロザリオの祈りの間に、大抵の人たちが陥る二つの落とし穴を避けるよう、余程気をつけて下さい。その第一は全く何の恵みも求めないという危険です。ですからロザリオを唱える目的を訊ねられても何と答えていいのか分からないのです。従ってロザリオを唱える時はいつも、特別な恵みを必ず求めてください。キリスト教の素晴らしい徳の一つを身につけられるように、あるいは、あなたの罪の一つに打ち勝てるよう神の助けを求めてください。
聖なるロザリオを唱える時、多くの人たちの犯す第二の大きな過ちは、できるだけ早くこの祈りを済ませてしまおうとすることの他何の目的もないことです! これは、ロザリオを心から実践していないあまりにも多くの者が、この祈りを実際よりもずっと大変な重荷に思っているからです。とりわけ、ロザリオを規則的に唱える約束がしてあったり、多少自分の意に反し、償いとして唱えるよう言われたために良心に重くのしかかっている時にこういう感じを受けます。
大部分の人たちのロザリオの唱え方を見ると、全く情けない限りです。みんな呆れる程の速度で、また祈りの言葉を不明瞭な発音でもぐもぐ唱えているのですから。たとえ最もとるに足らぬ人に対してでも、ここまでいい加減な挨拶の仕方をするなど考えられないでしょうに。私たちは一体、そんな粗雑な挨拶でイエズスとマリアをお喜ばせできると考えているのでしェうか! そんなことでは、この聖なる祈りを何千回唱えたところで何の実りも結びはしません。一向に以前と比べて改善されたところがなかったとしても何の不思議もありません! 敬愛する信心会の皆さま、「天にまします」と「めでたし」は唱えるのが容易いので、どうしても速くなることに注意し、数回短い休止を入れるようお願いします。ご覧のように、この二つの祈りの中で、休止する部分に私は 字の印をつけてみました。
天に在すわれらの父よ 願わくは御名の尊れんことを 。み国の来たらんことを 。み旨の天に行わるるごとく 地にも行われんことを 。われらの日用の糧を こんにち、われらに与え給え 。われらが人に赦すごとく われらの罪を赦したまえ 。われらを試みにひきたまわざれ われらを悪より救いたまえ。アーメン。
めでたし聖寵満ちみてるマリア 、主はおん身と共にまします 。おん身は女の内にて祝せられ 、ご胎内の御子イエズスも祝せられたもう 。天主のおん母聖マリア 、罪びとなるわれらのために、今も 、臨終の時も祈りたまえ。アーメン。
この二つの祈りを大急ぎで唱える悪い習慣がついているために、最初のうちはこれらの休止を取るのが難しく思われるかもしれません。しかし、この方法で黙想に耽りながら唱える一連は、超スピードで唱える、休止もなければ黙想もない何千回のロザリオより値打ちがあります。
聖ルイ・デ・モンフォー著『ロザリオの神秘』(エンデルレ書店)より
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