1975年8月14日(2/2)
E = エクソシスト
J = イスカリオテのユダ、人間の悪霊 [18]
地獄の存在
J: 私が彼女に〔上を指差す〕聞いてさえいたら! 彼女は私の近くにいた。〔恐ろしい声でため息をつく〕
E: 誰がお前の近くにいたのだ? …の聖名によりて語れ!
J: 彼女だ。上のあそこにいる〔上を指差す〕。しかし私は彼女を拒絶した。
E: 続けよ、ユダ。福いなる童貞の聖名によりて、お前が言わねばならぬことを言い、そして真実のみを述べよ!
J: 私は全てのものの内で最も希望のないものである。〔うめく〕
イエズスの地獄への訪れ
E: ユダ、お前は今語らねばならない!
J: 嫌だ。〔うめく〕
E: お前が拒絶した女王の聖名によりて、彼女の聖名 … カルメル山の聖母の聖名によりて … お前は今地獄に去らなければならない!
J: お前は完全なロザリオの悲しみの玄義と使徒信経を唱えなければならない。
〔私達がそれらを唱える間、“地獄に落とされた” ユダは語る〕
J: 彼は来たのだ。彼はそこに降りて来た!
E: キリストがリンボに来たというのか? …の聖名によりて、真実を語れ!
J: 彼は彼を待っている(義人の)霊魂達のいるリンボに行っただけではなく、地獄にも来たのだ。
E: 何故彼は地獄に来たのだ? …の聖名によりて、真実を語れ!
J: 彼が我々のためにも死んだということを示すためにだ [19] 。それは我々には恐ろしいことだった。彼は確かに死者の王国に行った、しかし地獄にも来たのだ。本当に、本当に地獄にも来たのだ。ミカエルと他の天使達は彼〔上を指差し、うめく〕に飛びかかろうとする我々を鎖でつないでおく必要があった。私は私であるところのものだ。だからそれを言いたくない。それを全く聞きたくない──私はイエズス・キリストを裏切ったことで有罪なのだ。
お前達は「I see you, Jesus, silent... 」と「I wish to express sorrow for my sins」を歌わねばならない。これら二つの歌と、そしてスターバト・マーテル、「十字架のもとにたたずみ給えり... 」を歌わなければならない。
〔そこに居た者達は二つの聖歌を歌う〕
J:〔歌が続いている時、彼は恐ろしい絶望の叫び声をあげる〕私が後悔しさえすれば! 私が後悔しさえすれば!
E: イスカリオテのユダよ、我ら司祭達は、汝に、至聖三位の聖名によりて命ずる... 地獄に戻れ!
J: 嫌だ、戻りたくない。〔うなる〕 私にとってこの女の中にいることは良かったのだ、この女の中にいることは良かったのだ。この女はかなりの程度、私の絶望を共有しなければならなかったのだ [20]
E: ユダよ、…の聖名によりて、お前は今、彼女から出て、地獄に、お前が属する永遠の天罰に戻らなければならない! …の聖名によりて!
J: 私はそうしたくない。
E: イスカリオテのユダよ、天主の御母の聖名によりて、そこから離れよ!
J: 彼女〔上を指差す〕は、もし彼女にそれが可能なら、今でも私を憐れむだろう、今でも! 彼女は私を愛していた、彼女は私を愛していた! お前はこれがどういうことかわかるか?〔恐ろしいため息をもらす〕
E: …の聖名によりて、イスカリオテのユダよ、自分の名を言え! そして離れよ!
J: 私は彼女が私を愛していたのを知っている。〔悲しげにつぶやく〕
E: お前はそれを望まなかった。お前は彼女に従わなかった。彼女はお前を永遠のために、天国のために救いたかったのだ。彼女はお前にとても好意的だったのだ! ファチマの聖母の聖名によりて、今、去れ!
J: 嫌だ!〔絶望的な叫び声〕
E: イスカリオテのユダ、汝の名を言い、去れ! 汝に裏切られ磔刑に処せられた救い主の聖名によりて、主の御苦しみの聖名によりて、オリーブの園における主の御苦しみの時の聖名によりて、今、地獄に去れ!
J: お前達は三度言わなければならない、「聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな」...
〔そこに居た者達は祈りを唱え、そして「Benis O Marie!」を歌った。その間、ユダは恐ろしい声で叫び声をあげていた──「嫌だ! 嫌だ!」〕
E: 至聖三位の聖名によりて、…の聖名によりて、我らは汝に命ずる!〔ユダは一人の司祭のストラを手に取って泣いている〕イエズスの聖名によりて、ここを離れよ、イスカリオテのユダ! 全ての祝されし霊魂達の階級の聖名によりて、この婦人の守護天使の聖名によりて、汝は今去らなければならぬ。──我らは汝に命ずる!
J: 嫌だ!〔恐ろしい声〕
E: この婦人の保護の聖人の聖名によりて、イスカリオテのユダよ、汝は今去らねばならぬ!
J: お前は棚にある全ての聖遺物を持って来なければならない。そうすれば、私をとても簡単に去らせることができる。私は...〔恐ろしい叫び声を発する〕
E: 我らの主、イエズス・キリストの残酷なる御苦しみの聖名によりて、…の聖名によりて!
J: 私は行きたくない!
E: お前は行かなければならない! …の聖名によりて! …
J: 私は行きたくない。私は去りたくない。私を放っておいてくれ。私を一人にしておいてくれ!〔恐ろしい叫び声〕
E: 偉大なる勝利の聖母が汝に命ずる!
J: 私が彼女に聞いてさえいたら!
E: 我らは、汝に、福いなる童貞の聖名によりて、カトリック教会の聖名によりて、命ずる!
J: それは無駄なことだ。〔無気味に、大声で不平を言う〕
E: 至聖三位の聖名によりて、…の聖名によりて! …
地獄はある
J: もし私があの後で希望を失うことさえなかったら! 地獄にいることは恐ろしい! もし私が希望を失うことさえなかったら!〔背筋が寒くなるような絶望の遠吠え〕
E: 福いなる童貞はお前に去ることを命じておられる。磔刑に処せられし主の聖名によりて、主の尊き御血の聖名によりて!
J: もう少しこの女の中にいさせてくれ。
E: 駄目だ。離れよ。聖なる使徒達の聖名によりて、…の聖名によりて!
J: そうしたくない。嫌だ。嫌だ!〔憎悪に満ちた声でわめく〕... しかし、彼ら(地獄の霊魂達)はすぐに来るだろう。〔悲痛な叫び声〕
E: お前は今行かなければならない、イスカリオテのユダよ、カルメル山の聖母の聖名によりて! 彼女はお前に地獄に戻るようにと、永遠の天罰に戻るようにと命じておられる!
J:〔長く伸びる心臓を切り裂く叫び声〕嫌だ、嫌だ!〔恐ろしいため息をつき、絶望の音を発する〕
E: 聖母の七つの御悲しみの聖名によりて、至聖三位の聖名によりて、… 地獄に去れ!
J: しかし私はそうしたくない、そうしたくない。〔物凄い遠吠え〕
E: 至聖三位の聖名によりて、天主の御母、無原罪の御孕りの聖名によりて、我らは汝に、ルシファーの国に戻るようにと命ずる!
J:〔延々とうなり続ける〕嫌だ!〔物凄い絶望の遠吠え〕嫌だ、嫌だ! 彼らは私を地獄で全く必要としていない!〔突然、ユダは「ルシファー、われを助けよ!」と絶望的に叫ぶ〕
〔司祭達は新たにエクソシズムの式文と連願を唱える〕
E: 至聖三位の聖名によりて、我らは汝に、永遠の地獄に戻るようにと命ずる!
J: おお、あなた方、地獄の霊魂達よ、わが助けとして来たれ! われが去ることを強いられぬよう、われを助けよ! アカボル、急げ! われを助けよ! おお、おお、早く! 早く!〔悲壮にうめく〕
E: イスカリオテのユダ、…の聖名によりて!
J: ルシファー、あなたが私を送ったのだ。あなたは私を助けねばならない!
E: 我ら司祭は汝に命ずる。至聖なる三位一体、聖父と …の聖名によりて ...
J:〔絶望の中で泣く〕彼らは来る ... 彼ら(ルシファーとその配下)は間もなく来る ... お前達は私が彼らをどれだけ恐れているか知っているか? 知っているか?
E: 我らカトリック教会の司祭は、至聖なる三位一体、聖なる十字架、無原罪の御孕り、天主の御母、ルルドの聖母、ファチマの聖なるロザリオの聖母の聖名によりて、汝に命ずる。…去れ! イスカリオテのユダ!
〔司祭は三度唱える。「聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな... 」。そして、「天の聖父に栄光あれ」。その時、ユダは、憑霊された婦人の口で、しかし男の声で話し始める。〕
J: 嫌だ! おお〔うめく〕... 我々は、そうすることができさえすれば、この女(憑霊された女性)を今すぐにも殺すだろう。我々はずいぶん前に、この女は殺さなければならないと決めたのだ。
E: 我らは汝にこの女性を殺すことを禁ずる。至聖三位の聖名によりて ... 今、立ち去れ! 福いなる童貞の聖名によりて、聖なる天使達と大天使達、特に聖ミカエルの聖名によりて、立ち去れ!
J: 嫌だ、ミカエル、お前はしてはならない...〔動物のように遠吠えし、ひどいうめき声を発する〕
E: 至聖三位の聖名によりて、イスカリオテのユダよ、汝の名を叫び、立ち去れ!
J: 私... 彼らは来る! 私... イスカリオテのユダ... 私... イスカリオテのユダ... 私は去らねばならない! 私は去らねばならない! 去らねば... 私はそうせねば... 私はそうせねば... そうせねば! 彼らは来ている... 彼らはそこにいる!〔彼は遠吠えし、恐ろしい声で叫ぶ〕 彼らはそこにいる! 邪悪な霊達!〔泣く〕ルシファー、ルシファー... 来るな、ルシファー、来るな! 私はあなたが怖い、来るな!〔脅えた様子で叫ぶ〕
E: お前は今すぐ立ち去らねばならない、イスカリオテのユダよ。…の聖名によりて!
J: 彼は来る... 彼は来る...
E: 福いなる童貞の聖名によりて ... 永遠に地獄に立ち去り、決して戻って来てはならない!
J: 彼らはそこにいる、彼らは... 彼らはそこにいる...〔恐ろしい泣き声とうめき声〕 私は行かねばならない... 彼らは私に挨拶している!
E: 至聖三位の聖名によりて、今立ち去れ! 汝の名を叫べ!
J: 私は既にそれを言った... 私、イスカリオテのユダ... 私はそうしなければならない... 私は... 私は行かなければならない。
E: ファチマの至聖なるロザリオの聖母の聖名によりて、ルルドの無原罪の聖母の聖名によりて、立ち去れ! 聖父と聖子と聖霊との聖名によりて、お前は今立ち去らねばならぬ!
J: “イスカリオテのユダ!” 〔恐ろしい悲痛な叫びが15分間続く〕
E: 我らは、汝に、カトリック教会の聖名によりて、至聖三位の聖名によりて、命ずる!
地獄は人々が考えている以上に恐ろしい
J: ああ、この絶望! この恐ろしい絶望! [21] それはどんなに恐ろしいか! お前達には地獄がどんなに残酷なところか想像もつかない! お前達には下のあそこがどんなに恐ろしい所か想像もつかない! お前達はそれがどんなものか知らない!
E: それはお前自身の過ちから起きたことだ。去れ、イスカリオテのユダ! …の聖名によりて!
J:〔うなり、ため息をつく〕 私は恐ろしい境遇にある! 下のあそこで、私はそのような恐ろしい境遇にある! ああ、ああ! 私が恐ろしい境遇にあることを全ての者に告げよ! 善き人生を送れ! 善き人生を送れ! それは恐ろしい... 天国の愛のために、天国に至るために、全てのことを為せ。それがたとえ拷問台の上で千年間引き続く拷問だったとしても。聞け。私にはもっと言うべきことがある。もしお前が拷問台の上に千年間留まらなければならないとしても、しっかり耐えろ、しっかりと耐えろ! ... 地獄は恐ろしい、それは恐ろしい! 誰も地獄がどれだけ恐ろしい所かを知らない! それはお前達が想像するよりも遥かに酷いところだ。それはゾッとする... 全くゾッとする! 〔ユダはこれらすべてを、背筋が寒くなるような、痙攣したような、途切れ途切れの、言葉にできない絶望の声で語った〕
E: お前は全てのことを語ったのか? イエズスの聖名によりて...
J: 私は、あまり言いたくはないが、しかしまだ言うべきことがある。多くの者達がいる... もはや地獄を信じない者達だ... しかし... しかし〔脅すように言う〕それはあるのだ!
E: そうだ、地獄はある。…の聖名によりて、真実のみを述べよ!
J: その通り... 地獄はある... ! それは恐ろしい... ! 私は間もなくそこに戻らなければならない。しかし私にはまだ言うべきことがある。〔彼はわめき、動物のように泣く〕
E: しかし、お前は行かねばならぬ。…の聖名によりて、この女性から離れよ!
J: 地獄は信じられているよりも遥かに恐ろしい... ! 地獄はお前達が考えているよりも遥かに恐ろしい... !〔耳をつんざくような大声で叫ぶ〕
E: …の聖名によりて、語れ!
J:〔わめき、泣き叫ぶ〕ああ... ! もし私が昔に戻ることができれば... ! もし私が昔に戻ることができれば! ... ああ、ああ! 〔言いようのない泣き声〕
E: この女性から離れよ、この女性から離れよ! …の聖名によりて... !
J: ああ! 私は下のあそこには戻りたくない。憐れみをくれ... この女の中にいさせてくれ!
E: ならぬ! …の聖名によりて、我らは汝に命ずる。この女性から離れよ!
J: この女の中にいさせてくれ! この女の中にいさせてくれ!
E: 駄目だ! 駄目だ! …の聖名によりて、立ち去れ!
J:〔ため息〕この女の中にいる方がいいのだ。この女はかなりの程度、私の絶望を共有しなければならなかった。この女の中にいさせてくれ... それは私には恐ろしいことなのだ... 人間にとって、地獄はとても恐ろしい所なのだ。〔喘ぎつつ、ため息をつく〕 ああ、この女の中にいさせてくれ!
E: 駄目だ! …の聖名によりて... !
J: それに、この女はまだ私に(大きな絶望に)我慢することができる。この女にとって、私を留まらせるのは良いことだ。
E: この女性から離れよ! …の聖名によりて... !
J: 何を考えているんだ! ... 下のあそこはとても恐ろしい所なんだ! とても恐ろしい所なんだ! ああ! ああ!〔わめく〕 このことを言え! ... 全ての若者達、全ての異教徒達に言え! 絶対に言え! 全ての人達に! 地獄はある!〔身を裂くようなゾッとする声〕 ああ!〔泣く〕 それは気が狂いそうになるほど恐ろしい所だ! もし私が祝せられた乙女に聞いてさえいたなら! そしてもし私が自分の首に縄をかけてさえいなかったなら! もし望みを捨てさえしなかったなら! もしそれを捨てさえしなかったなら!〔絶望的な声〕... 滅ぼされた人間達は、皆、地獄の我々のところに来た時に同じように言う。しかしその時は既に遅いのだ。彼らは手遅れになるまで地獄を信じない。
E: お前は立ち去らねばならぬ! 至聖三位の聖名によりて、全ての聖なる天使と大天使の聖名によりて、そして大天使聖ミカエルの聖名によりて!
J: そのミカエルは我々にとって恐ろしい存在だ。ミカエルは恐ろしい。〔憎悪のこもった声でわめく〕
E: 去れ! アルスの聖なる主任司祭の聖名によりて、全てのエクソシストであった司祭達の聖名によりて、そしてカトリック教会の聖名によりて!
J:〔叫ぶ〕ユ... ダ、イス... カ... リ... オテ! 私は行かなければならない。〔恐ろしいうなり声〕
E: 今、汝は立ち去らなければならぬ、イスカリオテのユダ。至聖三位の聖名によりて、汝は全永遠のために地獄に戻らなければならぬ! 汝は天罰に戻らねばならぬ!
J: 彼らは来ている、彼らは来ている。〔うめき、絶望的に泣く〕 そこに彼らはいる... さらば、さらばだ、幸福な人達... 幸福な! 私は去る... 何故なら、そうしなければならないからだ... そうしなければならないからだ...〔心臓を裂くような声で泣き、うなる〕
E: 我らは汝に命ずる。至聖なる三位一体、聖父と聖子と聖霊との聖名によりて。アーメン。大天使聖ミカエルの聖名によりて、今、去れ! 汝の名を叫び、地獄に立ち去れ!
J:〔絶望し、獅子のようにうなる〕 私... 私は離れる... ユ... ダ... イス... カ... リ... オテ!
E: 今、離れよ! 地獄に行け! 大天使聖ミカエルの聖名によりて、福いなる童貞の聖名によりて、…の聖名によりて! 〔ユダはまだ信じられないほどの絶望を表わして、かん高い声で叫び続けている〕
〔突然、ユダは上を指して言う──「彼女はもう少しの猶予を私に与える。この女(憑霊された女性)の使命はまだ終わっていない。」〕
原註
[19] イエズスは全ての者のために死んだ。ここで話しているのは人間の悪霊、ユダである。前出のアカボルのような堕天使としての悪霊ではない。
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