2011.04.23

サタンの煙: パウロ6世ホール (5)

Tradition in Action の記事をもう一つ紹介する。読者の問いとそれに対する編集者の応答。私はこの投書者にまったく同意する。
醜いパウロ6世ホール
親愛なる TIA
バチカンでのサーカスの写真を見ました。私は、彼らが演じているそのホールほど、醜悪且つ邪悪に見えるものを、かつて一度も見たことがありません。二番目のイタリアのアメリカン・サーカスが映っている写真の中、その左側に、ある種の彫刻が見えます。それはまるで、絡み合い、もつれ合ったゴミ溜めの中から一人の女性が出て来た、といったふうに見えます。
ステンドグラスの嵌まった窓もあります。それは醜く、ホールの他の部分と不釣合いに見えます。場所の大きさ、大きな照明、恐ろしい彫刻……この怪物が本当にバチカンにあるなどということは、私にとって信じ難いことです。
あなたは、この恐ろしい場所がいつ造られたかについて、何かご存知ですか?
敬具。
M. R.
TIA の応答:
親愛なる M. R.
この現代的なホールは、イタリアの建築家ピエール・ルイージ・ネルヴィによってデザインされるようにと、パウロ6世によって注文されたものです。1971年に落成し、パウロ6世が帰天するまで「ネルヴィ・ホール」という名称で呼ばれました。パウロ6世帰天後に、今日の名称「パウロ6世ホール」となったのです。この建物は、パウロ6世の治世(1963-1978)下において興った「教会建築の現代化」の波を、それが一般的なものになるまで促進しようとの目的で、非常にモダンなスタイルで建てられたものです。
あなたが言及した彫刻──下の一枚目の写真にあるものですが──それはキリストの復活を意味するものとされています。しかしそれは復活についてのカトリックの伝統的な教えとは一致せず、むしろテイヤール・ド・シャルダンが説いたような「宇宙的キリスト Cosmic Christ」の方により調和しているようです。実際、ペリクレ・ファッツィーニによって作られたこのキリストは、まるで「人類の新しいステージ」を告げながら、地球の力の噴火の中から立ち上がっているように見えます。それは、「イエズス・キリストはただ、万人共通の進化過程において次のステージを拓いただけの、一人の『スーパ−進化』を遂げた人間であった」というシャルダンのテーマ一致するものです。
この建物は、サン・ピエトロ広場のベルニーニの列柱の左側〔大聖堂に向かって〕、約100 ヤードのところに建っています。二番目の写真は、サン・ピエトロ大聖堂の頂塔から撮られたものです。どれだけ近いかが分かるでしょう。
この建物は、教皇様に謁見する人々の数がバチカンの部屋〔複数〕のキャパシティを超えていて、且つ、サン・ピエトロ広場に集まるべき程ではなかった場合に、使われます。
敬具。
TIA 投書係
TIA の理解は全く正しいと思う。この建物のこの形状があって、この彫刻のこれほどの悪魔的な醜悪さがあって、おまけに共産軍も入り込んだと来ちゃあ、三役揃い踏みみたいなもんで、もう「確定」だ。
つまり、60〜70年代、教会の中で悪魔/悪霊が跳梁跋扈していた時代に……
……敵が画策し、置いていったということだ。この建物と、この彫刻は。
しかし、過去ではない。
バチカンの人達は、知ってか知らずか、今もこれを使い続けている。
ほとんど猟奇的な怖さだ。私は、この異様な趣味、というか感覚は、サタニスト/オカルティストのものだと確信する。普通に確信する。
「知ってか知らずか」と書いたが、たとえ知っていても、このホールを不使用に付すということは難しいだろう。そのためには「理由」が必要なのだから。理由・・・理由・・・厄介である。
巨費を投じて「人々のため」という名目で建造したホールである。聖堂ほどではないにしろ、人々と神の教会との連絡をつけるためのホールである。そういうことになっている。どういう「理由」でこれを斥けるか。
「壁に “目” があるから」… 教皇様がそんなことを言えるか。そんなことを言えば、彼は全世界の笑い者である(私が “小世界” で笑われているように)。新聞の見出しにはこういう文字が踊るだろう──「ローマ教皇、陰謀論者の仲間入り」
彫刻。これをどんな理由で斥けるか。「カトリック信仰と調和していないように思われる」「私の目には醜悪なものに思われる」。否、そんなことも言えない。何故なら、この彫刻には「パウロ6世」の名札が付いているからだ。一人の教皇は前任の教皇達の「意向」を重んじなければならない。現教皇様がこれを撤去なさりたくて何かおっしゃっても、「では、あなたの前任者の意向はどうなりますか。ゴミ箱行きですか」とでも言われれば、終わりだ。そうなることは分かっているから、そもそもそんな問い(希望の提出)は存在しないだろう。
普通には、なんとも難しいところだ。
それに、ひょっとすると、現教皇様は大して何とも思っておられないのかも知れない。TIA がこの彫刻を見てテイヤール・ド・シャルダンのことを連想したのはもっともなことだが、テイヤール・ド・シャルダンと言えば、現教皇様は彼のことを半ば評価しているような口振りをなさっている。
後にテイヤール・ド・シャルダン(1881−1955年)は偉大な展望を思い描きました。わたしたちは最終的にまことの宇宙的な典礼 (true cosmic liturgy) をささげます。
2009年7月24日の講話 和文 英文
私は今、目をこすって見直した。「偉大な展望(great vision)」とある。「半ば評価している」程度ではないのかも知れない。
が、テイヤール・ド・シャルダンの思想は明確に悪魔由来である。
最近、オカルト本部は、自らの広告上で「テイヤール大好き宣言」をした。参照
このホールでは多くの催し物も行なわれている。TIA がその一つを紹介している。クリック
教皇様の前で男達がもろ肌脱いで筋骨隆々。シスター達も見ています。悪霊が誘惑していると思いませんか?
TIA の記事によれば、この男達は「少なくともゲイにフレンドリーな」人達である。が、ゲイだろう。記事の下に見るように、堂々と「ゲイ・サーカス」と銘打った興行に出ているくらいなのだから。
ということで、敵の目から見れば、この「教皇謁見ホール」は、彼らの最初からの目的を立派に果たし続けているというわけである。
パウロ6世ホールそのものについてはこれで終わるが、私は、今回のこれによって、以前から気になっていたもの、カトリック界にある怪しく醜いものを、少し本気で考え始めた。教会に、事実、これほどのものが入り込めるのだから!
そして、既に、もちろん私の能力の範囲内でだが、ある程度のものは掴んでいる。まとまったらアップする。
建築家のピエール・ルイージ・ネルヴィ氏については触れなかったが、彼については、極めて現代的な建物を作るということしか、私には分からない。
こんなものが目に入った。
イタリアのサンパウロが販売している CD-ROM である。
なんと馬鹿馬鹿しい……
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参照: Vatican City Map
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