2011.04.23

サタンの煙: パウロ6世ホール (2)

建物の外壁にあった楕円状のもの(目、あるいは目の "黒目" の部分のように見えたもの)を内側から見たのが、上の写真のAである。
それはステンドグラスが嵌まった窓である。
まあ、人によってはこれを「綺麗」と思うかも知れない。
(これは外側から)
Wikipedia の Paul VI Audience Hall の項は、この建物についてだいたい次のように説明している。
  • 1971年に完成。
  • 水曜の朝の教皇の一般謁見のためにサン・ピエトロ広場に代るものとして使われている。
  • 設計はイタリアの建築家ピエール・ルイージ・ネルヴィ。
  • このホールで最も人目を惹くものは、ステージ上の20メートルの横幅を持つ、真鍮とブロンズでできた、ペリクレ・ファッツィーニ作の『復活』と題された彫刻である。
  • 2008年11月26日、屋根の全てをソーラーパネルで覆う工事が完了した。
さて、私が自らカトリック信者でありながら──否むしろ、カトリック信者であるが故に──「この建物は悪魔側の人間達が作ったものである」と頑と主張して譲らないのは(そう、譲らない)、単に建物の形状のためばかりではない。
では、上に言及された『復活』と題された彫刻というのがどんなものかを、とくとご覧頂きたい。そして、忘れないで欲しい、この場所は、このステージ(冒頭の写真のB)は、教皇様が毎週のように使われる場所なのだ。Weekly General Audience でだ。
目を疑わないか?!
高位聖職者の皆さん、あなた方は何とも思わないのですか?
失せろ、化け物!
ゾッとする!
教皇様のうしろに、化け物!
クリスマスにも、化け物!
「見ようによってはそれほどでもない。そんなに酷いものではない」とのたまう方は、どうぞこれをお持ち帰りになり、ご自分の家の外壁に飾るか、細分化して部屋の装飾にでも使うかして下さい。
勿論そんなことは現実的にはできませんが、でも、その前に感覚としてできますか? という話です。これを自分の傍に置きたいですか? 真の芸術品なら置きたいでしょうが。
まったく、どうしてこんなことになっているのか……
私は「スンモールム・ポンティフィクム」の中の一節を思い出す……
こうしてローマの様式に従う聖なる典礼は、多くの民族の信仰と信心だけでなく、その文化をも豊かにし〔て来〕た。
本来は、あるいは歴史の或る時点までは、その通りだったろうと思う。この言葉は特に典礼に関して言われたことだけれども、カトリック教会は典礼に限らず、その霊を通して、「美」に関しても人類を教え(教えるともなく教え)、善き影響力を及ぼして来た筈だ。何故なら、カトリック教会は天主の教会であって、天国に通じている、そして天国が美の世界であるならば、天国に通じている教会は、当然、美に鈍感であることはできないからだ。
しかし、見よ、今やそんなものは幻想! その逆でさえある!
教皇様が、このホールで私達に何世紀も何十世紀も前の高徳な教父について教えながら、他方、今現在、直ぐそこで、そうしているご自分の背後に「何が」あるかを少しもご存知ないなら(仮定)、これは恐ろしいことである。
更に写真。
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語と参照
ピエール・ルイージ・ネルヴィPier Luigi Nervi
ペリクレ・ファッツィーニ: Pericle Fazzini
復活:(伊)Resurrezione, (英)Resurrection
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