ジョン・コーンウェル著『奇蹟との対話』より
pp.270-272
一日の多くの時間を念祷に費やしながら、外向的で精力的な伝道を死ぬまで指揮し、一日十二時間を告解にあて、慈善事業を行った。彼の霊性は「私的」かつ高尚で、到達しがたいものに思えたが、平凡な信心が好きで、民衆によく接した。だれからも聖人と評されたが、彼自身は相応しくないと考え、ぶっきらぼうで、きつい言葉を吐くこともたびたびだった。(…)
告解では、特にプライドやただの好奇心を相手に認めた場合によく怒ったが、罪に生きている人間が、償いの目的を持たずに来たときには、怒りは倍増した。声を荒げて、許しの秘蹟を与えずに追いだし、頬をひっぱたくこともあった。告解の場で神父と対座すると考えただけで多くの人が震え上がった。