ベイサイドの聖母出現は実のところ
少しも「調査」されていない
Bishop Francis Mugavero
1914-1991
catholic-hierarchy
当時のニューヨークのブルックリン司教区(ベイサイド地区が含まれる)のフランシス・ムガヴェロ司教は、1986年11月4日に発表した公的書簡の中で、「我々はそれについて『綿密な調査』をした」と声明した。
私、下に署名するブルックリン司教区の司教である私は、当司教区の合法的な司牧者としての私の役割において、申し立てられた「ベイサイドの示現」は、綿密な調査の結果、真正性を全く欠くものであることが判明したということが、ブルックリン司教区の変わらぬ立場であることを、ここに確認したいと思います。
I, the undersigned Diocesan Bishop of Brooklyn, in my role as the legitimate shepherd of this particular Church, wish to confirm the constant position of the Diocese of Brooklyn that a thorough investigation revealed that the alleged "visions of Bayside" completely lacked authenticity.
しかし、この「a thorough investigation(綿密な調査、完全な調査)」という部分については、普通の言語感覚からすれば「嘘」と言われるべきもののようである。
以下、ベイサイド支持者達の証言を幾つか掲げる。中にはかなり感情的に書いている部分も見受けられるが、そこはあなたの知性で「濾して」読んで頂きたい。
次に引用するのは、San Francisco Catholic 誌〔訳註: サンフランシスコ大司教区の刊行物らしい〕1993年3月号からのものである。
サンフランシスコで活動する
「ベイサイド・ムーブメント」
一つの偽の宗教団体が、サンフランシスコの教会の駐車場で資料を配布している。そして、何も知らされていないカトリック教徒たちの心に、彼らの運動についての関心を掻き立てている。配布されている印刷物は「天国からの指令: 知られざるニュース: そして薔薇」と題されており、発行者は These Last Days Ministries となっている。彼らは、ニューヨークはロングアイランドのベイサイド地区に住むヴェロニカ・ルーケンのメッセージを広めている。伝えられるところでは、ミセス・ルーケンは1970年に聖母の出現に遭ったという。
しかし、ブルックリン司教区の綿密な調査は、その幻視の真正性を確証できなかった。同司教区のフランシス・ムガヴェロ司教は、「ベイサイド・ムーブメント」に関する自身の宣言(1986年11月4日)の中で、次のように述べている。
「私は、キリストの信徒達の信仰が『幻視者たち』によって中継されるカトリック教会の信仰に反した『メッセージ』と『教え』によって危険に晒されることのないように、ここに司牧的ガイダンスを提供するのが自らの義務と考えます」
同司教の宣言は続けて、ヴェロニカ・ルーケンとその支持者らによって報告されているいわゆる「出現」に対してはいかなる信頼性も与えられないこと、更に、メッセージ及びそのグループによって配布されている他のプロパガンダはカトリック教会の教えに反した声明を含んでいること等を述べている。現在のブルックリン司教区に問い合わせたところ、その立場は1986年のムガヴェロ司教の宣言のままであるということであった。この立場はバチカンの完全な支持を得ている。
サンフランシスコ大司教区の全てのメンバー達は、このムーブメントがカトリック教会の承認を得ておらず、どのような形においてであれそれを支持することは不適切なことで、カトリックの信仰にとって有害であることを再確認している。
偽の宗教団体???
クイン司教〔catholic-hierarchy〕は彼のカテドラルでヴァッスーラ(Vassula)に対して冒涜と偶像崇拝を行なうように誘っておきながら、ベイサイドを偽の宗教グループと呼ぶのか? 彼の行動は我々の上に神の怒りを呼ぶだろう。彼の霊魂のための祈りと償いで天国を攻め立てよう。あなたは次の書簡にあるクイン司教の住所にあなたの証言を送りたいと思うかも知れない。
献身的なベイサイダーがクイン司教に応答する
Most Reverend John R. Quinn
441 Church Street
San Francisco, CA 94114
クイン司教様
「偽のグループ」に関するあなたの記事を読むことは、まったくもって私達をひどく失望させ、落胆させることでした。明らかに、あなたのオフィスは、真実を知る努力を少しもしませんでした。その代わりにそれは、あなたのモダニスト/リベラリズムのご友人達の意見を聞くことを選んだのです。
二つの嘘が発表されました。あなたは述べました、「この出現にはどのような信頼性も与えることが出来ない」と。しかし、今からおよそ五年前、何千人もの目撃者達の前で、McConnelly 神父あるいは Donnelly 神父が、非常にはっきりと「これまで調査が始められたことはなく、ミセス・ルーケンにインタビューするためのどのような努力も為されたことはなく、またベイサイドで起こった奇跡に関し医学記録を参照しようとするどのような準備も為されたことはない」と述べたのです。
あなたはまた、教皇はそのグループを認めていない、と述べました。嘘です! 1979年10月24日、ベイサイドのワーカーの一人が教皇様の手に、録音テープ、メッセージ、メダイ、ローズ・ペタル、そしてヴェロニカ・ルーケンが選んだロザリオなどが入った包みを渡しました。
それを受け取った時、教皇様はこうおっしゃったのです。「私はそれについて知っています。私は、あなた、あなたのご家族、あなたのご親戚、そしてあなたの国におられるあなたの全てのご友人達を祝福します。そしてあなた方全てを聖母の御保護の中に置きます」
もしあなたが物事をもう少し深く調べたなら、聖母のお求めに応じ毎日曜に聖職者のための祈りの一時間が持たれている事に気づいたことでしょう。更に、あなたが言うところの「偽のグループ」が、毎日のミサと御聖体拝領、毎日のロザリオ、月に少なくとも一度の告白、毎日の聖書読書(アメリカの聖書を除く)などを励ましている事にも気づいたことでしょう。
反カトリックである、あるいは教会の信仰に対し破壊的であるなど、とんでもないことです! これらは正に私達が学校で学んできた事そのものです。
あなたが言及した「指令」は、かつては司祭というものが月に一度は私達に提示したであろうような主題から成っているに過ぎません。その主題は、通常、「隣人愛」、「天国」、「地獄」、「煉獄」、「ロザリオ」といったようなものでした。しかし、その中でも、あなたの中に憤慨と不賛成を引き起すであろうものは、今も昔も次のようなものであるのでしょう。
1.司祭
2.手による聖体拝領
3.助祭/聖体奉仕者
あなたが私達のカトリック信仰の基礎、正に土台にあるものを否定し、認めない時、どれほど多くのカトリック信者が他の宗教に改宗しても、驚くに当りません。
私達はカトリック信者として、奇跡や出現が最終的な承認を得るために調査期間というものを要することを知っています。ベイサイドの御出現は現在まで20年以上も続いています。それなのに誰一人、これに関する調査を始めようという努力さえしませんでした!
そうして非難と不承認は、どんな根拠も証明もなしに続いているのです。
Respectively,
アンジェラ(サンフランシスコ)
P.S. もし私が同封した指令のコピーがカトリック信者の目に触れてはならないものならば、私は、それが「ファイル13」の中に入れられるだろう事を知っています。
ムガヴェロ司教はヴェロニカに会うことを拒否した
Gary Wohlscheid
ヴェロニカはかつて私〔訳注: TLDM の Gary Wohlscheid〕にこう語ったことがある。彼女と彼女の夫アーサーはある日、ムガヴェロ司教に会うためにブルックリン司教区の教区本部事務局に向かった。何故なら、調査についての話があったのだが、司教区からは何の連絡もなかったからだ。
彼らが着くと、モンシニョール・キングが彼らを待合室に案内した。ヴェロニカは、そこに宗教画や御像の類が何一つ無いことに気づいた。そこにはただ一つ、ムガヴェロ司教の大きな油絵の肖像画があるだけだった。
彼らが待っていると、司教区のスタッフがその部屋を通り抜けたが、その時その人は、彼らを、まるで別の惑星から来た宇宙人でも見るかのような目で見た。一人の修道女も部屋を通り過ぎたが、彼女は世俗の服を、短いドレスを着ていた。約45分後、モンシニョール・キングが戻って来て、ヴェロニカと彼女の夫を出口に導いた。
この「為された」と言われている調査において、ブルックリン司教区〔当局〕の誰も、ヴェロニカとも、彼女の秘書であるミセス・アン・ファーガソンとも、聖地のいかなるワーカーとも、あるいはベイサイドで癒されたいかなる人々とも、話さなかった。であるから、ブルックリン司教区はどのようにして、いかなる関係者とも接触しないまま、「綿密な調査が為された」と主張することが出来るのか。そしてまた、人々が薔薇の聖母〔訳注: ベイサイドの聖母のこと〕に関する調査結果のコピーが欲しいと要請した時、ブルックリン司教区は「それは存在しない」と認めたのである。
私は、「そんなところだろうな」と思うよ。。(-_-;)
ブルックリン司教区は
ベイサイドの出現を「調査」していない
調査はどのように実行されたのか
調査における主要な情報源の一つは、もちろん幻視者本人である。次は、「内的な祈りの恵み」という本から。
啓示あるいは幻視を識別しようとする際に採るべき正しい道は、私がそれぞれ個別に検討しようとしている次の三つのステップに要約される。
1)自分が神からそのような恵みを受けたと考えている当人について詳細な情報を取ること。
2)啓示の事実について、その実際的なところについて、同様に詳細な情報を取ること。
3)それらの得られた情報から、考えられ得る結論を導き出すこと。
Augustin Poulain 師(イエズス会)著「内的な祈りの恵み」
第23章「啓示: 如何にしてそれを識別するか」p.350
であるから、調査の最も簡単にして正確な方法は、ヴェロニカ・ルーケンに直接個人的な面接をすることであろう。それは為されたか?
規範的な(canonical)調査は今まで実行されたことがない
1)ヴェロニカは前司教のムガヴェロ司教によっても彼の後継者であるトーマス・V・デイリー司教によっても一度も面接されたことがない。
2)ヴェロニカはブルックリンの司教から(あるいは彼から任命された代理者からも)一度も面接の要請を受け取っていない。ヴェロニカは1974年に自らムガヴェロ司教に会うために一度は彼との約束を取り付けたが、結果はどういうわけかムガヴェロ司教からのキャンセルという形に終わった。1991年12月1日の THESE LAST DAYS のラジオ番組において、ヴェロニカの個人秘書であるミセス・アン・ファーガソンは、ヴェロニカは面接してもらえなかったとして、ブルックリンの教区本部事務局の嘘に反論した。
アン・ファーガソン
一つ間違いを指摘したいと思います。先週、テレビの14チャンネルで「幻視」についての番組があり、ベイサイドのご出現のこともほんの少し出ました。その番組で、教区本部事務局のモンシニョール・ガルシアが嘘の証言をしたのです。彼は、ヴェロニカは隠遁者(recluse)であって、そのため質問することが出来なかった、と言いました。これは真実ではありません! 私は1973年からヴェロニカの個人秘書をさせてもらっています。そして翌年の1974年、ヴェロニカはブルックリンとクイーンズの司教区の地区長(Chancellor)のモンシニョール・キングに電話をかけ、ムガヴェロ司教様と会ってお話させて頂きたいから、その手配を取って欲しいとお願いしたのです。
そして面接が手配されました。そしてヴェロニカと彼女のご主人のアーサーは、ブルックリン・グリーンアヴェニューにある教区本部事務局に出掛けました。ベイサイドからは車で一時間ほどのところです。二人が着いた時、それは指定された日、指定された時間でしたが、モンシニョール・キングに迎えられました。しかし彼は、ムガヴェロ司教は彼らに会う事が出来ない、と二人に知らせたのです。二人はモンシニョール・キングと15分ほど話しました。彼は司教様と会う別の機会を手配してくれました。その二回目の時、ヴェロニカは行きませんでしたが、ご主人のアーサーと Nick Sevalen というベイサイドの巡礼者が司教様と会うために向かいました。しかし、彼らが教区本部事務局に着いた時、モンシニョール・キングは再び、司教様はお会い出来ない、と彼らに告げたのです。
ですから1974年の時点では、私達はモンシニョール・ガルシアのことは知りもしなかったのです。彼が教区本部事務局に居るということを知ったのは、ここほんの数年のことです。ヴェロニカは今、ブルックリンの現在の司教、トーマス・デイリー司教様に会う事を望んでいます。
3)1975年5月、ミセス・アン・ファーガソン(ヴェロニカの個人秘書)はモンシニョール・キングに尋ねた。「モンシニョール・キング、ヴェロニカはいつ適切な調査を受けるのでしょうか?」彼は答えた。「それはヴェロニカが彼女の祈りのグループを聖ロベルト・ベラルミン教会の外に出した時です。それを公園に移動させた時です。その時、ヴェロニカは適切な調査を受けるでしょう」(彼自身のこの言葉からも、言われているような綿密な調査など行なわれていないことが分かる! )
4)1984年11月7日午後7:30、ボストンの5チャンネルが「クロニクル」という名のテレビショーの中でベイサイドを紹介した。その番組の中でモンシニョール・キングは、いわゆる「調査」が終了する以前は自分はヴェロニカと話したことがない、と言った。
5)1988年12月3日、テキサスはコーパスクリスティのマイケル・バーク神父はこう書いている。「実際、私は、適切に実施された調査は決して行なわれなかったということで、ブルックリン教区本部事務局の声明に抗議します。これを確かめるために、何故ミセス・ルーケンの言動が有罪とされなければならないかを知るために、Dietzen 神父様に言って、いわゆる『調査記録』なるものを持って来てもらって下さい」(そのような調査記録は存在しない。幻視者、目撃者、癒しの事例、回心の事例、そして超自然的な現象などは、調査されないままである
結論
(私としての)
ベイサイド関係者がこれほどはっきりと書いているのだから、事実、「調査」などされていないのである。少しも、である。
***
さて、たとえその通りだっとしても、大部分のカトリック信者は気にしないだろう。彼らは言うだろう、「結論は間違っていないのだから、大したことじゃない」。
ムガヴェロ司教のその「公式声明」の中に、その「結論」を見てみよう。
私、下に署名するブルックリン司教区の司教である私は、当司教区の合法的な司牧者としての私の役割において、申し立てられた「ベイサイドの示現」は、綿密な調査の結果、真正性を全く欠くものであることが判明したということが、ブルックリン司教区の変わらぬ立場であることを、ここに確認したいと思います。
(…)
教理省との協議のもと、私はここに次のように宣言します。
1. ヴェロニカ・ルーケンとその支持者達によって報告されているいわゆる「出現」に対しては、いかなる信頼性も与えられない。
2.「メッセージ」とこれに関係する他のプロパガンダは、とりわけカトリック教会の教えに反する内容を含んでおり、司教達と協議会の合法的な権威を徐々に害するものであり、また例えば「詐称者教皇」がパウロ六世の場所で支配しているなどと主張することをもって、信者達の心に疑いを浸透させるものである。
特に「詐称者教皇」に言及した2である。大部分のカトリック信者は(伝統主義者でさえ)この2には何の疑問もなく共感するだろう。
そして、人の心の中にそれがある限り、そのような人々にとって、ベイサイドに対する「調査」など、事実上「不要」なのである。
──結論が最初から出ているのに、何故「調査」などする必要がある?
そして、ムガヴェロ司教含めブルックリン司教区当局は、その通りに動いたのである。彼らは彼らの “気持ち” 通りに動いて──あるいは彼らにとっての “常識” 通りに動いて──調査をしなかったのである。
よく、「詐称者教皇」の話を聞いて、自信満々「一笑に付す」人達が居るが(多いが)、彼らもそうだったのである。
***
さて、それでも、ムガヴェロ司教は「山羊」ではなく、「山羊に囲まれた羊」なのである。ベイサイドの聖母の言葉の “姿” を見て下さい。
1976年1月31日
わが子よ、私は今まで、何度かあなたに、ブルックリンの司教様に手紙を書くようにとお願いしてきました。あなたは、まだ時間が残されているうちに、それをしなければなりません。彼は彼の指揮のもと、彼の緩みによって教育機関の中に入ることになった悪を一掃するように努力しなければなりません。誤謬と異端が数多くあります。
I have asked you, My child, several times to write to the Bishop of the Diocese of Brooklyn. You must do that now while there is time. He must make an effort to clean out the evil that through his laxity has entered upon the teaching institutions under his command. Errors and heresy abound.
(…)
わが子よ、あなたには永遠の御父のなさり方がわかりません。今、羊が山羊から切り離されています。そうです、わが子よ、勇気を出して真実を告げなさい。あなたは司教様に、司教様は山羊の中に身を置いておられます、あなたは直ぐにそこから立ち去らねばなりません、と伝えなければなりません! ブルックリンの司教様のことです。
You cannot understand the ways of the Eternal Father, My child. The sheep are now being separated from the goats. Yes, My child, take courage and speak the truth. You must tell the bishop that he has placed himself among the goats, and he must remove himself immediately! The Bishop of Brooklyn.
震えないでください、わが子よ。あなたはこの霊魂を救わなければなりません。わが子よ、どの霊魂も永遠の御父にとっては貴重なのです。いいえ、あなたは人を裁いたとして訴えられることはありません。あなたは天国のメッセージを運ぶだけですから。さあ、急いでください、わが子よ。急いで彼に手紙を出してください。やがて、あなたにはその理由がわかるでしょう。
Do not shudder, My child. You must save this soul. Each soul is precious to the Eternal Father, My child. No, you will not be accused of judging, for you are only bringing the Message from Heaven. Hurry now, My child; hasten to send the letter to him. In time you will understand why.
マリア様は、ムガヴェロ司教様のことを、あのカザロリ、ベネリ、ヴィロのような参照まったく悪に染まった高位聖職者とは見ておられなかった。「主観的には善意だが、正しい道を見失った者」、一人の「迷った羊飼い」と見ておられた。また、「緩んだ」聖職者の一人と見ておられた。依然「山羊の群れ」から自分を分離していない、そこから悪影響を受け続けている聖職者(司教、指導者)と見ておられた。
マリア様は、ムガヴェロ司教様のことを、救おうとなさっていた。
ムガヴェロ司教様の救霊は、このままでは楽観できないものだった。
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