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2009.03.31
 昨日から某社用書き下ろし長編『サンドリヨン』(仮題)のプロットを作り始めた。実際に書き出すのは、連載を二本片づけて二月ばかり先になるはずだが、篠田のこれまでの作品とはちょっと毛色の変わったサスペンスになるのではないかと思う。プロットはまだ、たとえてみれば家の玄関ホール程度で、そこから奥までは繋がっていないんだけど、だんだんと形が見え始めている。

2009.03.30
 サイン本一冊メール便で発送してから、仕事場近辺を散歩。桜はまだ1分から3分というところ。しかし道ばたにすみれがたくさん咲いていた。「すみれほどの小さき人に生まれたし」という、夏目漱石の句を思い出す。

2009.03.29
 昨日は文京区千駄木の旧安田楠雄邸にしだれ桜を見に行った。大正時代の近代和風建築で、庭にしだれ桜があり、花の季節には二階の座敷からこれを眺めるのが絶妙。勝手に「桜闇の館」と名付けている。今年は寒さの戻りのせいか、6分咲きというくらいで満開にはちょっと間があった。日本ナショナルトラストが管理公開しているが、週に二度水曜土曜のみの公開なので、花の咲き加減までそれに合わせられるとは限らない。
 帰りは日暮里回りで。これも好きな建物のひとつ、彫刻家朝倉文夫の旧居とアトリエを公開する朝倉彫塑館は耐震工事のためしばらく休館となるらしい。最近木造の邸宅部分は公開が中止されていたので、ちゃんと見られる様になるなら休館もやむなしか。
 金曜日に眼科で渡された降眼圧剤のせいではないかと思うのだが、どうも眼が充血していやな熱感がある。これは再度医者に行かねばならないかな。幸い仕事の谷間だから良かったけど。
 そんなわけで読了本はタイトルのみを上げておきます。
 『深淵のガランス』 北森鴻 文春文庫 『厭魅の如く憑くもの』 三津田信三 講談社文庫 『ロレンツォ・デ・メディチ暗殺』 マルチェロ・シモネッタ 早川書房

2009.03.27
 今日は医者の日。それから池袋経由銀座に出て、紅茶の葉と、セール中のわしたしょっぷでお買い物。夜は沖縄ディナーといったって、大したものは作らないけどさ。
 篠田のトップページに今年の既刊本と予定をアップしました。

2009.03.26
 晴れたけどめちゃめちゃ寒い。東京の開花宣言が出た桜も、うちのまわりはちらほら咲いている木もあるけど、ほとんどは足踏み状態。それでも空の色陽の光は明らかに春めいている。
 今日はサイン本応募の手紙の中に混じっていた分厚いお便りに返事を書く。レポート用紙六枚びっしりの感想文だったので、こういうのに対するお返事はこちらも、気力を集めてよしっといって、力士のごとくべしべしとおのれの顔を叩いて気合いを入れたりして書き出しますので。
 明日は医者行って、しかしそろそろ頭を切り換えて、新しい仕事に向かうべきときでしょう。そういうときに限って、来るかなと思ってるゲラがなかなか届かなかったりするんだけどね。

2009.03.25
 長編を書き終えた後は、しばらく頭がその周囲から離れない。だもんでシリーズものの場合は、次の巻のプロットをちらちらとノートに書き付けたりする。どうせ本当に書き出すときには、そのノート以外の記憶は無くなってしまっているのだが、書いておけばそこから糸がたぐれる場合もある。というわけで、北斗学園のメモを少々書いたりして一日だらっと過ごす。
 神代ものの新刊『桜の園』は東京創元社より、4/22ごろ発売予定。1500円税別だそうで、少し高くなってしまいました。お買いあげ予定の方はどうかお早めに。部数減ってますんで、大きな書店またはネットでどうぞ。

2009.03.24
 昨日は夜講談社の担当と会ったので、その前にまたちらっと本屋など。今日は4通いただいたサイン本プレゼントに返信。『風信子の家』からシリーズに入ったという方もおられた。多種多様な読み方をして頂いて、どの1冊がを選ぶかというのも千差万別というのは、かえって嬉しく感じられます。
 秋田県のMさん、ではいずれ遠慮無くお名前作品に使わせて頂きます。惨殺死体なんかにはしませんので、どうかご安心を。建築探偵方面だと、レギュラーと名前の響きがだぶるので、北斗学園あたりで使わせてもらっていいでしょうか。
 原稿が上がって担当編集社に読んでもらって、というあたりが一番気持ち的には楽。これがまたゲラが出てきたりデザインが決まってきたりとなると、だんだん落ち着かない気分が増してくる。発売になったりそれば「全然売れなかったらどうしよう」とか、雑念が出ます。いまはまだ物語はほとんど私一人のもの、状態ですから。いえ、そのまんまじゃしょうがないんですよ、もちろん。

2009.03.22
 昨日の昼間に直しを終えて、391頁で終了。6頁削ったけど4頁増えたわけ。それで夕方石神井公園に散歩に出かける。緑には早いが桜は木によっては1輪2輪開いているのもあり。池の鴨や、カワセミも見られた。今日は朝方目が覚めてベッドの中でごろごろしている間に、一点書き直ししようという細部を思いつく。そこだけ頁がずれないように注意して訂正、送稿。あー、やれやれで、明日は使っていた資料本を棚に戻そうっと。11月の末から正月を挟んで1月頭、それから3月と、切れ切れに書いていたので、妙に長くかかった気がしていたけど、足し算をしてみると二ヶ月弱だった。長編を書いているときは、とにかく時間の経過が鈍く感じる。だから書き下ろしを何作かすると、「時間の経つのは早いですね〜」「ちっとも早くないよ」ということになってしまう。なんでなんだろうね。
 明日は夜編集と会うので日記はお休みです。

2009.03.20
 クライマックスの手前までで6頁削った。これでどうにかあと少しは書き足しても、ミステリーYA! の他の作品の厚みを超えることはないだろう、という目算が立ったので少しホッ。
 明日は夜間出かけるので日記はお休みします。北斗学園も何とか土日でけりをつけたい。

2009.03.19
 エンドマークを打った北斗学園を読み返すが、最初はわずかな語尾や細部の訂正をやっていたものの、途中でもう少しどーんとブラッシュアップというか、削りをした方がいいのではないかという気がしてくる。筆のスピードが載らないまま書いていると、どうしても書き込み過剰になってしまう。困るのはそうやって書いた細部が、自分的にはわりと気に入っていたりすることだ。つまり削りにくい。未練が出てしまう。しかし作品全体のバランスからいって、そこはない方がいい、あるいはなくてもいい、という場合は少なからずある。というわけで、明日あたりは思い切って削ってみる。

2009.03.18
 393頁で取り敢えず終わった。しかしクライマックスはかなり詰め気味に書いたので、落ち着いて読み直すとまた増える可能性もある。あるいは前にさかのぼって、さらに贅肉を削ることになるかもしれない。しかしここに来て物語のトーンがかなり変わったというか、「脳天気な子供向け冒険小説」の香りは、いっそうそぎ落とされつつあるなという感じがする。アキもずいぶんと大人びてしまったが、それもあらかじめ計算していたわけではない。刊行予定が後ろにずれた分、仕事をする期間がとびとびになって、当初計画よりかなり時間がかかったことも、影響を及ぼしているかもしれない。まあ、しかしいっぺん書いてしまえば、これをいまから大きく変更するというのは難しい。それは新雪の上につけた足跡のようなものだからだ。かたちを整えたり、ルートの一部を変更したりはできても、全体のコースと着地点はいまさら変わらない。

2009.03.17
 仕事場お籠もりで北斗学園。380頁まで。クライマックスがあと数頁。伏線の整理と次回への引きが入るエピローグが、何頁で終わるかなあ。むむう、最後までわからん。

2009.03.16
 スタバで本日のコーヒー、トールサイズのホットを飲みつつ、北斗学園ラスト2章のプロットをまとめる。帰宅して書き出す。こういう感じだとよっぽどのアクシデントがない限りは、3月中に終わるはず。ただし問題はページが刻々と400に近づきつつあるということ。体重の増加におびえるメタボ予備軍のような心境だ。書いてしまってから削れといわれるのは悲しいだろうな。でもラストシーンまで出来ちゃってるしなあ。
 本日郵便局にいってサイン本3件送ってきました。お礼状、ご感想は50通になりました。半数近くのかたがお返事を下さった勘定になります。とても嬉しいです。「ご感想を」ということばを負担に思われると困るのですが、毎日のお夕飯でも「お母さん、美味しかった。これ好きだからまた作って」といわれれば無条件に嬉しい、それと同じ事です。私は自分が芸術家だなどとは思いません。作品は自己表現だなどとは、とてもおこがましくて申せません。あくまでも職人だと思っています。読者をもてなし、楽しませる職人です。カウンターの向こうから聞こえてくる「おいしかったよ」の一言がなにより嬉しく有り難く、生きていて良かったと思うのです。ですからご面倒で恐縮ですが、たまには声を掛けてやって下さい。それだけでもう少し踏ん張ろう、という気力が湧いてきます。

2009.03.15
 始めに昨日の肉まん報告。敗北です〜 イーストを入れた生地が1次発酵はしたのに、肉を包んだら膨らまず、ショーロンポーのでかいのみたいになっちゃった。点心の道はパンの道より厳しい。
 今日は、昨日メフィスト連載の再校ゲラと一緒に来た1通(こちらは神戸のKさん)をふくめてサイン本作り。明日郵便局から出します。
 それからゲラをチェックしてコンビニへ持って行き、天気がいいのでそのまま散歩。ぐるっと軽い山歩きを含めて2時間ほど出歩き、それから北斗学園のクライマックスのプロットを立てる。もうあかんかと思ったが、最後にはどうにかなりそうな曙光が見えてきたといいますか。
 この、いよいよダメかとおもったときにわかに希望が湧いてくるというやつを、私的には「ワイナイ効果」といいます。なにかっていうとワイナイ・サダユキだったかな、そんな名前の人が十和田湖でヒメマスの養殖を試みるんだけど、ちっともうまくいかずに極貧にあえぐ。それで「もうダメだ、首をくくるしかない」と思いつつ湖岸に出ると、帰ってきたヒメマスの群れが出現した。ジャーン! という、国語の教科書に載っていたんですね。同種の話では初代柿右衛門が赤絵を発明するのも、ほんとか嘘か「もうダメだ、そのとき」なんだな。どうにかなるならもっと早くどうにかなっても良かろうにと思いつつ、わりと楽観的かつ図太く物書きなんかやってるのは、この刷り込みのせいかもね。

2009.03.14
 雨は上がったがえらい寒いですなー。北斗学園、358頁でやっと章の切れ目。あと2章、1章はクライマックスでラストはいつもの残務整理のはず。400行かずに終わりますようにと、もはや祈るような気持ちなり。
 今日は原稿をやりながら、パン焼き機にブリオッシュ風の甘い食パンを焼かせ、それが終わったら粉練り機械として使用して、今夜は肉まんを作る。ビーパルという雑誌に出ていたのが、やたらと美味そうな感じだったんだよね。篠田にとって美味しいものを食べることはほとんど生きる喜びとイコールです。しかし高級な店に入ることには大して興味がないというか、あまり高級でない食べ物の方が口に合うのだから仕方がない。
 自分で作るのも好き。粉もの系なんてめっさ好き。麺類もね、体重にがつんと跳ね返るので、たまにしか食べられないが、ソース焼きそばとかそりゃもう大好き。キャベツを粗めの千切りにして、炒め終えたソース焼きそばの鍋に加えて、そのまま火にかけずに余熱で柔らかくすると、さっぱりした感じで美味いっすよ。ボリュームが増してカロリーは下がるはずだけど、一玉食べちゃうなら変わらないや。だめじゃん、自分。
 昨日お手紙転送あり。文京区のTさんと横浜のTさん、月曜日に郵便局から出しますので少々お待ちを。礼状もまたたくさんいただきましたが、今日はこれから肉まんの皮に中身を包む作業をするので、そのへんのことは明日書くことにします。

2009.03.13
 北斗学園は350頁超えてしまったが、まだ全然終わらない。代わり映えしないので、今日は読んだ本の話をする。
 読了本その1 『ぼくには数字が風景に見える』 ダニエル・タメット 講談社 通常自閉症の人はコミュニケーション能力に不自由があって、人の感情を理解したりするのが不得手だし、自分の感じていることを人に伝えることも難しい。しかしこの著者はそうした自閉症の困難を抱えているにもかかわらず、自らの特異さを言語によって表現し伝える能力を持っていて、我々当たり前の人間には容易にうかがい知れない世界をかいま見せてくれる。
 その2 『服従の心理』 スタンレー・ミルグラム 河出書房新社 以前にここで触れた「服従実験」について考案者の心理学者自身が、詳細につづった報告記。これは08年の新訳で、訳者自身の実験批判文が巻末についているのも興味深い。訳者の言うとおり、ミルグラムの「実験の結果は権威と個人の道徳の対決である」とする見方は一面的で、1960年代的だ、というのは正統な指摘だと思う。しかしなおかつ実験の意味が完全に失われることはあるまい。かえりみて自らを問いただすなら、「こんな場合自分は否と言えるか、自らの判断で行動をただせるか」「いや、たぶん難しいだろう」ということになる。決然と実験を中止させたひとりの女性が、かつてナチ支配下のドイツで暮らし、その時代のことを反省の材料としているということは、人は体験から教訓を得ることが出来るのだ、ということを語っている。

2009.03.11
 北斗学園が出るのは秋なので、実をいうとまだ時間はたっぷりある。ただ書きかけてほっておくのは好きではないので、とにかく先に終わらせてしまいたいのだ。でも銀座百点のエッセイの〆切は今月末なので、エッセイなんて書き慣れていないし、楽観していて間に合わなくなったりしたら大変だ。というわけで、朝書き出してみる。6枚というのは思ったより字数があって、どうにか埋めたがあまり気に入らない。
 そこに東京創元社から『桜の園』の再校が来たので、今日は北斗学園は休むことにしてゲラのチェックをする。といっても鉛筆の指摘を中心にざっと流しただけ。それでも見落としの誤植が見つかってひやり。これをコンビニに持って行くついでに、少し散歩してみるがなんとなく埃っぽい感じで、目や肌がちくちくするような気がする。というわけで45分ほどで戻り、エッセイを再度攻める。どうにかまあ、これでいいかという感じになった。
 しかしまだ問題があった。写真がいるのだ。写真、載せないといけないのかなー。苦手なんですよ、ブスですから。

2009.03.10
 仕事場から一歩も出ずに北斗学園。はっきりいって難航ぎみ。400頁にはならないで終わらせたいんだがな。運動不足が心配なんで、せめてエアロバイクを1時間漕いだ。

2009.03.09
 ツレにうながされて歯医者に定期点検に行く。いままでは半年に一度くらいはがきで点検の時期を教えてくれていたのだが、忘れられてしまったらしく、それをいいことにこっちも放置していて丸1年。歯医者が好きな人はいないと思うが、篠田は子供時代虫歯になった乳歯をやたら抜きまくられた恐怖の記憶があり、「削る」「麻酔の注射」などといわれただけで、手のひらに冷たい汗が湧く。
 しかしレントゲンで詰め物をした奥歯をチェックされたものの、幸い虫歯の進行は見られなかったというわけで、歯垢を削ってお掃除しただけで「また半年後に」と無罪放免。だが気がついたら1時間経過していて、あああ、と虚脱感。顎の関節がだるいよ。それにしてもあっさり終わったのは、たばこを止めた後、かつダイエットで間食しない口寂しさを、もっぱらキシリトール入りのガムを噛みまくることで癒している御利益かもしれません。噛む筋肉を使うのは、脳も活性化するし、顔のたるみにも効くそうだから、人前に出ない仕事の身としてはひたすら噛むのじゃ。

2009.03.08
 相変わらずお天気が悪いですね。妙に寒いですね。なのに花粉の飛散は絶好調だそうですね。篠田はいまのところはまだ「花粉症〜!!」という感じではないのですが、先月奥多摩に行ったときは、翌日一日は鼻水出っぱなしで、これはもう完全にやられたと思ったくらい。なぜかその後は止まって、例年通り寒冷刺激の方が鼻は出る感じで済んでます。先のことはわかりませんが。
 というわけで今日もぼちぼちと北斗学園です。

2009.03.07
 昨日は徳間の大藪春彦賞SF大賞のパーティ。ミステリのパーティではいない知り合いの作家さんと会えるので出かけた。本当をいうと昨日は何より太田忠司さんに「霞田志郎シリーズ完結おめでとうございます」をいいたくて出かけたので、それはちゃんといえたのだが、「もう少し志郎さんをいじめて欲しかった」などと暴言を吐いてしまいました。その手のせりふは想定の範囲内だったらしく「ぼくの資質からいって無理でした」と笑っていらっしゃいましたが、ごめんなさい、腐れた話をしてしまって。
 ふだん人と会わない生活なので、パーティに出ると絶対よるは寝付きが悪くなる。頭が興奮の方に行ってしまっているのだろう。それで翌日はぼけて、仕事の能率が悪い。いかんなあ。

2009.03.05
 やっと晴れた、寒いけど。ベランダで鉢植えのアーモンドの花のつぼみが膨らんでいる。アーモンドは桜と似ているが、一輪の大きさは二回りくらい大きく、花弁の先端で赤みが強い。だからつぼみの先からはあざやかなチェリー・レッドが覗くが、開くと桜に近いくらい白っぽく見える。昔グラナダに住んでいた作家の故堀田善衛さんは、満開のアーモンドの木の下で奥さんとお花見をしたそうだ。日本から持って行った海苔で海苔巻きを作ったら、ハポネスが奇態な真っ黒い棒みたいなものを食べている、と土地の人に珍しがられたとか。
 やっと北斗学園を再開した。一応児童向けというつもりで書いてきたこのシリーズだが、第三作でリミッターが飛んでしまった。ページ数もこれまでより格段に多いが、致し方ない。いまはとにかく書くだけ。来週はずっと天気が悪いようなので、お籠もりで仕事しよう。
 今日もお便りが届く。申し込みは2通、神戸の方と和光の方。明日出します。礼状6通。有り難うございます。これで礼状率は3割突破。まあ、毎度ここで物欲しげなことを書いているせいではあるかと思いますが、うちの本棚に眠っていた本が、1冊1冊皆様に喜ばれて引き取られていくと思うと、いまさらのようにこの企画をやって良かったなあと思うのでありますよ。
 W大の後輩さん、そうか、西早稲田キャンパスって本部のことなのね。昔はそういう呼び方しなかったので、なんかぴんと来なかったのです。「本部」「文キャン」「理工」っていってました。

 明日は夜の用事があるので日記はお休み。しかし、雨だー。出かけるの面倒くさいなあ。

2009.03.04
 昨日転送されてきたお手紙4通、うち2通の申し込みを処理。東京の方と札幌の方です。お心当たりでしたら、後数日お待ちを。あとの2通は礼状。月島のIさん、そうですね。図書館に自著のそれも新刊が入るというのは、嬉しくもあり悲しくもあり、です。借りて読んだけれどやっぱり手元に置きたい、と思って頂けるなら一番有り難いのですけれど。イタリアから絵はがきを下さったSさん、ヴァティカンの郵便局ですね。篠田、そこでスリに財布を抜かれました(苦笑) イタリアには長年通って、初めての災難というか、不覚というか。慣れたつもりで油断は禁物、ですね。

2009.03.02
 北斗学園の書いた分の直しをぼちぼち。クライマックス直前までは書いてあるので、ここからはテンションを上げないとまずい。
 明日は夜出かけるので日記は休みます。

 読みかけ本 『服従実験とは何だったのか スタンレー・ミルグラムの生涯と遺産』 トーマス・ブラス著 誠信書房 前から関心があった、1960年代にアメリカで行われた社会心理学の実験。普通の人間がいかにやすやすと権威に従属して、他人を傷つける行為を行ってしまうか、それに抵抗することの困難を証明してみせ、世界に衝撃を与えた、その心理学者の生涯を、語る本。心理学者ミルグラムはユダヤ人で、実験の当時ちょうどエルサレムで元ナチのアイヒマンを裁く法廷が開かれていたため、「アイヒマン実験」などとも呼ばれる。これについては本当に語り出したら簡単には済まないんだけど、とにかく人間というのはとてもたやすく間違える。罪の意識は持たぬまま悪を行ってしまう。そのことは忘れないようにしたい。

2009.03.01
 今日は料理の日。牛すね肉を水煮にしたスープで玉葱ニンジンじゃがいもなどを煮て一品。家の近くのビニールハウスで直売しているトマトに、モツァレラを合わせた一品が前菜。メインは、スープが肉なので迷ったのだけれど、ソテーにしたら食べられるだろうと思われる「沖平目」とかいうのがあったので買ってきた。聞き慣れない魚の名前というのは当てにならないんだけどね。ついでにオリーブの実とドライトマトを入れたフォッカッチャを焼き、さらについでにスーパーで見つけたお勤め品のイチゴをホワイトリカーに漬けてみる。イチゴ酒はやったことがないので、どんな味になるものやら。
 そのへんのバタバタが片づいてからやっと、北斗学園のこれまで書いた原稿を再読し始める。