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2009.01.31
 朝方の雨音で目が覚めてしまったせいか、いまいち不調。ゲラの到着を待つ間に手紙を二本書いて、げらを受け取ってから駅のスタバに行き、昼飯がてら北斗学園のプリントに赤入れ。先のプロットも立てようとしたけどうまくいかなくて、今日は深追いせず。明日からは別のことをしなくてはならない。
 くるみをたんまり入れたパン、ノアと、新しくしたレンジにダッチオーブンがついているので、それのレシピでパテ・ド・カンパーニュを作る。肉は買ったミンチではなく、フードプロセッサで挽いた。一日置いた方が美味いというので、成功したかどうかはまだわからない。パンの方は、まあいいのではないかな。
 龍シリーズの最終作、『永遠なる神の都』上下巻の見本が届いたので、書影をアップしました。書店配本は来月六日頃の予定。2冊なんで高くついてごめんなさい。でも、それだけの読み応えはあると思います。特にクライマックスからエピローグへの流れは、だいぶ前から決まっていたので、ようやく書き上げられて作者もほっとしております。

 読了本『十二人の手紙』 井上ひさし 中公文庫 1980年に出た文庫の改版。すべて手紙からなる13本の短編。最終作にそれまで登場した全員が再登場して、彼らの後日談がわかる仕組み。ミステリとして読める短編も多数あり、いずれもひねりが効いている。さすが当代随一の才人の作。全然古びていない。書簡体の小説というのは一度書いてみたいなあと思っているんだけどね。

2009.01.30
 本日は二ヶ月に一度行く婦人科の医者へ。ついでに同じビルに入っている眼科で緑内障の検査もする。眼圧が少し高めなので、また計りに来いといわれる。婦人科では相変わらず血圧が高い。小心者のせいか医者で計られると必ず家でより高く出るんである。ついでに心電図と尿検査もされてなんだかくたびれる。帰宅してまた少しサイン本をやり、少し部屋を片づける。明日は1月最後の日なので、北斗学園の先行きをちょいと考えておくことにする。
 そろそろまたパンも焼こうかな。今度はクルミがたんまり入ったパンを焼くのだ。どちらかというと甘かったりふわふわだったりするパンより、しっかり食べ応えのある、ライ麦や全粒粉をまぜたパンが好きです。いま住んでいるところは半端な田舎で、美味しいパン屋がない。アンデルセンくらいだから、しっかりタイプがあまりなくて、わざわざ焼く意味もあるわけ。いただいたお便りの中に、パンの話題に触れてくれていたものがあったので、今日は久しぶりにそっちのことを書いてみました。
 ほんとは北海道取材中に増えた体重を戻したいので、食事は控えめにしたいところなんだけど、あんまりそればっかりだと寂しくなっちゃうからね。でも篠田は一日一回の置き換えダイエットで一年で5キロほど減らしました。以後は維持できてます。54キロ→49キロくらい。ドラッグストアに行って、一食150キロカロリー程度で栄養素は一日必要量の三分の一は確保されている、というの、いろいろ種類があるので、取り敢えず値段で安いやつを買って試しました。シェイクとか、ビスケットとか、お湯をかけるおかゆとか。飽きるからとっかえひっかえです。それをお昼にして、口寂しさはガムとノンカロリーのお茶類でいやす。牛乳は低脂肪乳にする。あとは50グラムまで計れる体重計とグラフで、朝晩二度の計量。達成しても計量は続け、大食して増えたらすぐ節食して戻す、放置しない。ここしばらく48キロ台で安定していたのに、北海道から戻ったら49突破していたもんで、せめてそれくらいには戻そうかと。でも今日の新聞に「小太りくらいのほうが長生きする」なんて書いてあったな・・・

2009.01.29
 今日はジムをさぼった。サイン本の発送に郵便局に行き、封筒を買いに駅ビルへ。ついでに本屋を覗いたら『ガラスの仮面』の43巻が出ていたので購入。帯に「蜷川幸雄氏からも激励のメッセージ」とあるのに、ご当人の写真はふてくされているようにしか見えないのが笑える。内容は大して進んでいないので、ちょっとがっかりである。グイン・サーガは投げた篠田だが、こちらは果たして最後まで読めるだろうか。体調を戻すために60分エアロバイクを漕ぎ、汗をかく。友人と長電話。北斗学園の書きかけの章の最後2頁、旅行中にノートにかきつけておいたものをタイプしてプリント。ここまでで318頁。一応クライマックス直前という感じだが、ここでまた休止せざるを得ない。『黎明の書』の第二回ゲラと、四月に出る神代物『桜の園』のゲラもそろそろ来るらしい。それに加えて友人がやっている国書刊行会の『幻想作家名鑑』のミステリ関係内容チェックを、某評論家氏に代わってお手伝いすることに。メフィストの連載は書けるんかな、自分。

 読了本『ロジャー・マーガトロイドのしわざ』 ギルバート・アデア ハヤカワポケット 誉められていたから読んでみた。つまらなかった。クリスティのミステリのパスティーシュなのだが、なんでこんなものを誉めるのか、私めにはわからん。犯人の隠し方って、西澤保彦さんの方がずーっとあざやかにとっくの昔にやってるじゃんか。筒井康隆はもっと堂々とかつ抜け目なかったじゃないか。おまけに巻頭の平面図のつまらなさ。どうせそれらしさを演出するならもうちょっと手間かけたら。こんな間取りの大邸宅がどこにあるっての。これじゃギリシャ・アルファベットが各部屋に振られたペンションですよ(分かる人だけ笑って下さい)
 『この世でいちばん大事な「カネ」の話』 西原理恵子 理論社ヤングアダルト新書 大変に面白かった。これは西原さんの自伝でもあります。ラストは鴨ちゃんの思い出にもふれてグッと来ます。だからサイバラファンには必読の一冊だけど、書かれていることはすごくまっとおなので、彼女のマンガを読んでない人でも楽しめるし、目から鱗が落ちることも。若い子たちの感想を聞いてみたいです。

2009.01.28
 北海道から戻りました。本当は昨日の便で稚内から羽田に戻るはずが、稚内空港天候不良。羽田から来た便は上空で30分ほど旋回したあげく旭川へ。取り残されてやむを得ず再度市内に引き返し、もう一日待っても同じことになる危険性無しとはいえないので、3時間待って列車で旭川に出て、旭川で泊まって翌朝の便でようやく帰着。さすがに頭にぼろきれを詰め込んだようなぼけ気分。今日の残りは洗濯とサイン本作りでおしまいとなった。

2009.01.24
 明日からの取材旅行の荷造り。サイン本の発送。北斗学園。本日やったことは以上。
 我ながら暇でもないのに、と半分自分の物好きに呆れながら発送作業をしているが、こういう機会でもないと手紙を書いてくれない方は少なくないようなので、それはやはりなににも代え難く嬉しい。特にシリーズがいよいよ完結というためか、「私が建築探偵と出会ったのは何歳の頃で」といった書き方をして下さる方が多く、それも「高校生の時に」と書いておられる方がわりと多い。
 篠田は基本的に自分の小説は中学以上なら取り敢えず理解できると思っているし、特に建築探偵の場合高校生はメインターゲットでもあった。自分が鬱屈した高校時代を送り、いま思い出しても「読書に慰めを見いだし日々を救われる」思いをしてきたということが、その動機になっている。だから、「届けたいと思った読者にきちんと届いていたのだな」といまさらのように思うのだ。
 実はこの言葉は、講談社の今はなき編集者宇山日出臣氏から聞いたことば。私が出会った当時、彼はすでに新本格ブームを築いた時の人であったが、とても長く売れない本を、でも自分が面白いと思う本を作ってきたという、ちょっと屈折した自負の持ち主で、私は言われなかったと思うが「僕の作った本は売れません」と胸を張っていわれた作家もいたそうだ。しかしこれは「自分があなたの作品をいいと思ったからお話しに来ています」というのの後に続くことばだから、「あなたの本は売れそうだから出します」ではなくて「売れなくても僕が気に入っているから出します」ということになる。よく考えたらこれはすごいせりふなのだ。「編集者が気に入っている」ことの方が「売れそう」より優先している。そんなことをいってくれる編集者なんて、他で出会ったことがない。みんな少しでも「売れそう」な本を作ろうと鵜の目鷹の目なのだから。
 その宇山さんが篠田の『ドラキュラ公』を作った時に「届けたいと思った読者にきちんと届く本になったと思います」といわれたのだ。愚かな駆け出し物書きの篠田は、そのことばの意味するものなどちっともわかっておらず、「売れるといいなあ」としか思わなかった。そしてあんまり売れなかった。でも宇山さんがそういってくれたのだから、きっとあの本が届くべくして届いた読者はたくさんいるに違いない。

 そろそろ手持ちの本棚も底が見えてきました。本がなくなった時点で、ゴメンナサイということになります。
 取材旅行につき、次の日記の更新は28になります。

2009.01.23
 サイン本の発送をやる。どうしても特定のタイトルに指名がかたよるので、無くなるものが増えてきた。これからは手元に残っているものにサインしてお送りする、ということでご了承願うしかなさそうだ。それもあって、明らかにこちらの「お願い」をちゃんと読んでいないような方は、封筒をお返ししてご遠慮願うことにした。ほとんどの方はきちんと当方の意図を汲んで下さっているので、そういう方を優先したいと思う。
 後は北斗学園の続き。これまでより長くなることだけは確実となった。

2009.01.22
 昨日とほぼ同じ。北斗学園続行。午後はジム。
 サイン本応募手紙いただいています。上にも書きましたように、すでになくなっているものがあります。適宜別のタイトルの本になりますので、その点ご了承下さい。宛名カードが入っていない方がまたいました。後回しになります。それから同じ住所、同じ姓で三通応募されている方がいて、タイトルは全部違っているのですが、手紙は一通にしか入ってなくて、他の二通は書名が書いてあるだけで、これはちょっと勘違いされているとしか思えません。抽選ではないし、出来るだけ広くたくさんの方にお送りしたいというのが私の意図ですので、こういうのは止めて下さいね。
 
2009.01.21
 今日の日記も昨日とほぼ同じ。寒いんで仕事場からは出ずに一日北斗学園。でも今日は夕飯にパンを焼いた。飯はトルコ料理。といってもすごく簡単に羊の骨付きシチューとインゲンのトマト煮。ヨーグルト。昔イスタンブールのシルケジ駅裏の食堂で食べた羊のシチューが絶品であった。記憶に残るのは決して高級レストランの美しい一皿ではなく、こういうものなのです。

2009.01.20
 今日はまた曇って寒く、仕事場から外出しないまま、一日パソコンを叩く。せめてとステッパー15分、エアロバイク30分。仕事は北斗学園。やっと中断後の再開。でも25から27は北海道なのでまた中断。
 龍の黙示録ラストローマ編は上下巻にて2/6ごろ店頭に並びます。1月2月と続いてすみません。この後はしばらく開きますので。というか、東京創元社は四月刊してくれるのだろうか、本当に。進行状況とか全然なんにも知らせてくれないので、確信が持てません。作者のせいではないですよ。

2009.01.19
 昨日は2000歩も歩かなかったので、さすがにこれはまずかろうと、暖かな今日はノートを持って外出。駅のスタバでプロットを練ろうかと思うが、わりと混んでいたので断念。ぐるっと散歩ハイキングをしてくる。軽く汗ばむような気候であった。
 『甘粕正彦』を読み終えた後は、フランス人歴史家の『ルイ16世』に取りかかる。いわずと知れたマリー・アントアネットのご亭主である。愚図でインポで優柔不断で、といいとこないようないわれかたしかしてこなかった王様を、「いや、そうでもないんだよー」と再評価した本らしいが、彼がいかな賢王でも、革命を起こさずにすんだかというと、難しかったんじゃないの、と思います。

2009.01.18
 天気が悪いと気分も低調。一日北斗学園の書いた部分を読み返し、冗長に思えるところを思い切って削除したりする。だいたいそういう部分は、自分的にはわりと気に入っていたりするから、未練が残る分始末が悪い。しかし作品のためには、すっぱり諦めて切れないとあかんのです。

2009.01.17
 世の中になにが不愉快といって、電話セールスほど不愉快なものはない。「どちらにおかけですか」と丁重に聞き返してやったら「ご主人はおいでですか」。日本語が通じないのか、おまえは。奴隷でも召使いでも犬でもないのに、主人がいてたまるかよ。「いません」といって電話を切ったらすぐまたかかってきた。留守電にしたまま出なかったが、向こうの音声が聞こえたから同じ所からだとわかったのだ。30分くらいしてまたかかってきたけどもちろん出ない。なんなんだ、キモチガワルイ。前に同じようにして切ったらまたかかってきて、そのときは出てしまったら「うちはそんな変な会社じゃないんです」と憤慨していた若い男がいたっけな。なにを見てかけてくるのか知らないが、頼んでかけてもらったわけでもないのに、こっちが相手をしてやらねばならぬ理由がどこにあるんだっていうの。
 もしもここを見ている編集さんがいて、篠田に用があって電話をかけるときは、留守電が応答してもちゃんと名を名乗って下さいね。そうでないといても出ないかもしれませんからね。

2009.01.16
 昨日もどさっとサイン本の応募が来たので、少しやろうかと思って取りかかったら、結局ずーっとそればかりに一日かけてしまった。結局篠田はこういう、こちゃこちゃとした作業が好きなのでありましょう。ぶきっちょなんだけどね。それに読者さんからのお便りを拝見する楽しみ、というのがもちろんなによりある。なんといっても新刊は出たばかりなので、「いつですか」と聞かれて「いや、あの、その」などと言い訳する必要がない。そして次巻はラストだから、「早く出せ」とも言われないですむ。
 しかし用件だけというか、本のタイトルしか書かれていなかったりすると、やっぱり少しサインがぞんざいになったりして。それはね、しかたないでしょ。通販しているわけではない、愛読者に対する純然たるサービスなんだもの。あなたが受け取るのは一通でも、こっちはそれを全部一人でサインして包装して郵便局まで担いでいくんで、あんまり不作法な真似はしないで欲しいというのは、注文というまではないけれど、人と人の間の礼儀でありますわなあ。こういうことをするのも、今回で最後だと思います。
 しかしご希望のタイトルが偏る傾向はあって、早くも品切れになったタイトルがあります。希望の方は出来るだけ、複数のタイトルを上げて下さい。それでもご希望に添えない場合は、適当にこちらで選ばせてもらいます。その点はあらかじめご承知おき下さいますように。

 読了本 『甘粕正彦 乱心の曠野』 佐野眞一 講談社 甘粕といえば関東大震災後の混乱の中で大杉栄と伊藤野枝、彼らの七歳の甥を不当に惨殺して井戸に捨てた憲兵、恩赦でわずかな刑期を終えその後なぜか満州で民間人ながら謀略に従事、最後は満州の国策会社満映の理事長となり、敗戦後自殺、とまあ、それくらいのことはだいたい知られていたんだが、驚いたことに大杉殺しは彼の犯行ではないという。命令はもっと軍の上から出て、彼は自ら覚悟して責任を一身に負ったまま沈黙を守った、らしい。状況証拠だけでなく、遺体の検案書がとっくに発見されていて、それが裁判での甘粕の供述と全く違う。大杉は複数者によってたかって暴行を受けた後で絞殺されたとはっきりしている。にもかかわらず、流布している定説がちっとも訂正されないことの驚き。その後の国家によって狂わされた彼の人生の軌跡を、資料と生存者の証言によって丹念に追っていく、非常に読み応えのあるノンフィクションでした。日本の近代に興味のある人なら一読の価値有り。

2009.01.15
 昨日一昨日は働いた正月分のお休みってことで、福島県の山の中の温泉に行ってきた。塩原から先は雪。もちろん目的地の温泉は雪の中。それも車を置いて坂道を川沿いまで下る。スノーブーツを買って行ったのに足下が危ういこと。部屋に入ってから宿の長靴を借りて、今度は同じ川沿いの共同岩風呂へ。さすがにこの季節は貸し切り状態でお湯を堪能。夜は宿のご飯がびっくりするほど品数が多くて、満腹でなかなか眠れなかったくらい。といっても山菜とイワナの塩焼き、イワナの刺身、キノコそば、鹿汁といった素朴な料理。部屋の窓から雪に覆われた渓谷が見える。翌日は西那須野塩原インター近くの旅館で立ち寄り湯。全然泉質の違う温泉に浸かる。若い頃は温泉? けっ。てなもんだったのになあ。
 今日はサイン本プレゼント六通を発送。そしたらもう次が来た。仕事の合間に順次処理していますので、それなりに時間がかかることをご了承下さい。封筒が意外と分厚くて、ヤマトのメール便では出せないというのもいささかやっかい。郵便局は土日休みなんだもの。

2009.01.12
 朝最後の直しをしてメール送稿。今年始めて東京へ。無印でツレの誕生日プレゼントを買い、リブロで書評チェックしてあった本を買い、銀座に出てわしたショップでサプリやお菓子を買う。リブロでは新刊ノベルスの売り場に『黒影の館』がずらっと7冊面陳されていて、ちょっと心臓がどきどきする。レジの斜め向かいなんだもの。買う本を籠に入れていて、エダユウリさんのBL新刊を買おうかまたにしようかと一瞬迷った、篠田の小心を笑っていいっすよ。
 明日明後日はリクリエーションにつき、日記の更新はお休みします。

 読了本『無貌伝』 望月守宮 講談社ノベルス メフィスト賞受賞作。ヒトデナシという憑依型の妖怪がナチュラルに存在するパラレル日本を舞台にしたミステリ。こういう「謎の設定に合わせて世界法則そのものを改変しているミステリ」はいまでは珍しくないが、そもそもの嚆矢は山口雅也『生ける屍の死』である。「死人が次々と生き返る社会での連続殺人」という背理に満ちた設定が素晴らしく効果的だったのは、なによりもその設定のシンプルさのゆえだ。こういう場合「謎のためにする世界の改変」はシンプルであればあるほど効果的で、複雑にすればするほど作者のご都合主義的な作為が目立ってしまい「それがどうした」と化してしまう。この作品もミステリとして見た場合は、その弊を免れていない。ただし小説としては、主人公の少年の孤独や絶望が生き生きと描かれていて、彼の成長と傷ついた名探偵の再生というプロットに生彩がある。総じてミステリとしては?だが小説としてはかなり○。ラノベっぽいけど、それはまあいいとするとして。

2009.01.11
 今日は仕事場から出ずにずっと仕事。プリントして直してプリントしてまた直した。これで一応いいことにして、明日はちょっと買い物に外出する予定です。サイン本の発送は、どうせ郵便局が休みだし来週後半。連休明けには泊まりで出かけるもんだから、少し待っててくらはい。

2009.01.10
 雨は止んだがやはり寒い。冬なんだから、寒くなかったらうまくないですけどね。
 SFJapanの原稿、148枚ほどで一応予定に到達。これを二回ぐらい赤入れしてプリントして、入稿という感じ。まあ雑誌連載の場合、本にする段階でもう一度手を入れられるので、時間がなくなったら一回で入稿してしまうけれど。
 講談社経由でサイン本企画の応募手紙第一陣。けっこうこの日記を読んでくれている人がいるのだな、というのをいまさらのように再確認する。希望書目ではやはり『原罪の庭』が強いか。特にご指定がない場合は、こちらで適当に入れてしまいますのであしからず。文庫かノベルスかの指定がなかったら、うーん、どうしようかなっと。ノベルスを持っている場合が多いと考えて、文庫をお送りする方が親切なのかな。テキストに多少の異動があるし、解説もついてるし。

2009.01.09
 寒い一日でした。でも雪にはならなかった。ほぼ一日お仕事。133枚まで。明日には終わりまでたどり着く予定。書いていてこれってやっぱり純愛の物語なんだよなあと、改めて思う。それだけじゃないけど。それにしても篠田はどうして、男と女の恋愛話だけはあんまり書く気にならないのでしょう。二者の間に隔たりが大きければ大きいほど、筆に力が入る気がする。間違っても、結婚すれば取り敢えずのハッピー・エンドになるようなふたりだけは書かない。書けない。今回は、同性・身分の差・種族の差と隔たり三乗というわけで、いやなかなか久しぶりに萌えますわ。やはり18年ぶりの原点回帰ですね。

2009.01.08
 今年最初のジムなので、仕事は午前中のみ、104枚まで。ここにも爺キャラ登場。

2009.01.07
 今日は郵便局に行ったり、またパンを焼いたり、豚の角煮を作りかけたりしたが、原稿も頑張って書いた。本日は90枚まで。150にはならなくても、決めたところまで書き終えるかなあ。そう思いながら、またずるずる伸びたりするのは皆様ご存じの通り。

2009.01.06
 徳間続行中。今日は仕事場から一歩も出なかったので、66枚まで来た。一応150枚の心づもりだが、決めたプロットのところまでその枚数で収まるか収まらないか、それがわからない。話の引きのあるところで切りたいので、まあとにかくせっせと書くしかありまへんな。
 建築探偵の新刊、見本が上がってきた。それだけでなく前の担当K城さんから、感想のメールまでいただいた。自分の中ではだいぶ前に書き上げて、ゲラを終えてからもずっと経っているというのは、物理的な時間以上に、他の作品を書いていて頭がそこから離れているという意味だが、こうして感想をもらえるといまさらのように「ああ、本が出来て読者の手元に届いているな」という実感が湧いてくる。やはり読んでもらえないことには、話にも何にもなりません。
 というわけで、シリーズ完結前夜の記念プレゼント企画をひそやかにぶちかまします。ここでしか告知しないので、そうたくさん応募が来るとも思われず、焦らなくていいですよ。正直いうと、本棚を占領している既刊本が邪魔なんですわ(爆) というわけでよろしく。

2009.01.05
 徳間、前もって書いた文の直しを含めて40枚まで。まだ調子が上がってこない。でも今週中にめどをつけないとまずいのだ。

2009.01.04
 今日まではまだ正月の内って感じだが、仕事はしている。まだフルタイムでなくていいかー、と、ちょっとゆるい気分ではあるけれど、SFJapanの連載「黎明の書」の第二回の作業に入りました。去年の内に25枚ほど書いてあったのを見直し、手を入れ、続きのプロットを立てた。明日から書き出します。わりとてってっと書けそうな気がする。自分の趣味丸出しな世界だもんだから。問題は不眠症が悪化していることなんだけどね。とにかく、だましだましでも、前に進むしかないわけで。進んだ先はどこへ行くっていうと、年老いて死ぬ。それが人間なんだけどねえ、死ぬまでは生きるのだよ。そのことが無意味だったら後は何も残らない。

2009.01.02
 明けましておめでとうございます。篠田の年末年始は、29日コミケで売り子手伝い、30日東京の姉に黒豆を届けた後、戻って煮染め作り。31日煮染めの仕上げとパン・ド・カンパーニュ作り、仕事場の掃除。北斗学園の原稿ちょこっと。元日は昼酒飲んでお散歩だけで全休。今日はまた北斗学園の続きを書いて、266頁まで。後は徳間の仕事をしないとならないので、しばしお預けといたします。本年もよろしく。もうじき建築探偵が出ますのでこれもよろしくお願いします。