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2006.01.31

 ずっと眠い気がしていたので薬無しで眠れるかと思ったらやはりダメで、起きて飲んだら朝も眠くて、しかしふとんにそのまま入っていたからといって眠れるわけではなく、とほんとにもうあきまへん。それ以外あんまり書くことがないので今日はこれにて。

2006.01.30

 昨日は薬を飲んで寝たので、今日は薬の後の影響で眠い。このまんま起きずにベッドに入っていたらどうなるんだろうか、とも思うが。しかしこれは薬のせいというより、篠田の体質らしい。つーか、どっちにしろぼけているのか(爆)
 それでもうだうだと短編のことを考えてノートに書き付けるが、いじりまわすほど複雑になってわけがわからない。いや、別段大したことは無いのだが、要するに脳のメモリが足りないんである。真相と、装われた状況と、さらに偽装された状況が重なって、他殺に見せかけた自殺を自殺らしく偽装するがそれは実は他殺であって、あれれ、とか。まあいつものことだ。
 担当編集者からの話のついでに、尊敬する皆川博子先生の消息を聞く。74歳におなりなのにまた新しい連載をなさるそうで、つくづくと先生の爪のあかが欲しい怠惰な篠田でありました。

2006.01.29

 昨日はかなり眠いので薬を飲まずにベッドに入ったらやはり寝付けない。身体はどろどろに眠いのに頭の芯が眠らないのである。つくづく難儀だ。
 ぱっとしない頭で、ミステリーズ用神代短編のもう一本を考え出す。神代・辰野の親父コンビにするつもりだったが、登場人物が多すぎるような気がする。最初から犯人にはなり得ないキャラはあまり増やさないのがミステリの常道だという気もするが、さてどうしようか。神代さんはもともと探偵役をやるには血が熱すぎる人なので、クールな辰野氏がいてくれた方が話は転がりやすいかも知れないが、今回は過去の事件+室内劇なので、あまりばたばたさせずにじっくり進める方が良いのかどうか。担当K君、余力があったら相談に乗ってくれ。って、こんな漠然とした状況で相談されても困るか。

2006.01.28

 木曜日にもらった薬は前のよりはぼけが少ないようで、しっかり6時まで眠れたけれど、やはりいくらかはぼける気がする。しかしエストロゲン補充療法は不眠にも効くそうなので、あまり焦らずにゆっくり構えることにしよう。
 「龍」ローマ編のプロットを少し作ったが、敵方についてもやたらといろんなのが入り乱れているし、えらい複雑なことになっていると今更のように後悔するが、きっぱり遅い。今はこれ以上手を付けてもどうもならないので、あきらめて取りあえず「龍」関係の箱を仕舞う。

 読了本 『エマ』 森薫 ヴィクトリア朝本格メイドマンガ 篠田は西洋時代劇大好き人間だから、メイドと奥様とか、執事とかいうまでもなく好きなのだが、ただのミニスカ小娘にエプロンをさせたコスプレなんかメイドとは認めない。ライラがメイドっぽい格好で出てくるのは、ありゃ完全に確信犯のばちもんメイドですが。んでもって、エマはちゃんとメイドです。しかも身分の差の悲恋ものです。いや、ラストはぜひハッピーエンドになって欲しいが、これだけリアルに物語を展開していると、どうすればブルジョアの跡取りぼっちゃまとメイドがゴールイン出来るのか皆目分からない。一昔前の西洋時代劇では、主人公たちは自由の大地アメリカに行くのがほとんどだけど、この話ではとてもそうはなりそうにないし、かといってインドにもいきゃしないだろうし。というわけで、なかなか先が気になる物語でした。

2006.01.27

 今日も朝の運動と読書で一日過ごす。

 読了本『陰謀と幻想の大アジア』 海野弘 平凡社
 『中村屋のボース』 中島岳志 白水社
 『阿片王』 佐野眞一 新潮社
 3冊共通のキーワードは「満州と日本の戦中戦後」。我々が思っているほど、昭和という時代は第二次大戦によって分断されているわけではない。戦中の人脈が戦後を作ったのは政治も経済も学問も同じ。
 『中村屋のボース』は日本に亡命したインド人革命家の伝記。ベトナム人亡命王族の運命を描いた『ベトナムから来たもう一人のラストエンヘラー』とも、舞台、人物がだぶるが、叙述はやや平板で退屈。『阿片王』は戦中の中国で日本が国策として阿片売買をしていた、その中心人物の謎めいた正体を追って興味深く読ませるが、筆者の旧態依然たる価値観、特にひとりの女性に関する差別的な叙述はほとんどカストリ雑誌並みの下劣さで、それが非常に目障りだった。当人はたぶんまったく無意識に書いているのだろうだけに、なおさら救われない。

2006.01.26

 朝の運動メニューをこなした後、今日はネットで見つけたレディスクリニックに行った。そしてやはり更年期であろうという話になって、女性ホルモンの補填なんかをすることになった。骨密度も落ちてきているらしい。自分ではこれまで更年期障害の自覚症状なんてまったくないし、若いつもりでいたのだが、どうして世の中はそれほど甘くない。しかし今日は嫌な親父ふたりと遭遇し、その部分に関してははなはだ気分悪し。ひとりは駅で正面から人の身体に腕をぶつけて、突き飛ばしながらこっちが悪いというようにガンを付けていった中年。はよ死ね。もうひとりは調剤薬局の親父。処方箋の薬の在庫がないのはいたしかたないが、あたかもそれが非常に特殊な薬であるような知ったかぶりなことばを並べて、人を絶望させる以外なにもしてくれなかった。何歳だろうとああいう人間になってはいけません、という反面教師そのもののふたりでありました。

 読了本『帰ってきたアルバイト探偵』大沢在昌 講談社ノベルス 読み味のいいエンタテインメント。値段だけの仕事はしている。
 『アムネジア』 稲生平太郎 角川書店 スニーカーで再刊になったとき篠田が解説を書かせてもらった『アクアリウムの夜』の作者の、実に15年ぶりの新刊。ジャンル的にいえば幻想ミステリということになるのだろうか。本格ミステリが謎の解明に向かってバラバラの細部が一点に収斂していくものなら、こちらはさりげない語りがどこまでも拡散していく。こういうのを小説の下手な人間が書くと目も当てられない惨状を呈することになるが、作者はイメージ力と描写力が非常に高いので、拡散するディテールはいずれも生々しいまでの迫力をもって読者の意識に刻み込まれる。しかも最後まで「納得」を与えられないことで物語は閉じずに開いたまま、読者はその悪夢から逃れられない。読み味が良いとは到底いえないけど、したたかに心に残る。

2006.01.25

 昨日はためしに薬無しで寝てみたが、やはり夜中に目が覚める。リラックスしたくらいでは変わりなし。やはり更年期か。今日もストレッチ、ステッパー+ダンベル、バイク。適度の運動は悪いことではないはずですから。
 その後「龍」のゲラ。ちょっと買い物。午後は読書。それから頭が少し「龍」に戻ったので、ローマ編に向けてキャラを書き抜いてみるが、えらく膨大なことになっていて頭を抱える。これだけ全員片を付けるのはそりゃあ大変そうだ。ローマ編、一冊では終わらないかも知れないな。いつも最初に全部書いてしまってから連載するんだけど、今回はそうはいかないかも知れない。来年と言えば建築探偵もいよいよクライマックスに向かうわけだし。
 それにしてもなんだって、シリーズふたつの山場が同じ年に書かなきゃならなくなるかね。誰が決めたって自分がだ。これが終わったら楽しい余生だ、というわけで死なない程度に頑張ります。

2006.01.24

 全面休業の一日。両手に二キロずつのダンベルを持ってステッパー15分。その後でエアロバイクを30分。風呂で汗を流して午後は読書。それも間羊太郎『ミステリ百科事典』文春文庫などを読んでいると休みにならないので、出来るだけ仕事とは関係ない本を選ぶ。買ってあって読んでなかったアジア史関係の本が何冊かあったので、こういうときにまとめて責めることにする。
 午後になって「龍」ヴェネツィア編の最終回ゲラが届いたが、今日はやらないでおきました。

 今日以前の読了本『友だちいないと不安だ症候群につける薬』斎藤孝朝日新聞社
タイトルに惹かれて手にした本。「友だち力」という概念を提唱している。これは「友達がたくさん作れる力」ではなくて、「自分から友達を作っている力」と同時に「友だちがいなければいないでひとりで楽しく過ごせる力」。また友だちというものは、お互いが正面から向かい合うものでは必ずしも無くて、お互いの好きなものについて語り合える関係だ、というのも当たり前のようで卓見だと感心した。人間関係に悩んだり疲れたりしている子供や若者や大人、そして学校の先生や親にも読んで欲しい一冊。
 『幽霊城』 以前につぶれたトレヴィルという版元から出ていた翻訳物の写真集復刊版。幽霊が出るという話のある古い城や家を、いかにもおどろおどろしいモノクロ写真で撮影して、それに短い実話風の文章がついている。あまりにも作り物臭いおどろおどろ写真なので前に見たときは買わないで済ませてしまった。今回復刊されたので、まあ、一応買っておくかという感じで買ったけど、やっぱりいまいち。文章も冴えないしね。こんな豪華本にする必要はないんじゃないのかな。

2006.01.23

 『アベラシオン』のノベルス版あとがきを書き上げてゲラを戻す。元本のあとがきは「この作品が出来るまでの経緯」のようなことを書いたが、今回は「篠田にとっての本格ミステリ」といったことを。もともと篠田は厳格な物差しのような「本格ミステリの定義」を持っているわけではない。ただそれなら定義なんてどうでもいいかというと、そんなことはないのであって、特に最近の「壊れた本格ミステリこそ現代の最先端」みたいな一部の風潮は好きになれない。まっとおな本格ミステリがあるから、それに対するアンチとして壊れた本格ミステリが衝撃力を持つ。そんな当たり前のことを忘れている人が多くないっすか。
 では、まっとおな本格ミステリとは何か。「フェアな叙述、了解可能なロジックによるパズラー」というのがやはり妥当な線だろう。それが鉛筆の芯のように存在して、それだけが「本格ミステリだ」と主張する人もいるが、篠田はもう少し緩く考えている。というか、「完璧なパズラーだけどなんか本格ミステリらしくないよね」と感じてしまう作品はままあって、それをずっと「なんだろう」と考えていたのだが、篠田的にはそこにやはり幻想でも、詩でも、ホラでもいいや、そういう現実から飛翔しているニュアンスが欲しいんだ。社会派ミステリのような重いテーマを取り上げて、去年の乱歩賞作品みたいなことをやっていて、「でもトリックがあります、パズラーです、本格です」といわれると頭をひねってしまう。なんか水と油だと。
 『アベラシオン』は、はっきりいってバカミスです。バカミスに見せない作りによって、ネタのバカ性を隠しきってみせた本格ミステリです。あらゆるディテールと展開はそのために奉仕しちょります。ですから未読の方はどうぞ、ノベルスが出ましたら途中のペダントリにうんざりしながら耐えて読み進んで下さい。そしてラストで「あほなっ」と絶叫して下さい。しかし真相に通ずる手がかりはもう、露骨に山ほど積み上げられています。再読する元気があれば、そこでもう一度驚くよ。作者も今回ゲラを読み直して驚いた。「うわ、犯人ここでほとんど告白してるじゃん」

 考えてみるとトリノに行った去年の10月からずーーーーっと緊張して仕事しっぱなしだったという気がするので、取りあえず休みます。怠けます。昼間からひっくり返って仕事と関係ない本読んでだらだらします。それでも眠れるようにならなかったら、こりゃマジで更年期障害だから婦人科の医者に行きますわ。

2006.01.22

 薬でぼけるのも困るので、もらった睡眠薬を半分に割って半分だけ飲む。その分眠りも浅くなったが、ボケ方も少ないようなのでまあいいか。どうせ一週間したらまた行くのである。しかしずっと薬がないと眠れない、というのは困るな。まあ、何日か眠れないとなったら飲んで取りあえず寝る、という線でも別にいいね。〆切せっぱ詰まっているのでなければ。
 『アベラシオン』の直しはどうにかラストまでたどりついた。ボケ頭で直して良いのか、というのは多少気になるけど。さあ、これで今月の残る日はさぼるぞ。

 小説現代二月号のミステリ交差点という本の紹介ページに、日下三蔵さんが皆川博子先生の『蝶』と併せて、篠田の『螺鈿の小箱』を取り上げてくれています。幻想作家としての篠田の既刊本を含めた非常に丁寧な紹介なので、嬉しいというか有り難いというか、皆川先生と一緒というだけで顔がゆるんでしまう。

2006.01.21

 昨日は処方箋でもらった睡眠薬一錠で11時から7時まで爆睡。向かいの犬の吠え声もまるで聞こえず。しかし案の定一日頭がぼけている。なかなかうまくいかないものだ。しかしいざとなれば薬で眠れる、と思っただけで気が楽になる部分はある。しかし医者はあまり頼りになりそうもない爺さんで「眠れないときになにを考える」とか「悩みはないのか」とか、的はずれなことばかり尋ねる。そういう理由が全然思い当たらないのに眠れないから、よけい困っているんじゃないかよ。

 小説ノンの新しい号到着。ヴェネツィア編いよいよ佳境。丹野さんの麗しい龍に作者もしばし悦にいる。

 読了本 『謎は解ける方が魅力的』 有栖川有栖 アリスさんのエッセイ集第二弾。ここはなんといっても2003年タイガースリーグ優勝への道をつづった連載エッセイが読み物でありましょう。稚気こそ愛すべし。

2006.01.20

 寝付きだけは良かったはずなのに、昨日はなぜか寝付けずに悶々。その分朝は目が覚めなかったから、結局いつも程度は寝ているのか。4時間しか寝られないなら4時間でオッケーになれば一日が長くなって助かるのに。結局電話帳で見つけた近所のクリニックに行き、睡眠薬をもらう。問題は薬の副作用で昼間もぼけたら、ということだな。眠れなくてぼけるのと、薬のせいでぼけるのと、どっちも仕事にならないやんか。

2006.01.19

 もーだめである。眠って4時間経つとスイッチが切れたように目が覚めてしまう。ナポレオンではないので4時間では足りず、日々ぼけかたが強まっていく。こんな状態でゲラに赤を入れているというのが、よく考えると我ながら恐ろしい。今日は仕事はしたが他で身体を動かす元気がまったくなく、1000歩も歩かなかった。
 とにかく待っていても改善する見込みがないので、明日医者に行くことにした。

2006.01.18

 睡眠、穴だらけのボロ布のごとし。断続的に寝ているとしても寝た気がしない。「寝ていた」という連れ合いと喧嘩する。寝られない、という強迫観念がよけいいけない気もするが、実際頭がぼーっとして頭痛もするのだから、気のせいでは済まない。ゲラくらいなら出来るが、この頭で新作は書けないだろうな。

 東野圭吾氏直木賞受賞。トリッキイなミステリがこの賞を取るのは初めてだそうな。しかし新聞記事によると、選考委員の阿刀田高氏が「人間が書けているかで議論になった」といっていたそうで、あーあ、である。いかなる小説だろうと人間が人間の読者に向かって書いている以上「人間を書いて」いないわけがない。この手の議論が腹立たしいのは、評者が「(自分が好むタイプの書き方で)人間が書かれていない」小説に対して、()
内を隠してものをいうからだ。「こんなのは少女漫画だ」「アニメだ」「ゲームだ」「こんなのは人間ではない」。それならあなたの好きな人間というのはどこにいる。唯一の物差しは自分のセンスか。それで通用するなら幸せですね。

2006.01.17

 またしてもあまり冴えない毎日を送っております。眠れない+仕事。仕事は『アベラシオン』ゲラ。

 読了本 『予告探偵』 太田忠司 中公Cノベルス 太田さんはほんとに引き出しが多い。つまり作風が広い。なにが出てくるかわからない。ただしこの作品、篠田は失敗した。あとがきがないかと最終ページを開いたら、ネタが見えてしまったのだ。お読みになる方はくれぐれもご注意を。

2006.01.16

 相変わらずの穴あき睡眠(夜中に目が覚める)ながら、昨夜はそこそこ眠れたと思ったが、やっぱり頭はぽっとしている。今日から『アベラシオン』ノベルス版ゲラに着手。出来るだけ直さないつもりだったが、読み直すとやっぱり、「くそーっ、なんてへたくそな文章だっっっ」といいたくなって、未練がましくいじくりまわしてしまう。800頁越しているから、これを最後までやってあとがきを書くので今月一杯、というところだろうか。それが終わったら、ふふふふふ、神代宗46歳の短編をまた書くのじゃ。どうにか冬のうちに手を付けられそうで嬉しい。

2006.01.15

 昨日も寝るのに失敗。身体は眠いのに頭の芯が眠れないという感じで悶々。ぼろくずの詰まったような頭で「龍」の最終章を手入れ。80枚で終わる。結局計700枚ほどの長編を書くのに、足かけ三ヶ月かかった勘定。三文作家はもっとさらさら書けなきゃあきまへん。

2006.01.14

 昨日は薬を飲まないで寝たらやっぱりちゃんと眠れなくて、今日はぼけぼけで使い物にならない。しかしいつまでもそんなことをいっているとまたやばくなるので、赤入れを始める。明日中にはめどを付けるつもりで、今夜はちゃんと寝よう。やっぱり医者行かないとダメなのかなー。

2006.01.13

 昨日一応「龍」トリノ編のラストにたどり着いたのだが、そのまま腰が抜けてしまいなんにもする気になれなかった。今日は東京へ、装丁家柳川貴代さんの仕事場に打合せにおじゃまする。澁澤龍彦の書斎みたいな雰囲気があった。孔雀の剥製にびっくり。明日はなんとか最終章の原稿に赤を入れて仕上げて、一日休んでそれから『アベラシオン』のゲラに着手しよう。

2006.01.11

 昨日の夜、というか朝方、腹の調子が変で目が覚めてしまい、要するに又睡眠不足で頭がもうろうとしている。仕事はしている。来週の月曜日には全部終わっている、はず。

 読了本『人間動物園』 連城三紀彦 双葉文庫 連城らしいツイストの利いた誘拐もの。決着がついた後にも余情というか、微妙な割り切れなさが嫌な後味っぽく残るところがまた連城らしいというべきか。
 『災厄の町』 エラリー・クイーン 今頃読んでいる、実は読んでいなかった名作。国名シリーズがどうも好きになれなかった篠田だが、ほんとに後期のクイーンってずいぶん違うのだねえ。小説としてのおもしろさが深くなっていて、登場人物の描写が立っていて、エラリーが名探偵と言うよりはほとんど凡人探偵で、二枚目かと思ったら結局恋人たちの中を取り結んでやるというちょっとじじむさい役どころで、しかしミステリとしてはどうなんだろう。だって、かなり早い内から真相の見当がつかない、これ? エラリーがわからないくらいなら、もっとひねった結末なのかなと思ったら、最初にそうかな、と思ったかたちで落ちたのには逆にびっくりした。というわけで、K君、注釈希望。

2006.01.10

 トリノ編最終章本日で30枚。クライマックスなんでどうしても身体に力が入って、頭痛い。あとちょっと。終わったら、せめて一日はひっくり返って本読むだけにしよう。
 
2006.01.09

 読んでくれている人もいい加減うんざりしたのではないかと思うが、すみません、代わり映えもせぬまま、「仕事しかしておりません」。まだ龍です。トリノ編です。600枚過ぎました。あと100枚にはならずに終わるはずです。終わらないと死にます。強いヒーローというのは書きにくいです。強い敵とぶつかったときのことをどう書くか、ということです。弱いヒーローは楽です。ひいひい泣き言を言いながら、ラッキーで生き延びたりするわけで。強いヒーローが強いヒーローらしく、勝ったり負けたりが書きにくいんですね。

2006.01.08

 昨日食後にドリエルを一錠服用したところ、一度くらい目は覚めたがそのまま朝までほぼ眠れて、おかげで今日はまあ調子が良い。しかし薬は「連用するな」と書いてあるんだよね・・・
 で、今日も仕事しかしません状態で第六回が100枚で終わり。第七回が何枚になるのか、予想しても無駄だからしない。って、プロとしてどうよ、こーゆーのは。さらに、今月中に『アベラシオン』ノベルス版上巻のゲラをチェックせんとならんのに、間に合うのか、篠田。とほんとにもー、売れっ子でもないのに正月っぱらからせっぱ詰まってるよな、オレ。いえいえ、これもみんな更年期の不眠症が悪いのよ。ホルモンのせいなのよ。

2006.01.07

 エー、仕事してます。仕事しかしてません。86枚。もう絶対6回では終わらない。だけど7回目はたぶん100枚までは行かないので、強引に6回掲載にしてしまう、ということはまあ考えられるけど、篠田の予想は全然当たらないのでもうなんともいえまへん。

2006.01.06

 昨日はトリノから来ているマッシモ・スマレ氏と、ALIA2に参加した日本人作家の飲み会。それ以外は仕事。75枚まで。しかし終わらない。6回で終わるだろうという見通しはどこへ行った。つーか、これ以上長引くと不眠症がもっと悪化しそうですげえやばいんですが、どうしよう。今日は昼風呂など入ってみたのだが、やはり昼間は眠くても眠れない。そして夜は寝ても夜中に目が覚める。

2006.01.04

 仕事しかしてない。54枚まで。20枚以上書けたのは書きたい場面だったからで、ずっとこの調子で驀進できればすぐ終わるんだけど、まあ無理でしょ。そのほかに今日は連載中の「龍」のゲラを戻した。
 明日は夜用事があるのでたぶん日記は休みです。

2006.01.03

 不眠症のおかげでずっと頭がぼけている。原稿はどうにか32枚まで。ほんとに医者行くしかないんだろうか。面倒だなあ。病院って待っている間にもっと具合が悪くなりそうだからいやなんだけど。
 読了本『ネクロポリス』上下 恩田陸 朝日新聞社 ユニークな構想と魅力的なディテール、登場人物の推理合戦や飲食描写、作中で語られる物語など、恩田陸らしい魅力満載のミステリ風味ファンタジー。ただしあくまでミステリは風味なので、結末にミステリらしい謎解きを期待すると外される。
 『摩天楼の怪人』 島田荘司 東京創元社 本格ミステリの定義を巡って最近また一部でちょいと侃々諤々なのだが、篠田にとって本格ミステリというのはなにより魅力的な物語であって欲しいので、人情話や社会悪告発ものはいくらそこに完璧なフェアプレイが貫かれていてもやっぱりしっくり来ない、ということになってしまうのだ。これはもう定義とかそういったことではなく「あらまほしき理想像」の意味合いだけどね。というわけで久しぶりに本格ミステリらしい本格ミステリを読んだなーと思った。やはり21世紀のいまでも島田荘司はミスター本格ミステリであります。

2006.01.02  
 サイトをご訪問くださる篠田読者の皆様、明けましておめでとうございます。
 確か去年は建築探偵の原稿が年をまたぐスケジュールになってしまい、「もうこういうことはするまい」と思ったはずなのに、「龍」トリノ編が終わらないまま年を越してしまいました。書きたいことがないから筆が進まないわけではなく、ありすぎてまとめるのが難しかったんです。篠田のメモリは貧弱なんで、一人称だとさくさく進むんですが、あっちもこっちもになると、脳がパニックするというお粗末。
 そんなわけで年末は大掃除もそこそこに12/31まで仕事して、今年は1/1だけは酒を喰らって本読んで、今日から仕事場に復帰しました。さすがに今日は半休状態のだらだらでしたが、明日からは真面目にやります。さもないとマジで首がしまります。