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2005.10.28

 昨夕無事帰国。パソコンも一応復旧。しかし当方の事情で今月一杯は日記の更新もとどこおると思います。来月になりましたら旅の話もアップしたいと思っていますので、しばしはお待ち下さい。

2005.10.11

 今日も曇天。仕事場を片づけたり、台所を掃除したりして過ごす。11月に出る東京創元社の『螺鈿の小箱』の装丁案を、担当編集者が持参してくれるが、いまさらお茶も出せないというわけで喫茶店へ。地味なの、お洒落なの、きれいなの、などいろいろある中で、一番絢爛と派手なデザインを選んでしまう。しかしこの本も、あまり安くは出来なさそうだ。申し訳ないが箱つきではないので、読みたいけど高い本は買えないという方は、ぜひ図書館にリクエストして下さい。短編集というのはどうも読みでに欠けるという印象があるけれど、これはかなりこゆい一冊であろうかと思います。お手元において愛していただけるような本になればいいな、と思っております。

 明日から10/27まで留守になります。パソコンは現在も修理中です。たぶんその間のメールは、修理が完了してセットアップが済めば読めると思うのだが、基本的に今月いっぱいはネット関係ダメかも、という感じです。うちの営繕担当も忙しいので。仕事場には10/28から出勤していますので、仕事関係の電話FAXはその日から受けられます。滞在時間はいつも通り。メールが再開通した場合は、こちらから連絡します。よろしく。

 最後に超私信。かおりん、無事ご出産おめでとう。イタリアからお祝いカードを贈りますので。しかし娘さんのその名前、ぜってえ誰も読めないぞ。一生彼女はルビつきの人生だぞ(笑)

2005.10.10

 今年の秋は妙に雨が多くないか。雨降りだとなんとなく気がふさぐし、頭は重くて眠たいし、どうも良くない。「龍」トリノ編のメモをまとめていたのだが、どうにも頭が動かないので断念してしまう。本を読む気にもなれなくて、「ジャーロ」冬号に載る「私の愛した本格ミステリ」の原稿を書いてしまう。なにを選んだかは、12/15発売の号で見てやって下さい。
 スーツケースもピックアップしてもらったし、いよいよ準備は整った。しかし旅立ちの前というのは、篠田はやたらおっくうな気分がするばかりで、ちっとも楽しみとかにはならないのだよなー。うちで寝てたい、としか思えなくなってしまうんだよなー。

2005.10.09

 旅行準備に100円ショップや薬屋でいる物を買い、成田までのチケットを買い、スーツケースを作る。宅配のピックアップを依頼する。まだ疲労残りで余った時間ごろごろして本を読んでしまう。

 読了本 『殺人症候群』 貫井徳郎 双葉文庫 責任能力無しで不起訴になった凶悪犯人、特に未成年者の加害者と、殺人被害者の遺族の復讐感情をメイン・モチーフにするということでは、今年の乱歩賞作品『天使のナイフ』と共通する。小説としての出来はこちらの方が遙かにいいと思うのに、貫井作品は大して評判にならなかったらしい。ただ本当に救いのない話という点でも貫井作品の方が数等上で、正直な話篠田はこういう作品を読んで楽しくはない。リアルに描かれていればいるほど読むのがしんどい。

2005.10.08

 昨夜は鮎川賞パーティ。といっても今年は受賞作なしで、短編賞のみ。受賞作の「漂流巌流島」は歴史ミステリで短編というちょっと珍しいもの。鯨さんのような奇想派ではなく、でも意外な結末あり。もっともこの手の話は、題材に興味が薄いとその分いまいち乗れないという印象が残る。

2005.10.06

 東大生産技術研究所村松研究室のゼミ「建築史とはなにか」の第一回に、ひょんなご縁からゲストに招かれる。篠田に与えられた題目は「建築史家は魅力的な探偵になれるか」。しかしこっちとしては「この小説の探偵は建築史家に見えるでしょうか」とお尋ねしたいくらいで、冷や汗三斗。一応原稿は用意していったのだが、聞かれる学生さんは別段ミステリに興味を持っているわけではなく、無論篠田の小説を読んだこともない。というわけで途中から原稿はほったらかして、「素人も近代建築見物を楽しむ昨今の状況は、やはり元祖建築探偵藤森照信氏のお力でしょう」というようなことと、「明治以降日本に入ってきたミステリと、近代建築には共通性と親和性がある」「それが証拠に江戸川乱歩の怪人二十面相は洋館にひそみ、名探偵明智小五郎は開化アパートメントに事務所を開く」といったよしなし事でお茶を濁す。しかしナマモノの建築史家と学生さんたちを間近に見物させてもらえたのは大変に面白かった。
 明日は鮎川賞なので日記の更新は休みます。

2005.10.05

 朝から池袋に買い物。デジカメのメモリーカードとか、フォトプリントのカートリッジとか、なんだかんだいろいろ。戻ってちょっと仕事。不眠が出て頭がぼけぼけ気力マイナス状態。いろいろ気がかりなことが多いとたちまちよく眠れなくなる。おまけに昨日は寝入りばなに電話で起こされてしまい、朝は四時から目が覚めてしまった。なんとか今日はきっちり眠れますように、と祈ってしまう。

2005.10.04

 仕事場のパソコンアウト。ハードディスクの交換になるらしいので、たぶんイタリアに行くまでには直らない。三日以降篠田宛に送られたメールは読めていません。現在進行形の仕事関係にはFAXで連絡したが、友人たちには手が回らず。この日記をチェックしてくれている人がいたら、そういう状況です。メールアドレスとネットのお気に入りだけは拾えたのだが、大量の受信メール送信メールはちゃら。辛うじて亡くなった吉田直さんからもらったメールはディスクに移すことが出来た。
 「館を行く」ラストの原稿は上がったが、どーんと気疲れで身体が重い。旅行前にやらねばならぬことは山のようにあるのに。

 ディスクに落としたはずのアドレス帳が入ってなかったことが判明しました。がびん。仕事関係は名刺があるし、近しい作家の方は名簿があったりするのだが、それにしてもかなりの衝撃。仕事場のベランダじゃ尺取り虫が大発生してハッパ食われるし、なんだかまったくろくでもないぞ。
 2005.10.02

 小樽取材からは無事帰ってきたのだが、仕事場のパソコンがいかれた。最近妙に動作が遅いなあと思っていたのが、ここに来て止まっているも同然状態になってしまい、これはすでに明らかな異常。再セットアップをやるしかないだろう。「館を行く」の原稿もさくさく上げなくてはならないのに、いやんなっちゃうな。