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2003.12.25

 さすがにもう書き直したいところは思いつかなかったので、例によって明け方目が覚めたがもう一度寝られた。今日も未読本の山を片づけようかと思ったが、その前に部屋の中を片づけたくなりちょっとばたばた。だいたいひとつの長編が終わると、そのための資料本を片づける。ただし校閲から疑問点が出たときのためや、自分で書き直したくなったときのために、資料はしまわずにまとめておく。連載だとこの資料の山がずーっとそのままあるわけでうっとうしい。
 ともあれ今年の仕事は終わったし、年賀状も書き終えたので、大掃除はまだ完了していないが、ようやく年末か。しかし最近はスーパーにもあまり行かないので、季節感はとんと盛り上がらない。
 読了本 『実況中死』 西澤保彦 文庫化にあたって再読。篠田はすぐミステリのトリックもプロットも忘れてしまうので、再読してもちゃんと楽しめる。キャラの魅力とどんでん返しのストーリーのおもしろさが、いい具合に調和した一編。
 『闇の恋歌』 菊地秀行 分厚い書き下ろしで、魔界都市新宿シリーズの最新作。今回は主人公秋せつらの恋物語であります。

 そんなわけで本年の作家業は店じまい。日記もお休みとさせてもらいます。
 12/29に有明ビッグサイトまで来て下さる方、どうかよろしくお願いします。100冊は売れて欲しい。でないと印刷代大赤字。
 では皆様、どうぞよいお年を。そして来年もこのページと本の中でお目にかかれますよう、心より祈りつつ。

2003.12.24

 今朝の明け方、また伏線のもれを思い出してしまう。まったくもー、病気やね。というわけで一カ所直し、また途中で思いついて直し、でも担当さんが正月休みの間に読みたいというので、「ほんとの入稿はまだですよ」といってメールで送ってしまう。これでほんとに取りあえずは終了。今日はそのほか雑用と、読書でだらだらと過ごす。
 イタリアで日本の幻想作家のアンソロジーを出している人がいて、その第二集が企画されていて、ノーギャラなんだけど、どなたかやりませんかというお誘いに手を挙げたら、イタリア人の作家から日本語のメールが来た。微妙に変な日本語、なんつーて、こちらは当然それ以前だから。「日本人の書いたイタリアものというのはいかがでしょう」とおそるおそる聞いたら、「大変結構です」とおっしゃるので、ずうずうしくもレオナルドネタの短編をメール。これってアメリカ人が書いたサムライもの、みたいなお馬鹿な感じがするんでしょうが。
 読了本『聖遺の天使』三雲岳斗 この人の書くレオナルドはとってもそれっぽい。しかしどっちかというと嫌なやつである。ミステリとしては惜しむらくは、新本格系作家の近作によく似たトリックがあって損をした。奇跡かとも思われる奇妙な状態で発見された死体、というのが最初に登場するのだが、それが描写が曖昧で理解しづらい。いくらこういうトリックの結果でも、そうはならないだろう、と思えてしまう。
 『クリスマスローズの殺人』柴田よしき 吸血鬼が人間社会に混じって暮らしている世界を舞台にした、私立探偵もの、実はバリバリの本格。ただ、こういう特殊設定の世界は、その世界のルールを読者にきちんと理解させないと、解決に釈然と出来ない、という不満が残ってしまうのが難しい。
 『殺しはエレキテル』芦辺拓 なんとなく捕物帖系といえば江戸のもの的な思いこみがあるのだが、それをきれいに払拭してくれる快作。南蛮渡来の異物と江戸社会の相克が生み出す事件、というか。

2003.12.23

 土曜日に友人と渋谷でマッサージ屋さんに行って肩をもみほぐしてもらったのだが、今日になったらもうばりばりである。冬はなおのこと肩が凝りやすい。

 『AveMaria』本日でエンドとした。304頁。じわじわと増えました。
 小説を書くとき、まず出だしで苦労する。出だしの場面とか、文章が決まらないと筆が進まない。うじうじと行きつ戻りつする。最初の三分の一くらいも、なかなか順調には行かない。なんとなく迷いがある上、実際書いたり削ったりもする。いくら書いても終わらないような気がするし、あんまり長くはならない気がするのもこのころ。
 書くのが快感になるのはクライマックスに向かうあたりで、一番盛り上がるところでは少しらりっているような危ない感じになる。最後の畳みのあたりも結構何度も書き直す。そのへんになると早くきれいに終わらせたくて、急ぎすぎてしまうから。それを思い直して、また書き足す。
 この状態のときは落ち着かない。決めてあった最後の一行に無事到達して、「さあこれでいい」と思っても、ベッドの上で明け方目が覚めて、「ああ、あれを書いてない」とか悶々としてしまう。これを何日か繰り返す。困ったことにいざ直そうとすると、どこを直すつもりだったか思い出せなかったりする。必要な訂正も無論あるが、何度も直していると今度は善し悪しがわからなくなってきたりする。書きすぎてしまう、ということもある。というわけで、どこかで思い切って終わらせてしまうしかないのだ。
 とまあ、こういう行程を経て小説は書き上がり、さらに本作りの行程を経て読者様たちのお手元に届くのでありますよ。

2003.12.21

 昨日は上野の国立博物館でやっている「ヨーロッパのダイヤモンド展」を見に行った。しかしダイヤモンドというのは、古い時代のものは精密なカットが出来ないので、大きくてもガラスのかたまりみたいに見えてしまう。それと古い時代のものは工芸品としてはすごいと思っても、アクセサリとしてはたいてい大きすぎて、王侯貴族でもないと様にならないわなあ、という感じ。うんと時代が下がってアンシンメトリなアール・ヌーボーのものとか、幾何学的なアール・デコのものあたりは「ええのう」と思える。まあ、どっちにしろ所有することに興味はないですが。しかし国立博物館屈指の名建築片山東熊の表敬館の中に、絢爛たるダイヤが展示されているところというのはなかなかコラボレーションとしてもすてきなものだった。
 今日は『AveMarai』。どうにか書き終えました。298頁。でもこれを読み直すと、きっとあちこち手を入れずにはおれないのでしょう。年内には終わらせられると思うけど。やれやれこれで安心して正月のお酒が飲めて、年明けはちょっと趣味の小説を書くことも出来そうです。
 明日は忘年会なので日記の更新はお休み。

2003.12.19

 昨日『アベラシオン』のゲラを戻す。これだけ長いとアラも山のようにあって、どうせ直しきれないよ、とか投げやりな気分になってしまう。でもせっかくの豪華本だし、力を尽くしますというわけで、念校も見ることに。通常だと初校再校と二度で終わらせるんだが、念のためにもう一度チェックする、という意味で念校。
 その後はずっと『AveMaria』。一応クライマックスを書き終えて283頁。まだ書き直したくなるだろうが、後は長めのエピローグが入るだけなので、300頁以内には収まりますね。しかし結局またまた一ヶ月で長編一本書き終えてしまうのか。あんまり仕事に精出すと早死にしそうだなあ。

 国書刊行会から畏友石堂藍による『ファンタジー・ブックガイド』刊行。この充実した内容で1800円というのは、コストパフォーマンスもいいよ、と知り合いの本だからじゃなくお勧めしたい。これからファンタジーを読み出そうという若い人にも、いろいろ読んでみたけどもっとという読書人も、指輪とハリポタの他になにを読めばいいかわかんない人も、あらかた読み終えたわという人も。篠田作品では『彼方より』が取り上げられております。

 明日はちょっと骨休みゆえ、日記はお休み。なんとか今年中に蒼のお話にエンドマークを打ちたいとは思っておりますが。

2003.12.17

 昨日は竹橋の現代美術館にチケットをもらった「イサム・ノグチのあかり」という展示を見に行く。ついでに収蔵品の展示も見る。藤田嗣治はスタイリッシュでええのお。新橋に出て首都高ガード下で豚の耳やもつを肴に紹興酒2本。その後ウェストという老舗の喫茶店でコーヒーとケーキ。それで飯能直通の電車に乗ったはずが、人身事故で電車大乱れ。立ちっぱなしは辛い。
 今日は仕事だけ。やっとこすっとこ『アベラシオン』のゲラ、最後まで行く。どうせ三月なんだから、急いでもしょうがいなんだけどさ。『AveMaria』の方は256頁まで。うーん、まだ終わりませんね。300頁までは行かないと思うけど。なんとか今年中に目鼻をつけたいのだ。って、もう年末目前じゃんか。
 明日も当方の都合により日記の更新はお休み。ただし出かけはせずにひたすら仕事に精を出します。

2003.12.15

 代わり映えしない一日。『アベラシオン』のゲラ7章まで。『AveMaria』242頁まで。少しは違ったことを書きましょう。最近飲物で一番多いのはやはりコーヒー。近所のキーコーヒーで豆を買ってきて、ミルで挽いてペーパーフィルターでいれる。コーヒー屋はあんまり売れないらしくて、贅沢のつもりでブルマンなど買うと、豆がふくらまなかったりするので、もっぱら一番安いマイルドブレンドを買う。本を読むと一人前20グラムと書いてあるのだが、その通りにやるとどうも濃すぎる気がして、豆の状態でメジャースプーン2杯を使い、ポットの2カップのところまで落とすと、マグカップ一杯。ディクスン・カーは一日に何ガロンもコーヒーを飲んだそうだが、あんまりたくさん飲むと胃が荒れるのがわかっているので、篠田はマグカップ一杯までにして、後は紅茶、ハーブティー、中国茶のたぐいを摂取いたします。桜井京介は果たして一日に何杯ぐらいコーヒーを飲むのか、今度聞いてみます。
 明日はちらっと東京に出るので日記はお休み。

2003.12.14

 ゲラをよむというのは、小説を書くのとはちょっと違った神経を使う作業だ。集中がとぎれると、内容は無論知っているわけだから、するするっと読み過ごしてしまってなんにもならない、ということになる。今日はそんなわけで『アベラシオン』は数枚読んだだけで止めてしまう。鮎川哲也三番館シリーズは入手の五冊を読了。なかには「?」という作品もあるにはあるけど、ミステリの教科書として初心者には特にお勧め、という意見に変わりはない。
 『AveMaria』も粛々と進めております。ああ、しかしクライマックス。やはり書いてみるまでは決まらないのか。うーむ、あんまり読者に読まれる場所で、愚痴をいったり手の内を明かしたり、というのは良くないですよねえ。

2003.12.13

 昨日の気持ちとは違って「やっぱ年内に終わらせないとー」というわけで『アベラシオン』五章六章見終える。まだあちこちミスがあるので、ちょっと嫌になる。鮎川三番館シリーズをぽちぽち読んで、後は『AveMaria』の手直し。クライマックスのトリック、まだ決着がつかないが、トリックのためのトリックは止めようかな。読者を勘違いさせるアイディアはひとつ思い浮かんだし、これはこういう話ですってことで。なんか言い訳ばっかりしてるなあ。日記も書くことがなくてすみません。

2003.12.12

 昨日は『アベラシオン』四章までゲラを見たのだが、K部長との話で来年三月にという話になったので、なんとなく「もう少し置いておいてもいいかー」という気分になってしまう。ファンレターの返事書き、ようやく終了、投函。だらだらと鮎川哲也三番館シリーズなど読み進める。鮎川先生はお酒をほとんど飲まない方だったのが、ここではバーだとか、酒好きの私立探偵が出てくるので、カクテルに関する記述など多く、それがちょっと変だったりするのもご愛敬。しかしミステリに関してはさすがに間然とするところがない。
 『AveMaria』しつこく前に戻って伏線など足す。クライマックスを前にして、予定していたトリックが気に入らなくなり、うんうんうなって考えたもののろくなアイディアが浮かばなくて、「書きながら考えよー」となりました。

 読んだ本『無法地帯』 大倉崇裕 双葉社 あほやー、馬鹿やー、おたくやー、と笑いながら読んでいると、だんだんのってくる。ピカレスク・ロマンおたく版、という感じか。ミステリというと実はちょっと違う気がするが(こいつ絶対怪しい、という人がちゃんと怪しいあたりを、つまらんと思うかやっぱりと喜ぶか)、「ミステリだと思わないで読んだら、案外ミステリだった」という感想も聞いたので、そのへんは読者次第。限定版怪獣フィギィアが犯人限定の論理にからむ、とかもあります。表紙で退かないで読んだら素直に楽しめるよ、と思いました。無論こっちの趣味の人は、一粒で二度美味しいのだと推測します。大倉さん、誉めてるんですよ。でも、これまで端正な本格ミステリの書き手と認知されていたであろう貴兄のイメージが、一部でがらがらと崩れたんじゃないか、と篠田は少し心配するのでした。とっくにばれてたって??

2003.12.10

 今日も昨日と同じ、午前中は『アベラシオン』、午後は『AveMaria』前者は三章まで、後者は221頁まで。蒼ってこういう人間だったんだなあ、とかいまさらのように驚きつつ書き進めています。予定よりは少し延びる。これからやっとクライマックスだから。で、そのクライマックスの事件をもういっぺん設計図引き直さないと、というわけで、ここらで少しページの進行はお休みになるだろう。それにしたって早いや、自分。
 『魔女の死んだ家』二刷り出ました。冒頭の二行目だけ変えてあります。形容詞がだぶったのを、本になってから気づいたので。しかし中にもその手のミスともいえないミスがあるので、三刷りにならんかなー。
 ファンレターが回送されてきたのだが、消印を見ると10月の人がいる。いくらなんでも遅いよね。すみません。返事は少し待たれよ。

 明日は夜に打ち合わせがあるので、仕事はするけど日記はお休み。いよいよ年末が近づいてきて、仕事もせわしい。

2003.12.09

 午前中は『アベラシオン』、午後は『AveMaria』。前者は読み直し2章まで、後者は207頁まで。しかし蒼という子はつくづく打たれ強い子だ。痛い目に遭わされれば痛い痛いと声を上げるが、回復力が強くてわりとすぐ立ち直る。これと比べると京介は弱いな。平気そうな顔をしていて、いきなりぽきんと折れそうだ。しかし今回はほんと、ミステリとはいえないかも。いわゆる事件が起きるのはラスト近くだし。

 『きみとぼくの壊れた世界』西尾維新 初めて維新を読了。トリックみえみえ、という某君のことばに「ほんとかなー」と思って読んでみたら、ほんとにみえみえだったのでびっくり。それも短編ネタ。それ以外のところでなにやっているかというと、主人公の少年が妹と近親相姦的な愛をはぐくんだり、クラスメートにもてたりもてたりしている。妹にも天才少女にも剣道少女にも、とにかく主人公がやたらともてる話。こういう物語に願望充足的な喜びを覚える読者がたくさんいるのであろうか。あるいは高校生のアンニュイな会話がリアルなんだろうか。少なくともミステリとして売れているんでは、ないでしょうなあ、これだと。


2003.12.08

 『アベラシオン』の再校をやっと読み出す。まだときどき表現のだぶりが見つかる。油断すまいぞ、というわけで、毎日少しずつ読むことにする。内容をよく知っているだけに、ぼんやり読んでいるとそういうところをいくらでも見落としてしまうのだ。
 『AveMaria』194頁まで。つくづく蒼いじめな話だなあ。自分で書いていてしんどい。だけど、これどうしても書かないわけにはいかないんですよ。ここを通り抜けないと、蒼がちゃんと大人になれないんで。枚数だけは順調に稼いでいるけど、ほんとに250頁で終わるのかなあ。物語の起伏も少ないし、短めの長編であるべきと思っているのに、じりじり延びる。不吉。

2003.12.07

 昨日はプロバイダの都合で書いた日記が流せなくて、お休みの後の更新が遅れて申し訳ない。篠田は今日は家の近くでコミケのカタログを入手。ついつい毛布の下にもぐりこんでぬくぬくしながらマンレポに読みふけってしまった。もちろん気を取り直して仕事もしました。というわけで『AveMaria』180頁。目標250頁だというのに、今回はきっぱりした事件が全然起こらない。ひたすら蒼いじめな話。でも蒼がいかにして自分の力で危機を脱するか、というサスペンスのお話だと思っていただきたい。蒼が死ぬわけないんだからサスペンスなんかない、と思う方は読まなくていいです。篠田はいつもそういう小説の読み方してないもん。

 コミケで発売する有料ペーパーの詳細を書こうと思ったが、スペース番号をメモしてくるのを忘れたので明日書きます。

2003.12.06

 昨日は豊島区要町のミステリー文学館で中井英夫展を見学。『虚無への供物』初版が1200枚というわりに厚みがないのがなにか不思議な感じ。有栖川有栖さんも虚無初体験は講談社文庫版だったそうな。篠田は大学、彼は中学。年齢の差があ。
 執行会議の後は歌野正午さんの『葉桜の季節に君を思うということ』のこのミス、本格ミスベスト1祝いの会。篠田もこれは一押しだったのでめでたい。
 
 そんな具合で今日はだらだらと。うちの近くの本屋に鮎川哲也三番館シリーズがそろっていたので、ぞろっと購入。このシリーズは安楽椅子探偵ものだが、ある意味本格のトリック見本帳ともいうべきもの。本格でなにを読めばいいかわからない、という若い読者には、短編で読みやすいし、おすすめするにもいいのではなかろうか。多少レトロちっくなところも味わいです。

 『AveMaria』はやっとこ166頁。

2003.12.04

 友人と一泊二日で伊豆に出かけたので、またまた二日間仕事から離れてしまった。離れた後というのはどうも調子が悪い。エアロバイクを漕いだ後、布団の中でぬくぬくしながら本を読む。『窒息する母親たち』矢幡洋 毎日新聞社 いわゆる春菜ちゃん殺人事件の犯人女性を臨床心理士が解析する。著者の本はこの前『危ない精神分析』という本を読んで面白かったので、買ってみたもの。憎悪とか嫉妬とか、普通の動機からははみ出したところで起きた殺人。人間は辛いよ、としかいいようがない。
 『AveMaria』は149頁まで。
 「ロード・オブ・ザ・リング二つの塔」のスペシャル・エクステンデッド・エディションが届いたのだが、こりゃ正月までお預けです。

 明日は執行会議と、その後にも用事があるので、日記はたぶんお休み。

2003.12.01

 二日ばかり仕事をしなかったので、今日はかなり根を詰めてやってしまいくたびれる。篠田は怠け者なので、けっして疲れるほど働きたいわけではないのだが、そのときはわからなくて、パソコン前を離れると急にがくっと疲労感なのだ。ほら、歳だし。
 本日の『AveMaria』はこれまで書いたところを見直してプリントし直した上で、さらに140頁まで。かなり長く門野じいさまを書いた。篠田は門野が好きなんであります。こんなじじいのパトロンが欲しい。愛人になりたいってんじゃないのよ。

 昨日の勝ち馬券をプレゼントしてくれた馬の名前を書くのを忘れた。シルクボンバイエという。シルクは馬主さんの冠名だけど、はっきりいってお間抜けな名前だ。その上篠田がパドックで注目してしまったその顔というのがすごい。馬の鼻筋に白い線が出るのを、細いと流星、ふといと朔(字が違うかな、サクなんだけど)というのだが、こいつはそのサクがでかすぎて、目より外まで白い。つまりほとんど白い。馬体は鹿毛なのに。だから相当変。でも立派に追い込んで直線で刺したから脚は強いんだな。不良馬場のおかげで、勝ったお顔は白が茶の水玉入りになってました。ともかくありがとう、シルクボンボイエ。

 明日明後日外出につき日記はお休み。12月は出かけないとならない日が多いんだけど、在宅する限りは真面目に仕事しますんで悪しからず。