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2001.12.25

 増田彰久さんの写真展『日本のステンドグラス』が今日までだとハタと気づいたので、朝からあわてて出かけていく.そして増田さんに年賀状を書いていないことにハタと気づく.どうもこの年末はボケていることが多い.
 結局今日一日は仕事場でだらけて暮らす.風邪は小康状態だが、こういうので油断するとぶり返すからなあ.年が明けたら早急に『アベラシオン』の続きに取りかかることを肝に銘ずる.
 というわけで、今年もまだ六日間あるのだが、次に日記の更新ができるのは30日あたりかと思います.明日は我が家の忘年会.29日は有明の舞踏会(ウソ)そして正月は未読本を抱えて酒を飲みつつ家で過ごします.少し早いですが、皆様良いお年を.

2001.12.24

 朝祥伝社のゲラを送って今年は御用納め.明日はまだ一日あるが、この調子だとだらだら過ごしてしまいそうだ.いくらか鼻風邪らしくて、頭が熱っぽい.
 買ってきた喜国雅彦『本棚探偵の冒険』を読む.とてもおもしろいが、篠田は本好きとはいえ、本というブツにここまでフェティッシュな愛情は持てないなあと痛感する.もちろん紙に印刷された本が好きだし、きれいな本は嬉しいし、本棚に好きな本がずらっと並んだところはとても楽しいが、やっぱり重要なのは中身だよなあ.
 でも、人生を楽しくするのはどちらかといえば無茶な愛情や執着だと思う.むろん他人に迷惑をかけたりするのは例外だが、理性的すぎるのも覚めているのもつまらないよ.

2001.12.23

 不要の本をまとめて古本屋に売りに行く.我が家から車で30分ほどのところに、非常にうまいキムチを売る店があるのでそちらへも廻る.
 年末のコミケで配るペーパーを作っていなかったことをはたと思い出し、あわてて原稿を作ってコンビニへ.来年の予定を書き出していたら、今年より確実に本の数が増えることに気づいてちょっと憂鬱.篠田の理想はクラチッチだというのに.
 ノンノベルのゲラ、最後まで見終えた.今年の仕事はほぼこんなものか.

2001.12.22

 メールを読んで返事を書いて、ちょっとネットで調べものをして、もらった手紙の返事を書いて、届いた雑誌を拾い読みして、そんなことをしている間にもう一日経ってしまう.以前勤めをしていたときは起きている時間の内の半分はそれに取られるから、残された時間を少しでも有効に使おうと、満員電車の中でも本を読み、始業前の20分でも茶店に行って原稿を書いたものなのに、なんたる堕落であることよ.
 ノンノベルのゲラをようやく読み始める.まだあちこちにもれがあることに、いまさらのように驚きながら、しかしこれは明日で終えられるだろう.久しぶりに妖怪根付けを買ったら、だぶらないのが出たので幸せ.みみっちいか.でもそんなもんさ、根っからの庶民だもの.大量のだぶりものは、いっそコミケのときにでも人に配ってしまおうかと思っている.

2001.12.21

 耳鼻科の医者とジム.仕事せず.というわけで今日は、いま気に入っている本のことを書く.角川スニーカー文庫『トリニティ・ブラッド』というシリーズで、一度文明が破壊された後の未来、人類は優れた知力体力を持つ侵略者吸血鬼と終わりのない戦いを繰り広げていたーーというと、菊池秀行先生の吸血鬼ハンターそのまんまじゃないかと思われてしまうが、篠田も読む前まではそう思った.しかしこれは全然違います.
 菊地先生の世界が荒涼とした辺境世界に繰り広げられる、どこか西部劇風の香りを持った伝奇アクションだとすると、こちらはもっとSFっぽい.そして吸血鬼に対して戦う主人公はなんとヴァチカンの神父.しかも彼の真の正体は未だに謎に包まれているが、どうやらそれは人間より吸血鬼に近い存在らしい.というあたりはかのDを彷彿とさせますな.
 まあともかく、スニーカーだからって馬鹿にしたもんじゃあないっす.ああ、仕事.でもその前に年賀状書き終えないとね.

2001.12.20

 昨日よりはいくらかまし.午前中年賀状を書き出す.といっても住所を書くだけ.
 昼、学研の担当と会う.例の差別語の問題.どうせ無理であろうと思いつつ、河出書房で出た仁賀先生の本に用いてあったので敢えて書いてみたところ、このままで行こうという話になって芯からほっとする.三人称の歴史小説なら、歴史的に差別の問題などもっときっちり取り上げることもできるのだが、この小説は一人称のゆがんだ幻想小説なので、現代の視点を入れるわけにもいかず、かといって妙な言い換えをすればなおのことおかしいから.もっとも自分が「きっちり取り上げる」つもりでいろいろ書くと、読者によってはそこが「説明的でよけい」と感じることもあるようで、まあ、それは人それぞれだからいたしかたない.

2001.12.19

 どういうものか回復しないどころか、よけい調子が悪くなってきた感じ.半日布団に入っていたが、ますますしゃっきりしない.動かないのだから当然かもしれないが、食事もする気がせず.今年の残りはこのままずるずる過ぎてしまうのだろうか.こんな調子でコミケに行ったら失神しかねない.やばいなあ.

2001.12.18

 まだ全然疲労が抜けない.朝も起きられないし頭が布をかぶったようにぼやけていて、なにもする気がせず、今日はグイン・サーガの新刊を読み終えた後仕事場の長椅子で爆睡.まずいなあ.自分で思っている以上に体力が落ちているらしい.

2001.12.17

 昨日午後四時過ぎ無事帰国.しかし案の定疲れが取れず、今日はメールの返事を書いたりおみやげの発送をしたり、あとは西澤保彦さんの新刊『両性具有迷宮』を読んで沈没.頭の芯がぼおっとして、思考力ゼロ.一応旅行中の日記は簡単に以下に書き込んでおきます.

2001.12.16

 なぜか目覚ましが鳴らず寝坊.30分で支度したら前夜読んでいた文庫本を忘れてきた.ひとり旅のときはほぼ一度もこういうことはないのだが、なんとも情けない話.ともあれ無事帰国しました.

2001.12.15

 やはり12月のバンコクは涼しい.朝からスカイトレインでジム・トンプソンの家へ.驚いたことに整備が進んでカフェや土産物屋ができ、女性ガイドがいて中を案内してくれて、あっという間に追い出されてしまう.昔行ったときはがらんとして人気がなく、猫が遊んでいるような状態だったのに.
 その後スワン・パッカード宮殿.ここは元王族の離宮だが、やはり民家を移築したらしい木造建築.ここらでだいぶ暑くなってきて、見物もまあいいか、という感じになってしまう.シーロム通りのタイ・シルク本店へ.ジム・トンプソンはタイ・シルクを世界的に有名にしたが、タイ・シルクの持つ野性味や民芸性を抜き取ってしまったのだな、といまさらのように痛感.
 しかしショックだったのは、前にアマゾンで買った「ジム・トンプソンの家」の写真集だけでなく、昨日買った絵本までがここで、ずっと安く、しかもきれいな布の箱入りで売っていたこと.来年三月にはもう一度タイへ行く予定なので、いま持っている方は誰かほしい人にプレゼントしてしまおうかなー.

2001.12.14

 朝七時過ぎにホテルを出てクアラルンプール、飛行機で一時間45分でバンコク.
 久しぶりのバンコクはスカイトレインもできて格段に動きやすくなり、スターバックスがやたらできたり、新しい都市化が進んでいるが、乞食もやたらと多い.
 書店でタイ美術の写真集とジム・トンプソンのエピソードを水彩画でつづった画集を購入.トランクが閉まるかどうか心配になってきた.夜はホテルのとなりのビルの地下で、フカヒレ料理を食べた.

2001.12.13

 午前中はジャングル・ウォーク.ボルネオのような熱帯雨林ではないので、そんなに派手な植物が密生しているというわけではないのだが、蝿を食べるウツボカズラとか、絞って水が飲める苔とか、樹上に固まりになって木を倒してしまう寄生植物とか、根っこがなくて、落ちてくる葉を養分にして育つ草とか、説明してもらうとけったいな生き物が多いこと.そして森の中のアップダウンのきついこと.たった二時間でへろへろになる.しかし道はきちんとしていて、ここからはずれたりしなければ、まず迷うとは思われない.
 昼は町の中華屋でご飯の上におかずをのせて食べる飯屋に入る.やはり豚抜きの中華というのは、味がいまいちなのではあるまいか.ここではなぜかハムエッグやトーストまでメニューにあって、ひとりトーストにミルクコーヒーゆで卵を肩をそびやかして食べている若者の姿が印象的だった.
 午後から天気が悪くなり雨が降ってくる.しかし三時にはかろうじて止んで、ホテルからトンプソンがいた別荘、当時はムーンライト・コテッジ、いまはムーンライト・バンガローまで歩いていく.外観を見せてもらうだけで、クアラルンプールにいるオーナーに電話をかけて、いろいろ話したりする大騒ぎ.結局中には入れない.しかしいまは賃貸で一泊でも貸してくれる.それも700ランギットくらいというから、3万円もしないで、ベッドルームが三つある、景色のいい庭付きの家が借りられるのだから、最高じゃないか.しかし空港から3.5時間というのは遠すぎるかなあ.
 夜はいよいよ雨が土砂降りなので、あきらめてホテルの中華レストランで食事.

2001.12.12

 朝八時半車で出発.空いた高速を時速110キロで二時間.そこから蛇行する山道を登ること二時間弱でカメロン・ハイランド到着.途中ドリアンを売っている土地の人と、木にドリアンがなっているところを目撃.どう見ても野生でなっている感じ.
 高原の避暑地だが、意外だったのは新築のホテルやリゾートマンションがばんばん建設中なこと.森林に被われた山々が高原を取り巻いているのだが、その森も端から切り開かれていて、いささか自然破壊が気になる.
 ホテルは失踪直前にジム・トンプソンが滞在していた別荘の一番近くにあるストロベリー・ヒル.翌日はジャングル・ウォークに出かけることにして、この日はお茶畑と工場、それとここらで一番古いホテル、スモーク・ハウスでお茶を飲む.もうひとつ、有栖川有栖さんに依頼された、町の警察の建物を撮影.
 夜は町でスチーム・ボートという鍋物を食べる.タイ風しゃぶしゃぶが一番似ている.マレー料理は中国風インド風インドネシア風が混じっていて、しかしイスラムが国教なので中華料理でも豚がない.

2001.12.11

 昨夜は成田の日航ホテルに前泊.JALに乗るときは日航ホテルでチェックインできることを初めて知った.
 現地時間の午後七時過ぎクアラルンプール着.三年前に作られた広大な新空港は、町から70キロも離れている.空港近くのホテルへ移動しただけでもじっとりと湿度の高い暑さを感じた.夕食はホテルのレストランでマレー料理のサテーやナシ・ルマッとビール.

2001.12.10

 本日は前泊するので夕刻から成田に向かう.日記の更新は少なくとも12/16まではありません.篠田は旅行中は必ずノートに日記を付けるので、帰国当日元気があったらそのあたりからの抜粋をまとめてアップします.死んでたら17に.というわけで皆様留守の間をよろしく.日記を公開しだしてから、こんなに長く休むのは初めて.

2001.12.09

 ざっと荷物チェックした後は少しだらだら過ごす.島田荘司『最後のディナー』、石岡のあまりな情けなさに呆然.夕刻チケット等もらいに東京へ.ついでにコミケのカタログをゲットする.当方は12/29東ホ42大沢探偵事務所におります.

2001.12.08

 小説読みではあるがミステリ読みではない友人が、折原一の『沈黙者』を読んで納得できないと憤っているので、借りて読んでみた.そこで改めて思ったこと.世の中にミステリとして流通している小説は、むろん駄作は別として、その1ミステリ読みには楽しめるがそうでない小説読者にはつまらないもの.その2ミステリ読みには物足りないが小説読みにはよい作品に思われるもの.その3どっちが読んでも傑作とうなずけるもの.の三種があるのではあるまいか.
 『沈黙者』は決して駄作ではない.埼玉県の田舎で起きた無惨な一家惨殺事件と、東京で万引きのため逮捕され氏名を明かさなかったために懲役六年の刑にあった男の物語とを交互に語ることで、読者をミスリードする手際はベテラン推理小説家の優れたテクニックで、これ以上明かすわけにはいかないが真相の意外性はとびきり.しかしその辺を楽しむ視点がなく、作品世界のリアリティにこだわり始めると、多くのミステリの傑作同様「こんなことがあってたまるか」といいたくなってしまうだろう.
 つまり『沈黙者』はその1である.ミステリにはミステリとしての評価軸が存在するのだ.篠田はどっちも理解できるつもりだけれど.こう説明したところで、おそらくかの友人は納得はするまいが.
 建築探偵の裏ストーリイがようやくほぼ完成.1910年から現代まで到達.これからは話の冒頭から、展開を作っていくことになる.とはいえこれを実地に書き始められるのは来年三月なので、あまりきちきちに作って気が抜けてもまずいのだが、三月に取材に行けば良かったか.いや、そんなことをいっていたら刊行が来年の暮れになってしまう.

2001.12.07

 仕事場のベランダではプランターにローズマリィの花が盛り.淡い紫の地味な花だが、野草風の味わいがある.篠田は「花より団子」の食い意地の張った人間なので、プランターはそのほかセージにミントに、と食べられる植物ばかり.ひとつふしぎなこと.ローズマリィといえば女性名に聞こえるがイタリア語だとロスマリーノ、これは男性名詞.なぜ?
 来年二月の菊池秀行先生とのジョイント・トークショウぷらすサイン会は、池袋サンシャイン近くの書店リブロに決まったらしい.そこの二階が50人くらい入れる喫茶店なので、そこを借り切ってコーヒーにケーキつきで1000円でどうだろう、というような話.しかし、この本屋の場所がよくわからない.リブロといえば西武の地下だが、それとは別だということ.駅からは遠いようなので来る人が不便かも.詳細決定したらまたお知らせします.
 お知らせもうひとつ.以前ここで書いた秋月杏子さんの建築探偵同人本、蒼と翳メインのが出来上がりました.篠田が短編を書いています.ミステリではないので、商業媒体での発表予定はありません.通販の方法は近い内にページを作ってお知らせするつもりですが、待ちきれない人はヤフーの検索を使って「大沢探偵事務所」にアクセスし、そこにある通販の方法を読んでください.よろしく.

2001.12.06

 寝ても腹がもたれて眠れない.担当が絶賛していた殊能将之『鏡の中は日曜日』を読み出す.結局今日は午前中はこれを読んで過ごす.前作『黒い仏』で「これはいくらなんでもないでしょー.つーか、こういうだまされ方は気持ちよくない」という感じがあったので心配半分だったが、今回はきれいに着地している.とはいえ、作品内の現実と、我々の日常的現実には微妙なずれがあるのだが.
 旅行の買い物.午後は昨日から読み出していた『嗤う伊右衛門』を読み終える.なんか気持ちが暗くなる小説だった.
 コピーに7/11へ行くと妖怪根付け陰の巻があったので、あわてて四個も買ってしまうが二個だぶり.あまりくじ運が良くない.

2001.12.05

 旅行に持っていくフィルムと、暇つぶし用の本を買う.文庫でもしばらく保たせなくてはならないので、読みやすい小説などはダメ.『アラブから見た十字軍』は前から読んでみたかったのでいい機会.
 昼は神楽坂で友人とランチ.護国寺へまわって本格ミステリ作家クラブの執行会議に出席.といっても篠田は座っているだけで、「もっと発言するように」と笠井先生からお小言をちょうだいする.ひとつショックなことあり.有栖川さんの『マレー鉄道』では、カメロン・ハイランドで事件が起こるのだという.ジム・トンプソンは出しませんからといわれたが、それにしても.まあ、こっちが後から決めたことだから、苦情はいえない.むしろあちらの方が不愉快だったかも.すみません、有栖川さん.ちゃんとタナ・ラタの警察署は写真撮ってきますから.

2001.12.04

 メディアファクトリーから『夢魔たちの宝箱 井上雅彦の異形対談』が届く.以前ダ・ヴィンチ誌上で井上さんとした対談が納められている.しかしこういうものは、しゃべったことの10分の1も入っていないので、そうでなくとも大したことはいっていないのに、本当に馬鹿みたいである.
 建築探偵の裏プロットを書き出す.人物設定でどうにも知識不足で決めかねる部分があり、迷う.ノンノベルの編集から電話.「日記拝見しました」といわれて、なんとなくあせる.やはりめったなことは書けないもの.

2001.12.03

 頭を切り換えるのが下手である.まったくもって下手である.先週角川の担当と会って、ファンタジーの話をして、ビーンズ文庫の新刊を山のようにもらい、合間に読んでいたら、こっちも『根の国の物語』の書き下ろしのイメージが湧いてきてしまう.しかたなくパソコンにそれを打ち込む.中公のノベルスでやった話よりずっと以前の同じ異世界の話で、実は昔に少し書きかけてうち捨てて、そのうち捨てた原稿は見つからないからもう一度だ.
 今日は新潮社の編集さんと会って、佐藤賢一の文庫など作っていた人なので、西洋歴史小説をやりましょうか、最初は伝奇でと思ったのだが、伝奇の持ちネタは『龍』の方で使ってしまっている.ここはいっそじっくり調べてまっとおな歴史小説を、それならやはりイタリア・ルネッサンスだね、ピコ・デラ・ミランドラという夭折した美貌の哲学者がおりまして、などと話をし、ロレンツォ・イル・マニフィコからサヴォナローラだ、おおドラマチック、出せるのは2004年か、早くてね.仕事場に帰ってきたら、今度は頭がイタリアに行きたがる.
 だけどいまはなんといっても、建築探偵なんだ.それも取材から帰ってきたらノンノベルのゲラを見て、メフィストの次回を書いて、それから建築探偵なんだ.ああー、脳味噌がこんがらかって混戦しますう.

2001.12.02

 世間のパソコン・ウィルス騒ぎもなにかよそ事のように思っていたら、今朝妙なメールが来ていた。Re;re;とふたつついた後は文字化けしている.発信人名も化けている.そして添付ファイルがついている.これはたぶんそれであろうかと、あわてて削除してしまった.しかし、削除した後で気になってきたのは誰が送ってきたかということ.日曜日の朝九時からでは、仕事はもちろんおおかたの知人も、起きてはいない気がする.
 国会図書館から頼んでおいたコピーが届いたので、『日・タイ交流六百年史』を読んでメモを取る.しかしこういうときに限って、他の本が読みたくなる.『中井英夫短歌論集』国文社.肉身の作家に会いたかったとは毫も思わぬ.が、彼の目にぎりぎり自分の最初の本が触れたということが、いまでは不思議でならず、なんともいえず心が乱れる.じかに会ったところで、心が通じたとは思えぬ相手だ.そうではあるのだがーー

2001.12.01

  本日は銀座の画廊へ建石修志さんの個展を見に行く.来年予定の『幻想建築術』単行本化にイラストをお願いしたので、その縁で招待状が届いたものと思われる.月とイタリア風建築のコラージュ.静謐な空気に満たされた幻想的画面だった.
 近づいた取材旅行のために雑物の買い物、本屋も.神林長平さんと野阿梓さんの新刊を買おうとするが、リブロもジュンクも置いていないのでがっかり.そもそもSFのハードカバーを置く棚がないのだ.ふん、いいよ.ネットで頼むから.