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箸ものがたり

T.風来舎の箸の由来


風来舎のお箸はオリジナルのデザインではありません。
茨城県常陸太田市で「SEEDS」という木工房を営んでいる友人、佐々木武がデザインしたものを許可を得て借りています。
なぜならば、私も箸を作ろうと思い立ったときに、彼の物ほど使いやすいお箸は出来ないと思ったからです。
特長として、八角形のようなあやふやな丸。先だけでなく、元の方も少し削った形。その長さ。といったところでしょうか。
実際に作ってみると、この正確でない八角形が難しい。
数を作っていると、手もだんだん慣れてきて、どんどん正確な八角形に近づいていってしまう。
これではこの箸の良さが無い。
*
私が最初に彼から購入した箸は、今でも時々使っています。
黒檀のそれは長さが29.5cmもあります。
長い箸は、思いの外使いやすい。
しかし、
ちょっと長すぎる。
私はそれよりも3cm短く作りました。26.5cm。
これはなかなかに、使いやすい。
が、
販売してみると、特に女の方にはまだ長すぎるようでした。
それで、現在は、
22.5cm・24.5cm・26.5cmと3種類の長さを揃えています。


U.日常使いの箸置きの勧め

テーブルセッティングをこのようにしても



すぐ、このようになりませんか?



そこで、風来舎では、
ふだん使いのお箸は、小さな箸置きを使って、
このようにセッティングすることをお勧めしています。



よけいなお世話かも知れませんが、ナルホドと思ったら、ちょっとお試し下さい。
このように箸置きを使うと、食事中もずっと自然な流れで箸置きをご利用になれます。
左利きの方は左に置いて下さい。
なお、改まった席や、ハレの日などには、正式な置き方をしましょう。


V.手入れは?

風来舎の「食に関わる製品」は全て、拭き漆で仕上げています。
古来からの最も安心して使える自然塗料です。
漆は、乾けば全くかぶれる事はありません。(特異体質の方は例外)
拭き漆仕上げという技法は、厚い塗膜は出来ませんが、材の中に良くしみ込んで、丈夫にします。
また、厚い塗膜が剥がれて使えなくなることもありません。
お手入れは、
他の食器洗いと全く同じでかまいませんが、金束子は困ります。
ほとんど水分も弾きますが、濯いだ後はきちんと布巾で拭きましょう。
そして、
箸置きもちゃんと洗いましょう。
*
長らく使っていると、箸先は白っぽくなってきます。
お箸は、使ったり、洗ったりしているうちに、どうしても箸先が白っぽくなってきます。
木も人のお肌と同じです。
毎日毎日、使われっぱなしでは荒れてきます。
洗った後に、ほんの少しの食用油をしみ込ませた布などで拭き、から拭きまでしておけば一番よいのですが、
毎度毎度、なかなかそうもいきません。
*
風来舎では、ご希望があれば、漆をかけ直して再生させます。
少しだけ磨いてから、拭き漆を2・3度かけ直します。
これでまた、当分きれいにご使用頂けます。
工賃:500円+送料:510円
良く洗って、乾かしてから、
計1010円分の通常切手を同封して、お送り下さい。


W.材質とお値段は?


Designed by SEEDS

ちょっと写真ではわかり難いのですが、
上は26.5cmの黒檀(こくたん)
下は24.5cmの花梨(かりん)
利休箸ではありませんが、片口利休箸にやや似ています。

*長さは3種類
26.5cm
24.5cm
22.5cm

*樹種は2種類
黒檀と花梨

*価格は、サイズ・樹種に関係なく
箸:2100円(税込み価格)
箸置き:150円(税込み価格)
送料は箸何膳、箸置き何個でも510円(レターパックプラス)です。
(トラブルを避けるため、ポスト投函はいたしません)
*
黒檀は東南亜細亜のカキノキ科の広葉樹。
真っ黒い青黒檀ではなく、茶の縞が入る縞黒檀です。
花梨は東南亜細亜のマメ科の広葉樹です。
実をカリン酒などにする樹はバラ科なので別種です。
どちらも漆との相性は良い材です。


X.お問い合わせ・ご注文は?

木工房 風来舎
TEL・FAX 042−982−3633




whatsnew ページより転記

電話で中国からの留学生だという女性から問い合わせがありました。「中国では箸は縦に置くのになぜ日本では横に置くのですか?」
HPを検索していて、私の「箸ものがたり」に行き着き、ご連絡頂いたらしい。しかし私もこのことは考えたことはない。中国・台湾は行ったことがないが、香港は昔行っている。横浜中華街も行く。
さて?箸は縦に置かれていたっけ?
とりあえず、なにか判ったらお知らせしますと言って電話を切り自分でサイトを検索。私もちょっと興味を持ちました。結果、これに関して書かれた文章をひとつだけ発見。西日本日中旅行社広島支店のHPの中に「中国よもやま話」という頁があり、VOL.3「箸の置き方」という項がありました。以下、勝手にコピー。

中国よもやま話VOL.3「箸の置き方」
      支店長 大谷育平
  
日本の食卓において箸は横向きに置かれ、中国の食卓では縦向きに置かれている。どちらが正しいのだろうか。
 中国の文献に箸が登場するのは殷の時代である。どうも祭祀に使われたらしく、象牙の箸となっている。
一般庶民に普及したのは前漢時代になってからである。
 それでは、日本に箸が伝わったのはいつ頃であろうか。『三国志』「魏志倭人伝」に日本の風俗について紹介されている。

そこには手食、つまり箸を使わずに手づかみで食事をしていたことが書かれている。
 日本に箸が伝わったのは三世紀ごろだといわれている。そのころはピンセットのような形状のものが使われていた。考古学的には、二本箸のものは平城京跡からほとんど出土していない。長岡京跡から大量に出土するらしい。だから日本で一般に普及したのは、奈良時代末期頃になるのだろう。
 さて、箸の置き方は、中国では唐代、横に置いていたようだ。これは壁画に食事の場面が描かれている。ところが、宋代になると縦に置かれている。これも壁画に残っている。
 では、いつ変わったのか。それは五代十国時代になる。唐が滅んで、中国は再び混乱の時代を迎える。北方からは遊牧騎馬民族が入り、風俗習慣にも大きな影響をあたえた。彼らの食事は主に羊肉を使った物である。肉料理にはどうしてもナイフが必要となり、そのナイフは縦に置く。それに伴い、箸も縦に置くようになったようだ。
 日本における横向きの置き方は唐代の風習、中国での縦向きの置き方は宋代以降のもので、中国に異民族の風習が入り変化していった。

上記記述一件なので、このような説があるといった判断しか出来ないが、説得力はあると思う。かの女子にもそのようにご連絡。
勝手にコピーだけでは申し訳ないので、西日本日中旅行社広島支店のアドレスを載せておきますので、中国旅行に興味のある方はのぞいてみてください。支店はあちこちあるようですよ。
http://www1.odn.ne.jp/~aan29710/index.htm