驚きの!藤公之介ワールド



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詩人一文字の漢字に含まれる、もう一つの漢字。
詩人はことばを紡ぎだす仕事…。

感じる漢字を料理する
「漢字のソムリエ」なのです。
絆
「 絆 」
( きずな・ほだす )

糸へんに半分と書いて
「絆」と読みます
おたがいに半分ずつの糸を
結び合うからです

糸の太さは人それぞれ
顔の違いと同じです
固いかゆるいか ほどほどか
その結び目が大事です



いつも遠くから送られてくる
あなたの視線を感じつづけて
もうどのくらい経つのでしょう
日ごとにその視線の温度が
熱くなります
いま 私の心は視線の糸に
絆されて 絆されて
捕縛されてしまいそう



「 花 」
( はな・カ )

クサカンムリと「化」ける…
花は何かが化けたもの
何かがクサカンムリをかぶって
華麗な花に化けているのです
それは醜く汚れた邪心を
隠すために
それは振り返りたくない過去を
知られたくないために…
クサカンムリをむりやりはずすと
化けの皮がはがれるに違いない


花

君はかぼそき その指で
花を手折りて 胸に寄せ
幸せ薄き 今日までの
運命を記す 花言葉

つぶら瞳に 涙して
君は哀しく 目を伏せる
生きとし生ける野の花が
みな咲き誇る 春なのに

人は誰もが 花のごと
いずれの日にか 咲くものを…


命
「 命 」
( いのち・メイ・ミョウ )

「命」の中に「一」と「叩」がある
何を一つ叩くのだろうか
かけがえのない命
地球よりも重い命
あなたに捧げた命
その命を輝かせるために
運命の鐘を一叩きして
宿命の扉を一叩きしてごらん
自分の未来を拓くために


かけがえのない命を
運命や宿命の
なすがままに流されてはいけない
限りある寿命を
目いっぱい輝かせ
使い切りたい
それが
命をもらったものの
宿命なのだから…

   
 「 海 」  ( うみ・カイ )

  海 

「海」という字の その中に
「母」という字が 隠れてる
「母」という字の その中に
「一」という字が 隠れてる
一直線に 進めよと
一等星で 輝けと
一期一会の めぐり逢い
大事にせよと 噛みしめよと
母が教えて くれている
母が教えて くれている


「海」という字の その中に
「母」という字が 隠れてる
「母」という字の その中に
「一」という字が 隠れてる
「母」という字を 良く見れば
涙が二つ 点々と
静かにそっと 隠れてる…



 「 忍 」  ( しの-ぶ・ニン )

  忍 

「心」の上に「刃」が乗って
少し身動きするだけで
心が斬れてしまうという
そんな危うい忍ぶ恋
あなたの名前を呼んだだけでも
空気が震えて
刃が揺れる…
忍んで忍んで 耐え忍んで
やっと逢瀬が叶ったときの
至福の時間(とき)が 炎に変わる
心の上のするどい刃が
やがて灼熱に焼けて
胸を貫く…