不倫のニオイ

アジア系航空会社での話です。
離陸直前の機内ではアテンダントがひっきりなしに前へ後ろへと作業をこなしています。
まさに戦場です。
するとその時、前席の頭がバーコードのおっさんの携帯が鳴り出しました。

おっさん 「はい、もしもし・・・。」

まもなく飛行機のドアが閉められるので携帯の電源を切るようにとのアナウンスが流れた直後のことでした。
おっさんの通話に気付いたアテンダントが近寄ってきてただちに通話をやめるよう英語でまくしたてました。
おっさんはひるむことなく通話を続けています。

3分は過ぎただろうか。
どうもドアが閉められないらしい。
チーフパーサーらしきアテンダントが来て英語でまくしたてています。
その直後おっさんの腕をぎゅっとつかんで前方へ連れて行き飛行機のドアの外に追い出してしまいました。
それでも通話が続いています。
さすがにおっさんもあせったらしく電話を切り鼻息を荒くして座席に戻ってきました。

おっさん 「あのスチュワーデスの野郎(女性ですけどね)許さねーからな!」

隣りの席の30歳くらいの女性が甘ったれた口調で、

女性 「○○ちゃんが悪いんじゃ〜ん。怒られちゃったねぇ。」

そこへ日本人女性アテンダントが来て、

アテンダント 「お客さま、機内で携帯電話をご使用になりますと現地で罰せられる可能性がありますので十分お気をつけください。」

おっさんはそっぽを向いて窓の外を眺めて目を合わそうとしませんでした。
周囲の乗客にも聞こえるように叱られたのだから無理もないですね。
でも悪いのはおっさんなのだから。
私は心の中でアテンダントに拍手を贈りました。

おっさんは50歳代でしょうか。
隣りの女性は娘でも妻でもない・・・。
ということはイケナイ関係なのか?
不倫のにおいプンプンなのです。

もし、日本の航空会社だったら乗客に対してこんな毅然とした対応はできないでしょう。
お客様第一だし、会社のイメージも大切だし、クレームが怖いからね。
米国系なら「乗せてやってるんだぞ」という態度で合衆国法違反とか言われて即刻降ろされていたに違いないと思います。

おっさんよ!降ろされなかっただけでもよかったじゃん。
法律違反は不倫だけにしといた方がいいかも・・・。

【2004年7月】