ひとり旅症候群

昭和から平成になった頃、海外旅行はまだ高嶺の花でした。
ヨーロッパへ行くと言ったら職場で大袈裟な壮行会を開いてくれて恐縮したものでした。
格安航空券も出はじめたばかりで価格変動の傾向がつかめませんでした。
海外旅行といえば添乗員同伴で集団行動型のツアーが主流の時代でした。

当時から私は個人旅行(ひとり旅)にこだわっていました。
インターネットのない時代でも航空券とホテルを自力で手配し、ガイドブックをひっくり返しながら現地の情報収集に没頭したものです。
どちらかといえば海外旅行そのものよりも事前の情報収集の方が楽しかったような気がします。

あれから20年。
「ひとり旅」への情熱は薄らぐどころか以前にも増して熱くなっているような気がします。
家庭を持つ身となった今、
「これは一種の病気なんだ。仕方ないんだよ。」と家族に訴え続けています(笑)。
家族も「ひとり旅症候群」を治す特効薬がないことに気付いているようです。

私は、「ひとり旅」という処方箋を年に一度だけでいいから書いてくれるのを心待ちにしています。