恐怖のフライト エピソード2

オーストラリア国内線で、タスマニア島のローンセストンというローカル空港からメルボルン空港へ飛んだときの話です。
ヴァージンブルー航空が誇る最新鋭のボーイング737‐800型機に搭乗し、最後列の窓側席を指定しました。

飛行機が離陸するとタスマニアののどかな田園風景を一望しながら雲の上へ抜けました。
オゾン層が薄い南極周囲の上空では紫外線バリバリの肌を刺すような太陽光が容赦なく窓から入ってきます。
有料の機内サービスでコーヒーを注文するとカップヌードルサイズの紙コップに満タンのコーヒーが出てきて仰天しました。

やっと飲み終わろうというときに機体が急降下。
コーヒーをこぼさぬよう必至に体勢を整えましたが、それは着陸までの断続的な乱気流の序章でした。
アテンダントはすばやくごみを回収し着席してしまったのです。
いやな予感は的中しました。

まるでジェットコースターのように急上昇と急降下を繰り返す機体に、あちらこちらで乗客は「オーノー!」とか「オーマイゴット!」と叫んでいます。
着陸態勢に入り、ぶ厚い雲を抜けメルボルンの街が見えてきても乱高下は止まみません。

無理やり態勢を整えメルボルン国際空港の滑走路へ着陸した瞬間、「ウォー!」とか「イェー!」という歓声と大きな拍手が湧き起こりました。

飛行機は大きなリスクを伴う乗り物であることを再認識したと同時に、エピソード1での日本人とはまったく異なる反応を示したオージーの国民性の違いを強く感じた貴重な経験となりました。

【2005年11月】