恐怖のフライト エピソード1

羽田発米子行き全日空便。
エアバス320型機という小型ジェットでの飛行中、雄大な富士山や天橋立などを眺めていると日本海に出たところで雲の中に突入しました。
間もなく機体が小刻みに震え始めました。
直後に大きく上昇、下降、左右に振られ、「ミシッ」とか「バリッ」など機体の異常音が聞こえはじめたのです。
どうやら寒冷前線を伴った積乱雲に突入した模様です。
あまりの揺れと振動音に機内はシーンと静まり返り誰一人としてしゃべってません。
恐怖のあまり声も出せないと言った状況でした。

「ご搭乗のみなさまにご案内申し上げます。当機は気流の悪い中を通過中ですが機体の安全性には何ら問題はありませんのでご安心くださいませ。」との機内アナウンスが流れました。

安全性に何ら問題ないと言われると、逆に、本当は危険なのだけど騒がれないようにそう言っているのでは?と疑心暗鬼になってしまいますよね。

飛行機は何事もなく米子空港の滑走路に着陸したのですが、その瞬間、強張っていた体からどっと疲れが出てきました。

空港ターミナルから一歩外へ出ると、さっき我々を苦しめた寒冷前線が到来し激しい雷雨になっていました。
しばらくは飛行機に乗りたくないと思ったフライトでした。