乗り継げなくてヘトヘト

スペインからデンマークへ。
気温差が実に30度以上はある真冬の移動のことです。

夜10時、バルセロナを出発した夜行列車はゆっくりと走り始めました。
寝台車ではなくサロンカーの椅子席が指定されていたが、暖房がきつくなかなか眠れませんでした。

朝5時48分。
定刻より20分以上遅れてマドリッドのアトーチャ駅に到着。
7時に出発の飛行機に間に合うか微妙な時間です。
一目散にタクシーへ乗り、言葉は通じないものの運転手は私がかなり急いでいることを察知して、まだ薄暗いマドリッドの市街地を時速140キロの猛スピードで走り抜けました。
驚いたことにたったの15分で空港に着いてしまいました。
運転手への感謝を込めてありったけの4,000ペセタを手渡しました。
どうやら1,000ペセタくらい余計に支払ったようですが、命がけの運転?には感謝しなければなりません(笑)。

さて、マドリッド発のKLM便は目的地であるアムステルダムの悪天候のため出発が1時間以上遅れて出発しました。
機内でアテンダントに乗り継ぎでコペンハーゲンへ行くことを告げると

「大丈夫よ!地上と連絡を取ってあなたがその便に乗れるように待たせておくから!」とまるでウソみたいな返事。

アムステルダム到着後、次の便の搭乗口まで走ったのですが、既に予定の便は出発してしまっていました。
アテンダントの言葉はやっぱりその場しのぎのウソでした。

KLMの乗り継ぎカウンターで粘って交渉すること30分、やっと次の便を用意してくれました。
搭乗まで3時間以上ロビーで暇をつぶすはめに。

午後2時になって待望のコペンハーゲン行きの搭乗が始まりました。
搭乗し定刻になってもなかなかドアクローズしません。
何と、まだ搭乗していない乗客を待っているというのです。
その結果、定刻から1時間も遅れて離陸したのです。

コペンハーゲンに着いた頃には太陽も沈みすっかり暗くなっていました。
私がマドリッドから乗り継ぐときは待ってくれなかったのに、次の便では乗客を1時間も待つなんて!
不公平過ぎるKLMの対応に憤慨したいところでしたが、あまりの疲労でそんな元気もありません。

早朝から遅延や乗り継ぎで振り回されたおかげで心身ともに疲れ果て、コペンハーゲンの夜は何もできずに夢の中となってしまいました。

【1998年12月】