プラハのイタリア料理店

プラハのイタリアンレストランでのはなし。

ガイドブックに載っていたその店で1人で食事をしていると騒がしいグループが店に入ってきました。
イタリア人学生10人と先生のようです。
狭い店内には人数分の空席がなく学生たちは腹を立ててイタリア語で何やら怒鳴っていました。
そしてこちらに視線を向けながら「ジャッポーネ!」という言葉を口にしたのです。
口調から明らかに侮辱的な発言内容だとわかりました。
イタリア語がわかんねーと思って勝手なこと言ってんじゃねーぞコラァ!と内心で思いましたが、恐ろしくて何も行動できませんでした。
確かに私がいなければいくつかのテーブルに分散してでも全員が着席できそうですが、侮辱的な言葉を浴びせられたうえ食事を中断してまで席を譲るつもりはありませんでした。

引率の先生と思われる紳士が英語で
「私たちのことは気にせずゆっくり召し上がって下さい」
と声をかけてくれたのがせめてもの救いでした。
今となっては、そのレストランの場所も食べたメニューも味もまったく覚えていません。

【1998年3月】