グアムでタイヤ泥棒事件

(注) このページをご覧になる前に「グアムでジェットスキー事故」をお読みになってください。

実は、ジェットスキーのオーナーが恐縮している私達を励まそうと夜のドライブに誘ってくれました。
ホテルに迎えに来たオーナーの日産ダットサンに乗り込み、バーを2件ハシゴしました。
バドワイザーのスタイニーボトルが私は4ドル、友人は10ドル取られました。
値段の差を店員に聞くと日本人など外国人は10ドルで、現地人(チャモロ人)とアメリカ人は4ドルなのだそうです。
つまり私は現地人に見られたってこと?

3件目はディスコでした。
ワイルド・ワイルド・サーカスという当時グアムでは最先端の店で、店内にライオンが入った檻がありました。
仕事があるといって席を離れたオーナーは何とDJブースに立っていました。
彼はここの人気DJだったのです。
おまけに私たちにスポットライトを当てて派手に紹介する演出つき。
照れくさいのと気まずさでいっぱいでした。
とにかく眠くてホテルに戻りたいのですがオーナーのダットサンに乗ってきたのでホテルまで帰れません。
結局、閉店まで店内いるしかありませんでした。

閉店後、オーナーの車へ向かうとタイヤが2本盗まれていました。
無残にもコンクリートブロックがタイヤの代わりに挟まれていました。
私たちは満点の星空を見上げながらいつになったらホテルに帰れるのか絶句するしかありませんでした。
30分後、オーナーは両手で2本のタイヤを転がしながら笑顔で現れたのです。

オーナー 「盗られたら盗りかえすだけだ、何も問題はない。」

犯罪が犯罪を生み出しているとしか思えなかったのですが、とにかくホテルに帰れると思うと嬉しくてたまりませんでした。
ホテルのロビーに到着した頃には東の空が白々としていました。

【1991年12月】