1.はじめに

今回はA4+B4+C4=D4+E4+F4のパラメータ解について説明したいと思います。
結論から言うと、パラメータ解は無数に存在します。



2.定理
      
      a1,a2,c1,c2,c3,c4 は整数とする。

   A4+B4+C4=D4+E4+F4 のパラメータ解は無数に存在する。


     A=a1x+c1
        B=a2x+c2
        C=(a1+a2)x+c1+c2
        D=a1x+c3
        E=a2x+c4
        F=(a1+a2)x+c3+c4
  

   但し、下記の条件を満たすこと。

      条件
    
      c1=(a12c3+a12c4+2a1c4a2-a22c3)/(a22+a1a2+a12)
      c2=(a22c3+2a1c3a2+a22c4-a12c4)/(a22+a1a2+a12)
      c3,c4はc1,c2が整数になるように選ぶ。

     

証明

(a1x+c1)4+(a2x+c2)4+((a1+a2)x+c1+c2)4-(a1x+c3)4-(a2x+c4)4-((a1+a2)x+c3+c4)4

としてxの係数を0にするようにc1,c2,c3,c4を決定する。
展開して整理すると
  
x3の係数=(12a12a2+12a1a22+8a13+4a23)c1+(12a1a22+8a23+4a13+12a12a2)c2
        +(-12a1a22-12a12a2-8a13-4a23)c3+(-8a23-12a12a2-4a13-12a1a22)c4

x2の係数=(12a1a2+12a12+6a22)c12+(12a22+24a1a2+12a12)c2c1+(12a22+12a1a2+6a12)c22
        +(-12a12-12a1a2-6a22)c32+(-24a1a2-12a22-12a12)c4c3+(-12a1a2-12a22-6a12)c42

xの係数=(4a2+8a1)c13+(12a1+12a2)c2c12+(12a1+12a2)c22c1+(8a2+4a1)c23
       +(-4a2-8a1)c33+(-12a2-12a1)c4c32+(-12a2-12a1)c42c3+(-8a2-4a1)c43

定数項=-2c34+2c14+4c13c2+6c12c22-4c3c43-4c33c4-2c44-6c32c42+2c24+4c1c23


c1,c2について連立方程式を解くと、次の様になります。

c1=(a12c3+a12c4+2a1c4a2-a22c3)/(a22+a1a2+a12)
c2=(a22c3+2a1c3a2+a22c4-a12c4)/(a22+a1a2+a12)

a1,a2,c3,c4を適当に与えてやれば、c1,c2は整数になるのでパラメータ解は無数に存在することになります。

 
                  
       
3.調査結果

解は無数にあるのでいくらでも作れますが、係数が小さいものをいくつか示します。


(2x+7)4+x4+(3x+7)4=(2x+3)4+(x+5)4+(3x+8)4

(3x+26)4+x4+(4x+26)4=(3x+16)4+(x+14)4+(4x+30)4

(3x+11)4+(2x+1)4+(5x+12)4=(3x+4)4+(2x+9)4+(5x+13)4
                    
(4x+63)4+x4+(5x+63)4=(4x+45)4+(x+27)4+(5x+72)4

(4x+15)4+(3x+2)4+(7x+17)4=(4x+5)4+(3x+13)4+(7x+18)4

(5x+61)4+(2x+1)4+(7x+62)4=(5x+34)4+(2x+37)4+(7x+71)4

(6x+215)4+x4+(7x+215)4=(6x+175)4+(x+65)4+(7x+240)4


ここでx=x+αと置換すれば異なる式が得られますがそれは同値な式と考えて、x=0のときに(c1,c2,c3,c4)が
最小の正の値をとるように決めました。




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