1.はじめに

前回の調査をしている中で奇妙な事に気がつきました。
それは、(2x2+24x-24)4+(2x2-24x-24)4+(4x2-48)4+(4x2+48)4+(3x2+36)4 =(5x2+60)4 のような
a1=2,a2=2の恒等式が或る条件の下で常に作られるようなのです。
注意して調べてみると、驚くことに無数に作られる事が解かりました。



2.定理
      
      x,y,z,w,s,t は整数とする。

   x4+y4+z4+w4+s4=t4 のパラメータ解は無数に存在する。

     x=(a1x2+b1x-c1)
        y=(a1x2-b1x-c1)
        z=(2a1x2-2c1)
        w=(2a1x2+2c1)
        s=(a2x2+c2)
        t=((a1+a2)x2+(c1+c2))
  

   但し、下記の条件を満たすこと。

      条件

      a1,a2,b1,c1,c2は整数とする。
      a1,c1は偶数とする。
      a2=3a1/2
      c2=3c1/2
      b12=12a1c1
      



証明
  
(a1x2+b1x-c1)4+(a1x2-b1x-c1)4+(2a1x2-2c1)4+(2a1x2+2c1)4+(a2x2+c2)4=((a1+a2)x2+(c1+c2))4 
としてxの係数を0にするようにa1,a2,b1,c1,c2を決定する。
展開して整理すると
  
(-4a1a23-4a13a2+33a14-6a12a22)x8
+(-4a13c2-12a12a2c2-12a1a22c1-12a12a2c1-12*a1a22c2-4a23c1+12a12b12-12a1^3c1)x6
+(2b14-12a1a2c12-12a1a2c22-6a22c12-12a12c1c2-24a1b12c1+198a12c12-12a2^2c1c2-24a1a2c1c2-6a12c22)x4
+(-12a1c1c22-12a2c1c22-12a1c13+12b12c12-12a2c12c2-4a2c13-12a1c12c2-4a1c23)x2
-6c12c22-4c1c23+33c14-4c13c2

まずx8の係数-4a1a23-4a13a2+33a14-6a12a22=a1(-2a2+3a1)(2a22+6a1a2+11a12)
からa2=3a1/2となる。
定数の項から、c2も同様にc2=3c1/2となる。
同時にa1,c1は偶数でなければならない事がわかる。

次にx6の係数はa2=3a1/2,c2=3c1/2を代入すると,-144a13c1+12a12b12=-12a12(12a1c1-b12)
となってb12=12a1c1でなければならない。
x4,x2の係数もx6と同様である。

これで全ての係数を0にする事ができたので、パラメータ解が存在することがわかります。
また、b12=12a1c1を満たすa1,c1は無数に選ぶことが出来るから、パラメータ解が無数に存在する事が
証明できたことになります。

 
                  
       
3.調査結果

解は無数にあるのでいくらでも作れますが、係数が小さいものをいくつか示します。



(2x2+36x-54)4+(2x2-36x-54)4+(4x2-108)4+(4x2+108)4+(3x2+81)4=(5x2+135)4

(2x2+48x-96)4+(2x2-48x-96)4+(4x2-192)4+(4x2+192)4+(3x2+144)4=(5x2+240)4
 
(2x2+72x-216)4+(2x2-72x-216)4+(4x2-432)4+(4x2+432)4+(3x2+324)4=(5x2+540)4

(2x2+96x-384)4+(2x2-96x-384)4+(4x2-768)4+(4x2+768)4+(3x2+576)4=(5x2+960)4

(2x2+108x-486)4+(2x2-108x-486)4+(4x2-972)4+(4x2+972)4+(3x2+729)4=(5x2+1215)4

(6x2+96x-128)4+(6x2-96x-128)4+(12x2-256)4+(12x2+256)4+(9x2+192)4=(15x2+320)4

(6x2+192x-512)4+(6x2-192x-512)4+(12x2-1024)4+(12x2+1024)4+(9x2+768)4=(15x2+1280)4

                    




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