プロフィール  

加藤由美子(作曲家、ピアニスト)

東京芸術大学音楽学部作曲科卒業、北村明、南弘明、小林秀雄の各氏へ師事。
童謡作曲コンクール優秀賞、日本歌曲振興会「新・波の会」日本歌曲コンクール
第8.9,11回の作曲部門で優秀賞、子守唄コンクール優秀賞等、入賞多数。、映画
音楽では「八重ちゃんのフライパン日記」(文部大臣賞)、世界の民話シリーズ
等、オペラには「木霊」、「笠地蔵」、「姥捨山」、「田舎のねずみと都会のね
ずみ」、「北風と太陽」、さらに1997年韮山時代劇場開館記念公演にて発表した
「頼朝」等があり、他に芝居の音楽やテレビドラマのピアノ指導や演奏も手がけて
いる。現在、NHKテレビおよびラジオ体操のピアニストとしても活躍中。
日本作曲家協議会、日本童謡協会、日本女性作曲家連盟、日本歌曲振興会
「新・波の会」会員


◆マンドリンオーケストラのための組曲「湘南」(加藤由美子作曲)
湘南の光に注目して朝、昼、夜の湘南を表現した。1998年作。
第1曲「朝焼けの海」すがすがしい春の海面にキラキラと輝く光、ゆったりと静かでさわやかな朝。
第2曲「照りつける太陽」:真夏の日中のギラギラと躍動的な光。元気の良いリズムで(江ノ島あたり)。
第3曲「夕日に染まる丘」:小高い丘をオレンジ色に染める穏やかな秋の光。小津安二郎の映画の
シーンのようなあたたかい光(鎌倉あたり)。
第4曲「夜の海岸通り」:太陽が沈んだ後も、若者の街は未だ眠りません。月の光、灯台の日会、漁火、...。さまざまな光がありますが、何といっても海岸線を縁取る車の光が最も湘南らしい光です。湘南バイパスの光がきれいに縁取っていてときどきクラクションの音がしたり、昼を思わせる光があったり...。

◆マンドリンオーケストラのための「風のソナタ」(加藤由美子作曲)
♪加藤由美子:マンドリン・オーケストラの為の「風のソナタ」[委嘱作品初演]
加藤由美子さんはプロフィールでご紹介の通り、主に歌曲やオペラの分野で活躍されていますが、ご縁があって私どものためにマンドリン合奏曲を書いてくださいました。今回は「ソナタ形式の楽曲を含む作品」を依頼したのですが、ご本人は厳格なソナタ形式にこだわらずに書いてくださいました。しかし、この形式の枠組みは崩れていません。曲は3つの楽章から成っており、それぞれに様々な「風」のイメージが描かれています。特に第3楽章には作曲者の好む5拍子の楽句が挿入され、気ままな風を思わせる展開は興味深いと思います。(第19回定演プログラムより)
2002年作。マーレ第19回定期演奏会で初演。
第1楽章「Andantino」(各パートが風を表現するメロディーから始まる)
第2楽章「Andante-Moderato-Andante」(初夏から夏に向かうゆったりとした風の趣忙しくなく動く中間部を経てメインテーマで終わる。メロディーがとてもきれい。)
第3楽章「Allegretto」(16分音符の軽快な動きがくるくる回る風車?はたまたつむじ風か)