5: 地元の番組
まず目に入るのは、道内(北海道内)の天気予報。ここで、ある重大なことに気付いた。なんと北海道では、雪に2種類の絵があるのだ。
ひとつは普通の「雪」。雪ダルマの絵だ。
もう一つは「吹雪」。風の中で雪ダルマが30度ほど傾いており、口の形が8次曲線(つまりはギザギザ)になっている絵だ。
東京では、傾いた雪ダルマという絵は出てこないはずだ。これを見ただけでも、北海道に来た価値が充分にあり、航空運賃のもとが取れたと胸を張って言うことができる瞬間だろう(嘘)
ちなみに、次の日は真冬並みの寒気が入り、稚内での最低気温−9度、最高気温−8度ということであった。ちなみに、当然雪ダルマは傾いていた。
CMは、北海道ローカルなものはあったが、稚内ローカル、というものはなく、旭川ローカルなものしか無かった。
そして、マイ・ブームの「地元番組」。夜はK−1をやっていたので、そっちを見てしまったが、夕方は地元番組の鑑賞にあてる。
この日は「釣り」の番組。私は釣りは1度しか経験が無いが、けっこう面白かった。
女子アナ1人に、「名人」2人という設定。今週(?)は、ホッケを釣るというコンセプトらしい。
女子アナは分かる。しかし、この「名人」という二人、どうみても普通のオッサンにしか見えない。
まず「名人」たる風格が無い。しかも、変なギャグを飛ばして笑ってばかりいる。でも、こいつら(笑)のおかげで、釣り番組にしては進行が面白い。そして、ホッケ釣り@神恵内(<どこだよそれ)。
女子アナが最初にホッケを釣り上げる。しかし、「名人」、一向に釣り上げないばかりか、何度も糸をひっかける始末。そして、ついに「名人」は、2人で1匹という結果だけでなく、二人とも開始10分で糸が切れて、あえなくゲームオーバーとなったのである。
女子アナは女子アナで、「針がついてて良かった〜」と低レベルな喜びを表現したり(わざとではあるが)、名人同士が互いの釣り竿に引っ掛けあったりと、笑える内容だった。
最後に、地元の店へ魚(ホッケ2匹)を持参し、調理してもらう。当然、一人あたりの分け前は少ない。という内容で幕を閉じた。
これで、航空運賃だけでなく、翌日のJRの運賃分のもとを取った。
6: タイトル思いつかないほど平凡な生活
夕食は鉄板焼を食べたかったが、ホテルのやつは宿泊者割引でも4,000円だったため、一時は断念した。そんな高い金を払って一人で食事したことはない。
しかし、周りにパッとした店がどうしても無かった。単なるそば・うどんだったり。というわけで、外は吹雪模様だし、仕方なく高い鉄板焼とした。客は、2人であった。
窓越しに、稚内の風景が見える。稚内の風景はというと、すぐ向こうは丘になっている。そして、風車が一台だけ、クルクルと回っている。風が強い土地での風車はたしかに使える。ただ、風があってもなくても同じ速さで回っているのはどういうわけか。
夕飯後は、風呂に入って、その後前述の通りK−1を見た。そして寝た。部屋の温度は21度に設定しておいた。なぜなら、外気温との差を30度(外気温−9度)にしたかったからである。
7: 稚内から札幌へ(JR)
寝たのは午前2時になってしまったが、ありとあらゆるアラーム総計4個を集結させ、私を朝の6時20分に起床させることに見事、成功した。寝坊すると、6時間以上もの間、特急が来ない。
チェックアウト、午前7時。特急の稚内出発は7時半。駅から歩いて5分のところにあるホテルだが、念には念を入れての早い出発。
この判断は正しかった。ホテルを出ると、−9度の猛烈な吹雪であり、視界が20mくらいであった。そして、無意識のうちに、吹雪の方向へ歩き始めてしまったので、道を間違えた。吹雪と逆に歩き、なんとかたどり着くも、昨日からの雪でどこが歩道だかも分からない。雪の下のガードレールを踏みそうにもなった。
駅まで結局15分ほどかかる。そして、45%割引の [Young Go-Go Club] カードを一年ぶりに使い、稚内発の「スーパー宗谷」に乗った。
↑ 稚内駅のホームに入る。2000年度の全日本芸術写真賞の大賞を頂く(嘘)。
↑ 稚内駅の駅表示板。これでもホームの屋根の中である。
5分ほどして、南稚内に着く。そこで客を少し乗せて再び出発する。なお、ここから3時間近くの間、主だった都市がない。
吹雪の中を列車が走る。おそらく、列車が通ったあとは数時間、この土地には静かな時間が流れることであろう。それくらい、本数が少ない。
しかし、たまに停まる駅では、どこから集まったのか、そこそこの人が旭川・札幌を目指して乗り込む。ただ、降りる人はいまだ皆無である。
列車が幌延を過ぎたあたりで、稚内駅構内ホームの立ち売りから買った弁当を食べるが、これが失敗だった。弁当の半分以上をゴハンが占め、どこにでもあるようなホッカホッカ弁当のようなものだった。
スーパー宗谷には車内販売があり、ちゃんとした(笑)駅弁も売っているので、あまり駅のホームでは買わないほうがいいかもしれない。
まあ、ホタテがあったのと、稚内製造であったのが救いか。
午前10時20分、名寄(ナヨロ)という駅に着く。ひさびさの都市である。ここで、大勢乗ってきた。そして、ここから列車のスピードが上がった。吹雪は落ち着いてきた。
しかし、その後10時45分、和寒(ワッサム)という駅に着いたときには再び吹雪となり、駅名が書かれた表示板が雪で埋もれていた。いかにも「和寒」といった感じであった。
午前11時10分、旭川に到着。ここで乗客の半分が降りる。旭川は晴れていた。
12時になり、岩見沢に到着。この頃、また吹雪が激しくなる。そのため列車は徐行運転に。そして、前日に全焼してしまった駅舎の一部が残っていた。大丈夫なのだろうか。
12時半、終点札幌到着する。ここでは晴れていた。
しかし、なんなんだこの天気は。筋状の雲というのが冬型の気圧配置の典型例であるが、筋のところが吹雪であり、そうでないところでは晴れているようだ。それにしても、吹雪なんてのは初めてだった。昨日のホテル代と、お土産代の一部、そして稚内で買ったカメラ代の元を取った。
札幌に着いて、地下鉄ですすきのへ出る。ガイドブックに載っていたラーメン屋へ行こうと思ったが、見つからない。というより「無い」。なぜだ。最新版ガイドブックだというのに・・・
しかも、すすきののかなり裏通りにあるので、昼間でも客引きが若干いる。治安が悪そうだったので、とにかく表通りへ戻り、仕方なく「ラーメン横丁」の、客の少ないラーメン屋で食べることにした。
客の少ない、というか平日の昼間、ただでさえ客の少ないところだが、食べてみる。味は「?」であった。まあそんなもんだよね。
しかし、私が札幌でやったことと言えば、これだけである。あとは札幌駅に戻って、JRで新千歳空港駅へ。着いたのは午後3時。
自分の持っている航空券は、21時発の「JAL前売り21切符」。この時期だと、9,900円で羽田までいくことができる。そのうえ、予約した便より前の便に空席があれば、そっちに変更ができるというもの。(全日空のバーゲン運賃では、この変更ができない。)
この日はサークルの臨時総会があるため、早い便で帰れば間に合うかもしれない。そんなわけで、午後3時50分の便を取る。幸い、窓側に空席があった。(羽にかかる部分と、スッチーとの対面席しかない、と言われたので羽のほうを取る)
そのため、空港に着いてからの30分は大忙しとなった。サークル大代表のA-V氏(謎)に電話をし、サークル会員向けにロイズのホワイトチョコレートを買い、家への土産物を買い、3時35分に搭乗口へ入る。
そして、北海道を後にする。吹雪の予報ではあったが、ちょうど晴れている時を見計らって乗ったので、ほとんど揺れはなかった。
飛行機の中では、臨時総会で議論される事柄を再度確認。実に真面目だ。
そして羽田に着き、東横線で日吉へ。稚内の吹雪の中を歩いているのと同じ日に、東横線に乗っている自分が信じられなかった(謎)
これにより、残りの費用のもとを全て取り、なおかつ5,000円のお釣りが来た。
以上です。毎度の愛読に感謝します。