ジメトエート dimethoate
 
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農薬の種類
 
● 有機燐系殺虫剤
 
● メルカプタンあるいは樟脳のような臭いがするといわれる [1]。
 
 
別名・商品
 
● dimethyl S-(N-methylcarbamaoylmethyl)phosphorodithioate
 
● チェクトエート Cekuthoate 、チミゴール40 Chimigor 40、サイゴン400 Cygon 400、デイフェン Daphene、デフェンド De-Fend、デモスNF Demos NF、デバイゴン Devigon、ダイキャップ Dicap、ダイメート267 Dimate 267、ダイメット Dimet、ダイメトエートテク95% Dimethoat Tech 95%、ダイメトップゲン Dimethopgen、フェンケチオン Ferkethion、フォスチオンMM Fostion MM、パーフェクチオン Perfekthion、ロゴダン Rogodan、ロゴダイアル Rogodial、ロゴール Rogor、ロキシオン Roxion、セビゴール Sevigor、 トリメーションTrimetionがある[2]。
 
● 単剤としては、水和剤、乳剤、粒剤がある。その他に、フェンバレレートやDDVP、EPN、NAC、PAPなどの他の薬剤と組み合わせたものもある。
 
 
毒性
 
● 劇物(毒物及び劇物取締法別表第2)、魚毒性 B
 
● 人間の経口致死量は 50-500 mg/kgと推定されている [1]。
 
● 高い環境温度やジメトエートの可視光あるいは紫外線への被ばくはその毒性を高める [2]。
 
● 動物の致死量
動物 投与経路 LD50 (mg/kg) 備考
ラット雌 経口 240-336 mg/kg 工業品,[1]
ラット 経口 500-680 mg/kg [1]
ラット 経皮 > 800 mg/kg [1]
マウス 皮下 60 mg/kg 工業品、[1]
マウス雌 経口 60 mg/kg 工業品、[1]
ウサギ 経口 300 mg/kg 工業品、[1]
ウサギ 経口 400-500 mg/kg [1]
テンジクネズミ 経口 350-400 mg/kg 工業品、[1]
テンジクネズミ 経口 600 mg/kg [1]
テンジクネズミ 経皮 > 1000 mg/kg [1]
 
 
 
急性中毒
 
● ジメトエート中毒症状は他の有機燐殺虫剤と似ているが、臨床像はずっと遅れて現れる [1]。
 
● 経口や吸入・皮膚吸収によって中程度に有毒である [2]。
 
● ラットの急性経口LD50は工業製品で180から330 mg/kgの範囲である。28から30 mg/kgの低い経口LD50が報告されているが、現在の製品の毒性を余り反映していないと一部の人は見なしている [2]。
 
● ほかの種の経口LD50値は、マウスで160 mg/kg、ウサギで400-500 mg/kgである。テンジクネズミで、経口毒性は試薬等級で550から600 mg/kgと報告されているが、工業等級は350から400 mg/kgと毒性が強い。この毒性の増加は工業製品中に最初に存在した不純物によるのか、時間の経過による分解で生じたものによるのか明らかでない [2]。
 
● 吸入経路を通じて、報告されている4時間LC50は 2.0 mg/Lより大きく、わずかな毒性を示している [2]。
 
● ジメトエートの経皮LD50値は100から600 mg/kgである [2]。
 
● 急性被ばく症状:急性被ばくの影響は有機燐に典型的なものである。有機燐あるいはコリンエステラーゼ阻害化合物に対する急性被ばく症状には次のものがある。
 
○ しびれ、ひりひりする感覚、(体の)協調不能、頭痛、めまい、震え、吐き気、腹部のけいれん、発汗、ぼんやりした視覚、呼吸困難、呼吸抑制、遅い心拍 [2]。
 
○ 非常に高い量では意識消失や失禁、けいれん、死亡を招く [2]。
 
○ 呼吸疾患のある人や最近コリンエステラーゼ阻害剤に対する被ばくした人、コリンエステラーゼ生産が損なわれている人、あるいは肝機能不全の人は、ジメトエート被ばくによる危険が増加する [2]。
 
● ジメトエートは実験動物で皮膚と眼を刺激しないという [2]。重度の眼刺激がジメトエートを製造している労働者で起こっているが、このことは不純物によるのかもしれない [2]。
 
● 多臓器不全:自殺目的でジメトエートを飲んで多臓器不全になった例がある。この68才男性は一時的に改善を見たが、成人型呼吸障害症候群と急性腎不全のために次第に悪化した。この患者は心原性肺水腫と尿細管壊死が発生したことが検査で分かった。様々な治療が施されたが入院12日で死亡した。剖検で呼吸障害症候群と急性尿細管壊死が確認された [3]。
 
● 中間症候群*:ジメトエートは中間症候群を起こすことがある。ジメトエート中毒女性にやや重いコリン作動性の発作が起こったが、アトロピンによって容易に治療できた。中毒兆候がなかったほぼ2日間後、突然命にかかわる呼吸麻痺を起こし、顔面筋や外眼筋、首の屈筋、四肢の近位筋の脱力が現れた。ムスカリン性兆候はなかった。この場合、コリンエステラーゼ阻害は強かった。この臨床経過は中間症候群と一致する。この症状は持続的なコリンエステラーゼ阻害によるもので、神経筋伝達のシナプス前とシナプス後の両方の障害を起こすと思われる [4]。
 
 
慢性毒性
 
● 有機燐に対するくり返しあるいは長期被ばくは、急性被ばくと同じ影響を招くだろう。くり返し被ばくした労働者で報告されたその他の影響には、記憶と集中の障害や方向感覚喪失、重度の抑うつ、易興奮性、錯乱、頭痛、会話困難、反応時間の遅れ、悪夢、夢遊病、嗜眠あるいは不眠がある。頭痛と吐き気、食欲喪失、けん怠を伴うインフルエンザ様症状も報告されている [2]。
 
● 21日間18 mg (0.26 mg/kg/日)のジメトエートを飲んだ成人男性でコリンエステラーゼ阻害はなかった。 有毒な影響とコリンエステラーゼ阻害は、4週間2.5 mg/日 (約0.04 mg/kg/日)を飲んだ人で観察されなかった。5、15、30、45、60 mg/kg/日を57日間経口投与された人間の研究で、コリンエステラーゼ阻害は30 mg/kg以上のグループでのみ観察された [2]。
 
 
器官毒性
 
● 神経系への影響
 
 
○ ジメトエート中毒9日後に死亡した患者では異常な中枢神経障害が見られた。病理学所見はウエルニッケ脳症*に類似し、重度の脳室*壁の出血性壊死が見られた。報告者によると、脳内アセチルコリンレベルの上昇がウエルニッケ脳症チアミン欠乏を招いたという [1]。
 
○ ジメトエートと重金属の鉛は、神経系に対する影響を強めあうことが知られている。妊娠5-15日及び授乳2-28日の間親ラットに、あるいは妊娠5-28日及び授乳2-28日の親ラットと離乳後8週間子ラットに、鉛 (80.0 又は320.0 mg/kg)、ジメトエート(7.0 又は 28.0 mg/kg)、又はその組合せを投与した。子ラットの電気生理学的検査を12週令で行った。この結果、皮質脳波の有意な平均振幅の減少と頻度の増加、体制感覚や視覚・聴覚誘発電位の潜時と持続期間の延長がみられ、鉛やジメトエートを別々に投与した群より、両方を投与した群でより顕著であった。この結果は出生前後に鉛とジメトエートのような神経毒物に被ばくすると、中枢神経系の機能を大きく変えることを示している [8]。
 
○ 行動への影響:ジメトエートは動物の行動に障害を与える。ジメトエートの行動とコリンエステラーゼへの影響をモリアカネズミで調べた実験では、投与短時間後、活発さが低下し、毛づくろいや立ち上がり、臭いかぎの減少が特徴であった薬量依存性の行動抑制があった。行動障害は投与6時間後に完全に消失した。高い2つの投与量で、常動的で脅迫的な毛づくろいが投与30分後に見られた。ジメトエート被ばく後脳と血清中の薬量依存性のChE活性低下が見られた。行動障害は65-75%(脳)と75-85%(血清)のChE阻害と最大レベルと関連していた。ChE活性の回復は行動障害の回復より遅れ、投与後3-6時間後に始まった [9]。
 
○ 学習への影響:24.75 又は 49.5 mg/kg (LD50の1/10又は1/5th)のジメトエートを投与すると、学習と記憶保持に障害が現れる [12]。
 
○ 多世代投与の影響:多世代に渡ってジメトエートを投与し、神経系や行動への影響を調べた研究がある。ラットに 7.0, 10.5, 14.0, 28.0 mg/kg (LD50の1/100、1/75、1/50、1/25)のジメトエートを妊娠中と授乳中、成熟時期を通じ、三世代に渡って投与し、脳波の変化を追跡した研究がある。脳波の測定は12-13週例に行った。投与したラットの全般的な脳は活動は対照より大きくなった。平均周波数は高くなり、振幅は減少した。これらの影響は第三世代で最も顕著になった [10]。同様にラットにジメトエートを三世代投与して体性感覚や視覚、聴覚によって誘発される電位を調べた研究があるが、この場合、世代間でジメトエートの影響に差はなかった [11]。
 
 
 自律神経系への影響
 
○ スデック症候群*は、手足の疼痛や皮膚の浮腫、骨の脱灰、血管運動の不安定などを示す病気である。一般に外傷や関節炎の後に現れるといわれる。トルコのオンドクズマイイス大学のサヒンらのグループは、ジメトエート中毒後にスデック症候群が現れた患者を報告している [12]。
 
 
● 腎臓への影響
 
○ 発癌実験の過程で雄ラットに慢性腎疾患が見られた [7]。
 
● 眼への影響
 
○ 眼を刺激する [1]。
 
● 皮膚への影響
 
○ ジメトエートは接触性皮膚炎を起こすことがある [1,13]。
 
 
● 生殖器官への影響
 
○ 精巣の毒性が認められている。ラットに65日間6.25又は12.5 mg/kgのジメトエートを経口投与した。ジメトエート投与により、ほとんどの生殖器官の重量と精子の運動性の低下が見られ、死んでいる精子と形態的に異常な精子の割合が増加した。血漿中テストステロンレベルの減少も起こす。組織検査によって、ジメトエートは精原細胞の変性と精子形性が部分的に止まっていることが分かった。肝臓では中心静脈と類洞が弛緩し、出血も見つかった。ジメトエートは肝臓と精巣で最も高い濃度で検出され、筋肉では最も少なかった。投与終了後、ジメトエートと代謝物は21日後でもいぜんとして存在するという [14]。
 
○ 発癌実験の過程で雄ラットに精巣の萎縮が見られた [7]。
 
 
● 生殖への影響
 
○ 飲料水に溶かして9.5から10.5 mg/kg/日のジメトエートをマウスに投与すると、繁殖や子の生存、生き残った子の成長率が低下した。子の研究で成熟したマウスは体重増加の減少を示したが、生存は影響を受けなかった。マウスでの三世代研究で、2.5 mg/kg/日は生殖成績あるいは子の生存を低下させなかった [2]。
 
○ いったん血流に入ると、ジメトエートは胎盤を通過する[2]。
 
 
● 甲状腺(ホルモン)への影響:ジメトエートは血中甲状腺ホルモン濃度に影響を与える。ジメトエート連日投与 (2、 4、8 mg/kg、30日間)による甲状腺機能への影響をマウスで調べた。血清トリヨードサイロニン (T3) 濃度は有意に減少したが、血清チロキシン (T4) は中と高投与群で増加した。しかし、血清の甲状腺刺激ホルモンは変化しなかった。肝臓のtype-I iodothyronine 5'-monodeiodinase (5'-D)活性は減少していた。これらの観察はジメトエートが引き起こす甲状腺機能の変化は下垂体甲状腺軸を通じるのではなく、T4からT3への甲状腺以外での転換の変化を通じることを示す [15]。
 
 
 
● 上皮小体(副甲状腺)への影響: 発癌実験の過程で雄ラットに副甲状腺過形性が見られた [7]。
 
 
● 循環器系への影響
 
○ 発癌実験の過程で雄ラットに多発性動脈炎が見られた [7]。
 
○ 一般に有機燐殺虫剤はアセチルコリンエステラーゼ阻害作用によって、生物に影響すると考えられている。テンジクネズミに致死量ジメトエートを投与した場合心不全が起こるが、この場合は心筋への直接作用によると考えられている [16]。
 
 
● 催奇的影響:ジメトエートにはネコとラットで催奇性がある [2]。
 
○ ネコに妊娠14日から22日に毎日12 mg/kg/日の市販ジメトエート製剤を投与し、妊娠43日に検査した。12 mg/kg投与で39胎児中8胎児で正常より指が多かった [5]。
 
○ 妊娠したラットに投与した同じ量は骨形性に関連する先天異常と、体が小さいこと、膀胱の機能不全を生じた [2]。
 
○ ジメトエートはマウスで催奇性を示さない [6]。
 
 
 
変異原性ジメトエートの変異原を否定する一部の研究があるが、多くの実験系や人間の研究でジメトエートの変異原性が認められている。
 
● 人間での影響
 
○ ジメトエート中毒後に死亡した患者 2 人で染色体異常が増加していることが知られている [1]。
 
○ ジメトエート製造工場の事故で空中ジメトエートに被ばくした消防士に中毒症状が現れた。事故の2か月後に20人の末梢リンパ球を調べた結果、姉妹染色分体交換頻度が有意に増加していた。消防士がジメトエート以外に、何に被ばくしたかは不明である [1]。
 
● 人間の培養細胞での変異原性
 
○ 人間の培養線維芽細胞で不定期DNA合成が陽性であった [1]。
 
○ 培養した人間のリンパ球にジメトエートを作用させると、姉妹染色分体交換頻度が有意に増加することが報告されている [1]。
 
 動物実験での変異原性
 
○ ジメトエート被ばくによる変異的影響がマウスで見られた。影響は大量のジメトエートを1回投与した雄マウスで、同じ量の1/12を毎日30日間投与したマウスより顕著であった[2]。
 
○ 雄ラットに28.2、14.1、7.04 mg/kgのジメトエートを28日間投与して遺伝及び免疫への影響を調べた。最も高い量で肝臓や腎臓・精巣重量、白血球数、大腿骨髄の細胞含量が増加した。最も高い量で遅延型過敏性反応が減少した。免疫機能に変化を与えるより少ない投与量で染色体数の異常を引き起こした [17]。
 
○ ジメトエートを四世代投与して骨髄細胞の染色体に対する影響を調べた。雌雄のラットに週5回、LD50の1/100、1/75、1/50を投与し、最初の世代では投与した雄ラット10匹の染色体標本を作製した。以後の世代では各世代40匹の雄ラットの染色体標本を作製した。第一世代および第二世代の数的染色体異常は有意に増加したが、第二世代と第三世代では対照と比較して有意さは見られなかった [20]。
 
○ ジメトエートをマウスに60 mg/kg腹腔投与し、骨髄細胞で変異原性をを調べた。48時間後、異常な細胞が増加し、染色分体の異常が増加した[1]。
 
○ ジメトエートはショウジョウバエで変異原性を示す[18]。
 
○ ジメトエートの遺伝毒性を、タマネギの根端細胞で有糸分裂を、マウスで染色体異常と減数分裂を、ショウジョウバイで致死突然変異を調べた。この結果、ジメトエートは有糸分裂と減数分裂を阻害し、染色体異常率を増加させ、致死突然変異を起こすことが分かった。ジメトエートの遺伝毒性の一部はビタミンCによって緩和されるという [21]。
 
● 細菌での変異原性
 
○ サルモネラで代謝活性化をしてもジメトエートには変異原性は検出されないという 報告[19]があるが、ジメトエート(工業品)は弱い変異原性をエームス試験(サルモネラを使う方法)で示すと報告されている [1]。
 
○ ジメトエートは大腸菌で変異原性を示す [1]。
 
 
発癌性
ジメトエートに発癌性はないとする研究があるが、発癌性があるとする研究もある [1]。
 
● ラットでジメトエートの発癌性は高い。米ガン研究所の研究でジメトエートを多量及び少量投与した場合、全部位の新生物が増加した。悪性新生物には癌腫と肉腫であった。雌雄で内分泌器官の癌が増加し、副腎と甲状腺、下垂体に見られた。また雌雄の肝臓と雌の生殖器官でも癌が見られた。単核急性の白血病も雌雄で発生した。別の系統のラットにジメトエートを経口または筋肉内に投与した場合、主に肉腫を中心とする新生物と顆粒球性の白血病が発生する [7]。
 
● ラットにジメトエートを経口投与した実験で、悪性腫瘍が有意に増加し、肝臓の肉腫や悪性細網症、脾臓の肉腫が見られた。筋肉注射した場合には脾臓の肉腫、軟部組織肉腫、卵巣肉腫、細網細胞肉腫、肝臓肉腫が見られた。対照としたラットには発癌は見られていない [1]。
 
● 雌雄のマウスにジメトエートを皮膚から投与すると、悪性新生物と顆粒球性白血病が発生した [7]。
 
 
 
吸収、代謝、排泄
 
● ジメトエートは体内で酸化され、ジメトオクソンになる。これはジメトエートより100倍強く脳のアセチルコリンエステラーゼを阻害し、ほ乳類の注毒で重要な役割を果たす [1]。
 
● ジメトエートは哺乳類によって急速に代謝される。投与量の約50から60%は尿と呼気、糞の中に24時間以内に出される。人間のボランティアは24時間以内に投与されたジメトエートの76から100%を排泄した。代謝と排泄速度は試験したいくつかの種で異なる。試験した数種の哺乳類で、ジメトエートは高い肝臓体重比と高いジメトエート代謝割合を持つ動物で毒性が少ないと思われる。牛の背中に30 mg/kgのジメトエート使用後、約3時間後に血液と牛乳中で最大レベルの0.02 ppmに達し、9時間以内に0.01 ppmに減少した [2]。
 
 
生態影響
 
● 鳥類への影響:ジメトエートは鳥類に中から高度に有毒である [1,2]。ニホンウズラの5日間経口LC50は341 ppmである。ほかの鳥類でも非常に有毒であるだろう。報告された急性LD50値はマガモで41.7から63.5 mg/kg、キジで20.0 mg/kgである。鳥類はほ乳動物のように急速にジメトエートを代謝できず、これらの種での相対的に高い毒性の理由である[2]。
 
● 水生生物への影響:. ジメトエートは、魚類に対して中程度に有毒で、報告されたLC50値はニジマスで6.2 mg/L、ブルーギルで6.0 mg/Lである。カワゲラとヨコエビのような水生無脊椎動物でより有毒である [2]。
 
● その他の生物への影響:ジメトエートはミツバチに非常に有毒である。ハチでジメトエートの局部的24時間LD50は一匹につき0.12μgである [2]。
 
 
環境での動き
 
● 土壌と地下水中での分解
 
○ジメトエートは土壌環境中で残留性が低い。土壌半減期は4-16日、あるいは122日の高さも報告されているが、代表的な値は20日程度と思われる。土壌微生物により急速に分解されるため、湿った土壌中でより速く分解される [2]。
 
○ ジメトエートは水に非常に溶けやすく、土壌粒子への吸着は非常に弱いで、浸出しやすい [2]。
 
○ アルカリ性土壌中で加水分解により分解し、乾燥した土壌表面から蒸発する。使用したジメトエートが蒸発により23から40%が失われることが報告されている [2]。
 
○ 生物分解は重要で、2週間後殺菌していない粘土ローム土壌中で77%が失われると報告されている[2]。
 
 
● 水中での分解
 
○ 水中で、ジメトエートは堆積物あるいは浮遊している粒子に吸収されず、水生生物中に生物濃縮しないと思われる [2]。
 
○ 加水分解を受け、特にアルカリ性の水中で大きく受けやすい。生の河川水中でジメトエートの半減期は8日で、消失は恐らく微生物の作用あるいは化学分解による [2]。
 
 
 
参考文献
 
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2. Extension Toxicology Network, Pesticide Information Profiles, Dimethoate (1996).
 
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     渡部和男 メール