ジエノクロル
 
有機塩素系殺虫剤、殺ダニ剤
 
別名・商品名
 
Dienochlor, ペンタック水和剤、 Pentac WP、Pentac Aquaflow.、その他混合剤に含まれる。
decachlorobis(2,4-cyclopentadien-1-yl)
 
 
はじめに
 
ダニ駆除につかわれるジエノクロルはペンタックなどの商品名で知られている。この物質の人間の健康ならびに環境への影響に関して公表された論文は非常に少ない。公表された情報が少ないことは安全であることを意味しない。このページではExtension Toxicology Network, Pesticide Information Profileのdenochlorの要約を中心に紹介する。
 
 
毒性
 
急性毒性
 
・経口致死量(LD50) 3,160 mg/kgより大
・吸入毒性は非常に高い。
・皮膚吸収ではごくわずかに有毒
・皮膚刺激はない。
・感作性はない
・眼に弱い刺激
 
被ばく症状は他の有機塩素系化合物に類似し、新鮮やけいれん・神経過敏などの中枢神経系刺激や呼吸が遅くなること・おう吐・下痢などがある。
 
慢性毒性
 
ラットとマウスで3か月間投与実験が報告されている。
 
・ラットで無作用量は 6.3 mg/kg/;日であった。この投与量以上では体重増加減少が見られた。
・マウスで無作用量は 16 mg/kg/日であった。64 mg/kg/日の投与量では、死亡率の増加及び活動低下・背をまるめた歩行・体重増加減少・血液と尿検査の変化・器官重量変化が見られた。
 
ジエノクロル5 mg/kg/日より少ない2週間投与で、ラットに影響はなかった。
 
 
生殖に対する影響
 
データはない
 
 
催奇性
 
・餌に混ぜて50 mg/kgを妊娠ラットに投与した場合、子孫に先天障害は見られなかった。母ネズミに対する毒性は17 mg/kg の投与で見られた。
 
 
変異原性
 
・ジエノクロルは変異原性を持たないか、またh弱い変異原性を持つことが示されている。
 
 
発癌性
 
発癌性に関する情報は利用できない。
 
 
器官に対する毒性
 
・脾臓及び胸腺の萎縮が示されている。このことから免疫系への影響が危惧される。
 
 
動物中での運命
 
雌ラットに少量のジエノクロルを投与した場合、分解産物の90%が分に、2%が尿に排泄された。ラットでは1日以内にほとんど全てのジエノクロルが分解された。ジエノクロルは消化管からの吸収は少ない。4日後、肝臓及び腎臓・胃・腸に2%が残っていた・
皮膚からはわずかしか吸収されない。
 
 
生態学的影響
 
・ジエノクロルはコリンウズラ及びマガモに無毒である。コリンウズラのLD50は750 mg/kgで、マガモでLC50は約4000 mg/kg/餌である。
・魚類に対する毒性は高い。ブルーギルでLC50は0.6 mg/l、ニジマスで0.05 mg/lである。
・淡水甲殻類オオミジンコでは中程度に有毒である。
・ミツバチには事実上無毒である。
 
 
環境中での運命
 
環境中の挙動に関する情報はほとんどない。ある研究によると、この化合物は残留性がない。環境中で2、3時間から数週間残留する。日光によって速やかに分解する。
 
 
参考
 
Extension Toxicology Network, Pesticide Information Profile: Dienochlor, 1993 (2004年 1月21日現在) http://pmep.cce.cornell.edu/profiles/extoxnet/dienochlor-glyphosate/dienochlor-ext.html
 
 

掲示 2004年 1月 21日 渡部和男
 
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